CRM施策を推進する中で、「ダッシュボードは整備した」「顧客分析も実施している」「レポートも定期的に作成している」にもかかわらず、「この分析結果をどう施策につなげればいいのかわからない」と感じたことはないでしょうか。
実際、多くの企業ではデータ活用の環境整備は進んでいるものの、分析結果を顧客コミュニケーションやCRM施策へ変換できず、十分な成果創出につながっていないケースが少なくありません。
重要なのは、データを「見ること」ではなく、「動かすこと」です。分析から得られた示唆を顧客理解へ昇華し、適切な施策へ落とし込むことで、はじめてCRMは成果を生み出します。
本記事では、CRMデータ活用が進まない企業が直面しやすい課題を整理しながら、分析結果を施策へ変えるための考え方と、データドリブンCRMを実現するステップをご紹介します。
| 【目次】 ・CRMデータ活用が進まない5つの原因 ・CRMデータ活用を成果につなげる4つのステップ ・【事例紹介】顧客データの力で企業と顧客を近づける ・CRMデータ活用はフュージョン株式会社へ |
CRM戦略の推進において、「データ基盤はある」「分析も実施している」にもかかわらず、施策実行までつながらない企業が少なくありません。
背景には、戦略立案、分析、クリエイティブ、システム、運用といった機能が部門ごとに分断されていることがあります。そのため、成果を出している企業ほど、部署を横断して連携できる体制づくりに取り組んでいます。
また、社内に十分なリソースやノウハウがない場合は、CRM戦略設計からデータ分析、施策実行、運用改善までを支援できる伴走型パートナーの活用も有効です。
重要なのは、分析レポートを増やすことではありません。
顧客理解を深め、その理解を顧客体験の改善につなげ続けることです。
ここでは、CRMデータ活用が進まない代表的な5つの壁を紹介します。
多くの企業では、データ分析担当者とマーケティング担当者が別組織となっています。
分析担当者は購買率や離脱率、LTVなどの数字を深く追いかける一方、現場のマーケティング担当者は施策実行や予算管理、制作進行に追われています。
その結果、
という状態が発生します。
例えば、「休眠化リスクの高い顧客群が存在する」という分析結果が出ても、
といったところまで設計されなければ成果は生まれません。
分析そのものではなく、分析結果を顧客コミュニケーションへ変換する仕組みが必要です。
BIツールによって可視化環境は大きく進化した一方で、「ダッシュボードを作ること」が目的になってしまうケースも少なくありません。本来、ダッシュボードは意思決定を支援するための手段です。
しかし、「ダッシュボードを作る目的」が明確化されていなければ、
といった状況が発生します。
さらに組織によっては、同じ売上指標でも集計方法が異なるダッシュボードが複数存在し、「どの数字が正しいのか分からない」という状態に陥ることも少なくありません。
可視化した先にある「施策判断」まで考えなければ、データ活用は前進しないでしょう。
データ活用を推進するために、データ基盤やダッシュボードを専門部署が一元管理する企業も中にはあります。
データの統制面では有効ですが、
といった要望が発生するたびに、専門部署への依頼が都度必要になります。
その結果として、
という課題が生じます。
データ活用が一部の専門人材に依存すると、組織全体へ浸透しづらくなるため、専門部署以外でもデータ活用ができるような仕組みが必要です。
BIツールや分析ツールは高機能化する一方で、利用方法を習得するためのハードルも高くなっています。特にマーケティング担当者の中には、
という方も多いでしょう。
その結果、「使える人だけが使うツール」となり、データ活用が属人化してしまいます。
データドリブンな組織を実現するためには、誰でも顧客データを活用できる環境づくりが重要です。
CRM施策では、メールやLINE、アプリプッシュ、Webサイトなどデジタルチャネルに注目が集まります。しかし顧客はチャネルごとに企業を認識しているわけではありません。
例えば、
といったように、顧客体験は複数チャネルを横断しています。
分析結果を施策に変えるには、オンラインだけでなく、郵送DM(ダイレクトメール)や店舗接客などのオフライン施策まで含めた顧客体験(CX)の視点で考える必要があります。
CRMデータ分析を成果につなげるためには、分析・実行・検証を一連のプロセスとして運用することが重要です。ここからは、4つの具体的な改善プロセスをご紹介します。
分析の目的は、データを見ることではなく改善につなげることです。
そのため分析を始める前に、
を明確にしておく必要があります。
例えば、
といった具体的な課題を設定することで、分析結果を施策へつなげやすくなります。
