年始のご挨拶は、BtoB企業にとって「単なる礼儀」以上の意味を持ちます。
新しい1年の始まりに、顧客や取引先とポジティブな関係を築くチャンスになるからです。
その中でも改めて企業に注目されているのが 「年賀状DM」。年賀状の親しみやすさと、DMならではのマーケティング効果を掛け合わせることで、顧客のエンゲージメントを高める有効な施策です。
本記事では、BtoB企業のマーケティング担当者向けに「年賀状DM」のメリット・注意点・成功事例・実践方法を整理しました。お読みいただくことで、年賀状DMの企画〜実行までの流れをスムーズに把握でき、失敗しない施策設計が可能になります。
年賀状DMとは、年賀状をモチーフにしたダイレクトメールのことです。
一般的な年賀はがきではなく、封書やカードなどでインパクトを加えることで、既存顧客への新年の挨拶と同時に、自社の存在感を強く印象づけられます。
年賀はがき発行枚数は、2003年の44億5936万枚をピークに年々減少しており、2025年はピーク時のおよそ6分の1となる、7億4841万枚にまで減少しています。
年賀はがきの発行枚数が減少傾向にあるからこそ、ライバルが少なく、相対的にターゲットの目に留まる確率は高くなります。
ここでは、BtoB企業が年賀状DMを実施することで得られる主なメリットを5つ紹介します。
年賀状は年に一度、顧客とコミュニケーションを取れる季節的なイベントです。
年賀状は形式的ながらも個人名宛に送付するため、受け取り手に対して感謝を伝え関心を持ってもらう効果があります。さらに、DMの形状や内容を工夫して記憶に残るクリエイティブにすることで、次回の商談での会話のきっかけなどにも利用できるでしょう。
また、年始はDMを含む郵送物が少ない時期でもあるため、顧客の目に留まりやすいというメリットもあります。
年賀状DMは取引先とより良い関係性を築くことを目的に送るものです。
送付することで、商談のきっかけになるなど直接的な効果が得られるのが理想ですが、年賀状DMをきっかけに年始のメールやお返事としてやり取りが発生するなどのコミュニケーションが生まれるケースもあります。
今までほとんど連絡が取れていない顧客であれば、このような小さなやり取りを接点として、新たな提案機会を得られるチャンスにもなるでしょう。
メールなどのデジタルツールで年始のご挨拶をするケースも企業によってはありますが、年賀状DMは受け取り手にデジタルよりも丁寧な印象を与えられる点もメリットです。
年賀状DMに保存性の高いノベルティを同封することで、ふとしたときに自社のサービスやブランドを想起してもらえるきっかけに繋げることもできます。
たとえば、ブランド名を記名した付箋やペンをノベルティにすれば、すぐには捨てられません。
手元にブランド名が常に目に入る状態であれば、顧客が困ったときに最初に思い出してもらえる確率が高まるでしょう。
ターゲットに合わせて年賀状DMの内容を変えれば、高いエンゲージメントが期待できます。
例えば以下のように内容を変えることができます。
また年賀状DMは、季節のご挨拶として日常的にあまり接点がない方に送付しても受け入れてもらいやすいことも、エンゲージメントが強化される理由の一つです。
年賀状DMは、宛名を担当者ではなく代表者名にして送っても違和感がない点で、通常のDMとは異なります。
さらに、印象に残りやすいクリエイティブにすれば、担当者だけではなく取引先社内で話題に上がるなどの効果を期待でき、認知度や好感度の向上につながる可能性もあります。
年賀状DMをはじめ、BtoBでDMを活用する際には、BtoB特有の商習慣や意思決定構造を理解しておくことが重要です。
BtoCと異なり、BtoBビジネスには以下のような特徴があります。
このため、DMの内容は「一人の担当者」だけでなく、上層部や他部署の方が見ても理解しやすい設計にする必要があります。
(具体例)
