「DMを送付してみたものの、求めるような結果が出ていない…」
当社は上記のようなお悩みを多くお伺いします。
BtoBのビジネスは、一度顧客を獲得すれば長期的な関係構築につながり、継続的な売上が期待できる一方で、BtoCと比べて意思決定までのフローが複雑で多様です。そのためDM施策でも、企画段階から戦略的な設計が求められます。
そこでこの記事では、フュージョン株式会社がご支援した事例から、全日本DM大賞で設計・効果を評価され、新たな側面から商材に光を当てたことが話題となった三井住友カード株式会社の事例をもとに、BtoBのDMで成果を出すためのポイントを解説します。
なお、BtoB DMの一般的な設計ポイントについては別コラム「BtoCとはどう違う?BtoBダイレクトメール(DM)で失敗しないための設計ポイント」でも解説しているので、あわせてご一読ください。
DM施策を成功させるには、企画段階で以下の4要素を明確にすることが重要です。
上記の4つの要素のうち、DM施策効果にもっとも大きな影響を与えるのは「ターゲット」です。ターゲットを適切に選定できていなければ、他の3つの要素がどれだけ良いものであっても効果の最大化は狙えません。
ターゲットの設定とは、「ダイレクトメールを送る顧客」を明確にすることです。
自社が保有している顧客データを使用する場合は、DM施策をふまえてデータを分析し、送付する顧客グループを絞りましょう。
新規でリストを取得する場合は、可能なかぎり意思決定者に直接届くようなリストが求められます。
BtoBにおいては、外部サービスを活用し、特定のセグメントのバイネームリスト(例:人事情報が公表されている上場企業の部長職等)を取得することも可能です。
(セグメント例)
・業種
・上場/未上場
・役職
・企業規模
・地域
オファーとは、訴求する商材を購入して得られる価値や、このダイレクトメールで購入する理由のことです。オファーとして有効な要素は以下の5つです。
DMでは、上記の要素5つ全てを盛り込む必要はありません。基本的には「1.商品またはサービス」を訴求しながら、その他の要素をターゲットや商材の特徴に合わせて組み合わせることが大切です。
予算策定期や新年度、決算期など、意思決定が行われるタイミングを狙うことで反応率が高まります。業界ごとの商習慣やイベントスケジュールも考慮すると、より効果的です。
デザイン、コピー、パッケージなど、受け取った瞬間に「捨てられない」印象を与える工夫が求められます。BtoBでは、品位や信頼感を損なわない範囲で、驚きや遊び心を加えることが差別化につながります。
三井住友カード株式会社の「見えるカードと見えないカードDM」は、BtoB施策の成功例として全日本DM大賞を受賞した好事例です。まだ浸透していないパーチェシングカードを「見えないカード」と表現し、従来のカードとの違いを際立たせるという新たな切り口により、前回比240%のリード獲得率を叶えました。
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【商材】 【実施時期】 【課題】 【成果】 |
本DMでは、ともに法人向けのカード2種を訴求し、受け取り手に自社に合った商品を導入してもらうという目的がありました。
しかし2種のカードはさまざまな違いがあり、紹介の仕方によっては「どちらもよく分からない」と思われてしまうリスクがあります。
特に企業には日々多くのDMが届くため、初見で不要と判断されると元も子もありません。そこでDM企画では、ただ情報を整理するのではなく「2つの商材の特徴が直感的に分かること」を重要視しました。
商材の特徴を表しつつ、初見で「これは何だ?」と気になるようなユニークさを持った表現を目指し、最終的にコーポレートカードを「見えるカード」、対してプラスチックカード不発行のパーチェシングカードを「見えないカード」と表現しました。
受け取り手との最初の接点では、箱を採用し、大きくコピーを掲載しました。普段聞き馴染みのない「見えないカード」をフックに、興味を持った状態での開封を期待しました。
さらに箱をひらくと登場するリーフレットでは、商品ごとに詳細を案内。箱に続く対比構造で商品をシンプルな説明で表現します。
商品ごとに小さなリーフレットを封入し、要点や導入事例を掲載。
DM送付後に、アウトバウンドコールを行いカード獲得率を上げる計画であったことから、「あのDMで見た商品か」とすぐに思い出してもらえるよう、強く印象に残すことを重視しました。
そこで、実際の商品と同サイズのプラスチックカードを封入し、取り出して物理的にカードを体感してもらうDM独自のクリエイティブを追加しました。
特にパーチェシングカードは市場認知度に課題があったため、箱の中に透明素材で具現化し、「見えないカード」を表現しています。
透明なプラスチックカードで「見えないカード」を表現。
キャンペーンページへの二次元コードを掲載しアクションを促進します。
コーポレートカードは実際の券面とデザインを合わせました。
裏面にはキャンペーンページへの二次元コードが掲載されており、アクションを促します。
DM送付にあたり、三井住友カード株式会社のチームが、既存の導入企業属性や利用傾向をAIにて分析し、成約・利用見込みの高い企業を選定しました。
過去未接点のターゲットに対してコンタクトした結果、AIで選定したセグメントは、従来の選定条件と比較して4.5倍のリード創出に成功。通常4カ月の商談期間を要するパーチェシングカードが、2週間で複数件の導入希望を獲得しました。
受け取り手の印象に残すために選択した箱型形状や、カード型のアイテムについても、期待通り架電時の認知率を高くする効果を発揮しました。
結果として、別デザインで実施した前回DMと比較し、リード獲得率が240%に伸長。接点のない新規リードを獲得した好事例です。
本事例は、日経クロストレンドでも紹介されました。よろしければ是非ご覧ください。
三井住友カード、DMでも「AI革命」 リード獲得&商談4.5倍の成果
BtoBDMでは、購買の意思決定にかかわるキーパーソンに、「なぜ自社にとってこの商品・サービスが必要なのか」を論理的・合理的に理解してもらう必要があります。
同時に、商品・サービスに興味を喚起するためのフックやユニークさも必要であり、このバランスをとることが施策成功の秘訣と言えます。
フュージョン株式会社は、事業者・消費者双方の立場を横断し、効果的なDM施策をご支援しています。これまでフュージョン株式会社がご支援したBtoB向けDM施策の事例集もご用意していますので、ぜひDM施策の参考にご活用ください。
BtoBマーケティングで成果を出したい企業様は、ぜひフュージョン株式会社にご相談ください。貴社の課題に合わせた、最適なDM施策をご提案いたします。