また、売上や会員数、購買頻度など主要指標の定義を社内で統一することも重要です。共通認識がなければ、改善活動そのものが前に進みません。
分析はあくまで改善のためのスタート地点です。まずは「何を変えたいのか」を明確にしましょう。
次に、顧客データを分析し、顧客に何が起きているのかを把握します。
重要なのは数字を見ることではなく、その背景にある顧客行動や心理を理解することです。
例えば、
という結果が出たとします。
その際は、
を確認しながら、原因を探ります。
さらに、アンケートやVOC(顧客の声)、顧客インタビュー、NPS®の自由記述などの定性情報も組み合わせることで、顧客が抱えている不満や期待をより深く把握できます。
分析結果から顧客課題を発見し、「何を改善すべきか」を明確にすることが次のステップにつながります。
顧客の体験を時系列で整理するために、カスタマージャーニーマップの作成も有効です。顧客接点ごとの体験や感情を可視化することで、より顧客視点に立ったCRM戦略を設計しやすくなります。
CRMで最も重要なのは、このステップです。
分析によって課題が見つかっても、具体的な施策に落とし込めなければ成果にはつながりません。
そこで分析結果をもとに、
を設計します。
例えば、「初回購入後に離脱する顧客が多い」という課題が見つかった場合は、
といった施策が考えられます。
また、「優良顧客の来店頻度が低下している」場合には、
などが有効かもしれません。
重要なのはチャネル起点ではなく、顧客課題起点で施策を考えることです。
分析結果を見た瞬間に、「では何を実施するのか」まで議論できる状態を目指すことが大切です。
CRM の成果は、単発施策ではなく継続的な改善活動から生まれます。
そのため、分析、仮説立案、施策実行、効果検証、改善までのサイクルを運用できる体制づくりが欠かせません。
例えば施策実施後には、
などを確認し、当初の仮説が正しかったのかを検証することが必要です。
その結果を次回施策へ反映することで、顧客理解と施策精度は徐々に向上していきます。
また、例えばマーケティング部門、営業部門、店舗、コールセンターなど、関係部門が同じ顧客課題と改善方針を共有する仕組みづくりも重要です。
分析結果がレポートで終わる組織と、改善アクションに変わる組織では、大きな成果の差が生まれます。
CRMを成功させるためには、データ活用の仕組みを構築するだけでなく、データを起点に行動する文化を社内へ定着させることが重要です。
CRM分析でよくある課題のひとつが、「分析結果は出ているものの、具体的なアクションにつながらない」という状況です。
フュージョンがご支援した株式会社エキップでは、分析結果の共有だけで終わらせるのではなく、その結果をもとに顧客理解を深め、CRM施策の改善を継続的に実施しています。
■デジタルを駆使した顧客体験価値の向上
株式会社エキップでは、「デジタルを駆使した顧客体験価値の向上」をDX推進部の重要なミッションの一つとして位置付けています。その実現に向けて、実店舗とECサイトの顧客IDを統合し、さらにCDP(顧客データ基盤)を導入することで、顧客一人ひとりを深く理解できる環境を整備しました。
その結果、LINE・メール・Webサイト・同梱物・広告など複数の接点を横断し、一貫したコミュニケーションを実施。顧客ごとに最適な体験を提供できる体制を構築しました。
また、購買履歴などの定量データだけでは把握できない顧客の声を収集するため、NPS®アンケートを活用しています。顧客の意見や感情といった定性的データを分析し、CX(顧客体験)の改善に活かしています。
フュージョンは、CRM戦略に基づくシナリオ設計支援やデータ分析、ターゲティング設計を担当。各ブランドが施策効果を検証しながら運用できる環境づくりを支援し、一部シナリオでは売上リフト効果が約1.4倍になるなどの成果にもつながりました。
より詳細を知りたい方はこちらからご覧ください。
CRMデータ活用が進まない理由は、ツール不足ではなく「分析結果を施策へ変換する仕組み」が不足しているケースが多くあります。
データドリブンCRMを実現するためには、
が欠かせません。
分析はゴールではなくスタート地点です。
顧客データから得られた示唆を実際の顧客コミュニケーションへ落とし込み、施策として実行してこそCRMは成果につながります。
CRMデータ活用を「見るための分析」で終わらせず、「顧客を動かす施策」へ変えていくことが、これからのデータドリブンCRMに求められています。
フュージョン株式会社では、顧客分析から施策立案、効果検証まで一貫したCRM分析支援を行っています。詳細はこちらをご覧ください。
ショート面談の用意もありますので、こちらもご活用ください。