こうした工夫により、担当者だけでなく関係者全体からポジティブに受け止められるDMになります。BtoBビジネスにおけるDMの設計ポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
また、フュージョン株式会社では初めてのDM企画でも抜け漏れなく進められる「ブリーフィングシート」 を用意しています。
BtoB向けのDM施策もBtoC向けのDMと同様に、まず企画設計から始める必要がありますが、どのような情報を整理し設計していけばいいか悩む場合もあるでしょう。以下のブリーフィングシートでは、必要な項目が整理されているため、初めて取り組む方でも抜け漏れなく企画設計が可能です。
資料は以下からダウンロードいただけます。業務にすぐ役立つ内容ですので、ぜひご活用ください。
ここからは、実際にフュージョン株式会社が作成した年賀状DMの事例を紹介します。取引先へどのような印象を持たせたいかをもとに、どのようなクリエイティブにしたのかぜひ参考にしてください。
1つ目は「封筒を思い切り破る」というアイデアで顧客に行動を促した事例です。
この年賀状DMは新型コロナウイルスが流行しており、社会が暗いムードに包まれていた年に送付したものです。届いた年賀状DMの封筒には「この封筒、ビリビリに破ってください。」というコピーで興味を惹きました。
シンプルでありながら日常生活では滅多に経験しない「破る」という行為を通して、これまでと違う日常で感じている我慢や抑圧という感情を発散し、受け取った人を明るい気持ちにさせたいという意図が込められています。形のあるDMとして送付するからこそ、Eメールではできない「破る」という行動を促すことが可能です。
破った中に入っているカードは、封筒の暗さと対照的に箔押しの日の出をデザインし、新年の明るさを際立たせたことで、年始のめでたさもきちんと表現している点も工夫したポイントです。
送付後は、年始のメールや商談で年賀状DMについて触れていただいたり、Facebookに投稿した動画への「いいね」だけではなくSNSへ投稿もしてもらえたりと、顧客からのレスポンスが多数見られ、フュージョンを印象付けることにも成功しました。
2つ目は仕事中も手元に置いておけるノベルティを同封した事例です。
この年賀状DMは、お仕事で日々忙しくしている取引先の皆様に「休憩時間はほっと一息、リラックスしてもらいたい」という思いから新年の干支にちなんだトラの手形のコースターを同封しました。
キャッチコピーには「あぁ、ネコの手も借りたい!そんなあなたに、トラの手あげます」とし、ネコよりも力強いトラの手のように、貴社をサポートしますという意図も込められています。
コースターを同封することで年賀状DMに重さが生まれ、開封する前から「なんだこれは?」と興味を持たせることも狙いでした。また、コースターは日常的に職場で利用されやすいツールのため、長く手元に置いてもらえる=フュージョンを想起してもらいやすいという意図もあります。
年賀状DMは年始の郵送物が少ないタイミングで届き、かつ年に一度のご挨拶という特性上、開封率が通常のDMよりも高くなりやすいDM施策です。
取引先へ毎年年賀ハガキを送っているなら、そこにひと工夫加えてより印象的な内容にすることで、その後の商談や新しい取引のきっかけにもなるでしょう。
また企画設計の際には、BtoB企業向けのDMで気をつけるべきポイントをきちんと把握し、伝えたいメッセージを明確にすることが大切です。
フュージョン株式会社では、BtoB企業向けのダイレクトメールサービスを提供しています。
初めてBtoB向けの年賀状DMに取り組む場合、何から始めるべきかわからなかったり、企画設計がうまくまとまらなかったりと悩むケースもあるでしょう。
本サービスでは貴社が持つ顧客の情報や伝えたいメッセージを丁寧にヒアリングし、企画設計からDM制作、発送代行、効果検証までワンストップでサポートいたします。
興味のある方は、以下のリンクよりお問い合わせください。
また、これまでフュージョン株式会社がご支援したBtoB向けDM施策の事例集もご用意しています。
ぜひDM施策の参考にご活用ください。