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「人材採用と組織変化」から考える、マーケティングとテクノロジの距離がより近づいていると感じる3つの理由

佐々木 卓也
2013-04-24

マーケティングとテクノロジの距離が近づく事で、

商品開発(product)、販路開拓(place)、販売促進(promotion)、価格戦略(price)等、
いわゆるマーケティングの基本「4P」や経営における「意思決定」に
大きな影響を与える事は、このサイトでもお話ししている方が
とても多いのでもはや明らかな事実ですが、
この数年は海外事例・将来希望記事先行、システムベンダー提案先行といった、
一部のトレンドに流されている感も否めませんでした。

そんな中クライアントとお話ししていると、
本当の意味でマーケティングとテクノロジの距離が近づき、
実際に経営に対して大きな変化・変革を感じる出来事
が多くなってきました。

それは「人材採用と組織変化」の変化です。

今日はその感じる理由をを3つ挙げたいと思います。

①採用する学生が初めからマーケティングとテクノロジを両方意識している。
私自身も自身の会社の採用に携わりますが、
面接で出会う学生にゼミや専攻が、
・マーケティングとテクノロジ
・経営学とテクノロジ
・アドバタイジングとテクノロジ
といった今までの専攻+テクノロジを学ぶ学生が増えています。
特に海外の大学には、当たり前にこの様な学科がある様です。
今までだと「理系」「文系」とセグメントされてしまいがちですが、
いわゆる「ハイブリット系」なのでしょうか。
経営に対してテクノロジを活用するのが当たり前、と学びを得た人材が続々と入社
し始めています。

②マーケティング部設立やシステム部からの人材異動が始まっている
営業企画部、販促企画部、商品部といったセクションの他に、
新たにマーケティング部を組織する企業が増えています。

今までのマーケティング部の役割はどちらかというと、
リサーチ全般を行う部門だったのですが、
最近は社内データ、外部データを駆使してKPIを策定したり、
他部署に対して方向性を打ち出しサジェスチョンする部署として期待され組織化される事が多い様です。

社内にCMO(チーフマーケティングオフィサー)の任命をする企業も増えて来ています。
もちろん下支えするのはデータですので、
BIツール、統計解析ツール等を活用、使いこなす人材がチームに必須です。
その為に、今までシステム部だった人材をマーケティング部の中に加えて
組織強化する企業
が増えています。

また、販促企画する部署にもシステム部の人材が異動している企業も見かけます。
WEBサイト、スマートフォン、レジレシート販促、キオスク販促、サイネージ等・・
沢山のテクノロジを活用した販促ツールが増える事で、よりシステムに強い人材を
販促企画をする部署に加えないと、最適な企画も立案出来ないという考えが表れています。


③データ分析の為に社内教育を強化する企業が増えている
データアナリスト、データサイエンティスト、データキュレータ等
役付!?の社内名称は沢山話に出てきています。
肩書だけでは無く、実務が出来るメンバーを育てようと
いくつかの企業は教育を強化し、社内にデータ分析出来る人材を育て始めています。
私も外部講師として長いスパンで教育を依頼・相談される事が多くなってきました。

この3つの理由の通り、人材採用や組織が変化する、という事は
経営者の本気度が伝わってくる、最もな大きな事象
と思います。

今までは既存のスタッフが兼務したり、外部の会社に丸投げしたり
残念ながら中途半端なケースが多く見られました。
経営者が必要性を叫び社内の人材不足を嘆くだけ、という状況から、
人材を集め、組織を変える事で、この一年で大きくテクノロジとの距離が近づき
大きく変革する企業が増えると思っています。

最後まで読んで下さりましてありがとうございました。

『ITmedia マーケター通信』 2013年4月23日掲載

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