「ECサイトで高価な商品を買ったけど、なんだか梱包が雑で安っぽかった…」
「憧れのブランドの商品を買ったのに、箱や明細書が無機質でブランドの世界観ゼロだった…」
そんな経験はありませんか?
購入した商品が自宅に届き、段ボールを開けるとき。
それは顧客にとって、期待値が高まり、強く印象に残る瞬間です。その後の顧客の購買行動に影響がある体験にも関わらず、なかなか期待に添った顧客体験(開封体験)を設計できていないという企業やブランド、サービスは多いです。
本記事では、この「ECでの初回購入時の顧客体験(開封体験)」を特別なものに改善し、その後の継続購入や顧客ロイヤルティを高める考え方、顧客コミュニケーション設計の起点としての重要性について解説します。
顧客体験を考えるうえで前提となるのが、「顧客コミュニケーション設計」の考え方です。
EC事業においても、顧客コミュニケーション設計は売上やロイヤルティに直結する重要な要素で、顧客の心情や行動変化を意識したコミュニケーションが求められます。開封体験を通して、顧客体験の質を上げることは、この設計の中でも大きな役割となります。
顧客の購入前後の心理を丁寧に設計することで、ECでも「意味のある体験」を創出できます。
顧客コミュニケーション設計については、下記の記事で解説しています。詳しく知りたい方はご一読ください。
実店舗での販売と、ECサイトでのオンライン販売では、得意・不得意な領域がそれぞれ異なります。
店頭では直接の接客や五感に訴える空間作りができる分、濃い顧客体験の提供を得意としますが、オンラインがメインでの関わり方だと、なかなか顧客ひとりを大事にする体験が浅くなりがちで、顧客体験設計は難しくなりがちです。
ただ、顧客にとってはチャネルにかかわらず、どちらも「1つの購買体験」です。
店頭での「最初の体験」が記憶に残るのと同様、ECでも「最初の購入体験」は、企業やブランド、サービスへのイメージとして残り、この体験設計で期待に添えるかは、その後のF2転換率やLTVに影響があります。
送り手としても、One to Oneのコミュニケーションができる大切な機会、「ブランド」を大事にする商品であればあるほど、この部分の強化は大事なポイントといえます。
さらに、初回購入時の開封体験は、「顧客のモチベーションが最も高まる瞬間」と言われています。
マーケティング活動で活用されている「ピーク・エンドの法則」では、最も感情が高まる「ピーク」と経験が終わる瞬間「エンド」の出来事が、経験全体の印象を決定すると言われています。
開封直前の高揚感(ピーク)と、商品を手にした満足感(エンド)を最大化することで、印象的な顧客体験を提供できます。
また、「期待不一致モデル」というマーケティング理論では、消費者の満足度は、事前の期待と実際の体験との比較によって決まり、実績が期待を上回れるかどうかで、満足・不満足の感情を生み出すとされています。
期待値が高い状態での初回の開封体験を、その期待を上回る出来にすることで、顧客満足度を高め、顧客の心理ロイヤルティと継続・推奨意向を高めることができるのです。
これらのロジックからも、ECでの商品購入で、ただ商品を届けるだけでなく、ブランドの世界観や価値を伝える「体験」を設計することができれば、「また買いたい」「誰かに紹介したい」と思ってもらえる関係性を築くことができると考えられます。
初回購入体験は、単なる配送ではなく、顧客との最初のストーリー設計の場です。
「いつ・誰に・どのように」情報を届けるかを設計することで、顧客の心情や行動変容を促すことができます。
下記の「初回購入時の開封体験に押さえるべき11の要素」を元に、自社の設計で不足がないか、確認してみましょう。
また、これらを意識しつつ、顧客やシナリオに合わせて必要な情報を絞り、次回購入におすすめの商品をご案内することで次の購入を促し、SNSやコミュニティなどに誘導して、ブランドの理解や愛着度を高めることで、大切な顧客との出会いのタイミングを活用することができます。
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顧客コミュニケーション設計で、新規顧客をロイヤルカスタマーまで成長させていくための第一歩となるのが、初回購入時の体験設計です。 企業やブランドの「顔」となる開封体験を、顧客の記憶に残る“感動体験”にすることで、顧客のロイヤルティを高めていきましょう。
とはいえ、商品の送付には多くの要素があり、多くの企業・人が関わります。
段ボールや緩衝材などの梱包資材の選定、配送方法・業者の選定、出荷オペレーション、顧客満足度チェックなど、見直すべき部分が多く、すべてを設計し直すことは大変な作業です。
一度にすべてを変えるのが難しいときは、まずは、同梱チラシやサンキューカードなど、費用も少なく、クリエイティブを変更しやすい同梱ツールから改善してみるのがおすすめです。
フュージョンでは、EC事業を展開するブランドの顧客コミュニケーション設計のご支援を得意としています。
全体設計という大きな視点から、ご予算に応じた同梱物の見直しまで柔軟にサポートが可能です。
「顧客コミュニケーション設計を検討しているものの、なかなかうまく進まない、進め方がわからない」といった悩みをお持ちの担当者様はぜひフュージョン株式会社にご相談ください。
また、以下にてコミュニケーション設計書のテンプレートをご用意していますので、ぜひご活用ください。
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フュージョン株式会社では30年以上にわたり、CRM領域において、現状分析による現状把握から戦略策定、マーケティング施策の設計や運用まで、総合支援をしてきました。
CRM領域でのマーケティングでお悩みのある方は、お気軽にご相談ください。