マーケティングコラム

「顧客」ってどんな人? カスタマージャーニーマップの作り方

2016/09/02

マーケティング活動をしていれば「ユーザー」「顧客」といった言葉を毎日のように口にするでしょう。しかし、ユーザーやお客様について具体的なイメージを持てていますか? また、ほかの人とそのイメージを共有できていますか?イメージが明確でなければ、効果のある施策は企画・実行できません。

今回は、顧客像を明確にするためのカスタマージャーニーマップの作り方をお伝えします。

●カスタマージャーニーマップ(CJM)とは
顧客とサービス・商品との接点およびそこでの体験・感情を時系列に並べ視覚化したものがカスタマージャーニーマップです。

●なぜ作るのか
カスタマージャーニーマップを作る利点として以下のような点が挙げられます。

・「お客様目線」を体得できる
・複雑なプロセスを分かりやすく把握できる
・複数人、複数部署で認識を統一できる
・効果的な企画立案が容易になる、KPIが設定しやすくなる



●カスタマージャーニーマップの作り方
それでは、基本的なカスタマージャーニーマップ(CJM)の作り方を4つのステップで見ていきましょう。

【STEP:1 ペルソナを設定する】
ペルソナは、自社商品の象徴的・代表的なユーザー像をモデル化したものです。
年齢、性別、職業といったデモグラフィックな属性、想定される趣味嗜好・行動特性、統計情報やアンケート結果、Webサイトのアクセス解析データ、ユーザー登録時に取得した各種情報などを横断的に組み合わせて、ターゲットとなるペルソナを作り上げていきます。 可能であれば営業スタッフや接客スタッフ、カスタマーサポートといった実際に顧客とコミュニケーションする立場の人の意見や経験も聞き取り、より具体的で立体的なペルソナを設定しましょう。

多くの場合、同一の商品・サービスにおいても想定されるペルソナは複数存在します。たとえば旅行予約サイトの利用者を考えた場合でも、家族連れもいれば、一人旅を計画している人もいます。自社にとって主力となるユーザーまたはターゲットとしたいユーザーを念頭にペルソナを作成しましょう。 複数のペルソナを採用した場合には、ペルソナごとにCJMを作成します。



【STEP:2 ジャーニーの範囲(始点と終点)を決める】
次にユーザー行動のどこからどこまでをCJMに含めるのかを決めます。

・既存のフレームワークを利用する
CJMを初めて作るなら、一般的なフレームワークを利用してみましょう。
認知を始点、購買を終点として、その間に情報収集、比較検討のプロセスを置く形が汎用的に使えます。各プロセスの細かさや名称は、自社商品やサービスに合わせて調整しましょう。このフレームワークが自社にそぐわない場合には、後述のように目的に応じて設定します。

20160902_CJM_process.png

・CMJを作る目的から設定する
たとえば、リピーター化・ロイヤル顧客化の施策立案のためにCMJを作るなら初回購入後の利用、リピート購入、他者との共有(口コミ、SNSへの投稿)までをも含むCJMが必要となるでしょう。 顧客にどんな状態になってほしいのかを想定し、そこに至る行動をプロットすることで、CJMの範囲を決められます。



【STEP:3 プロセスごとの行動をプロットする】
想定したペルソナになりきり、各プロセスにおいてどのような行動をするのか推測していきます。
あまり考え込まずに、思いつく行動を付箋などに書き出してから取捨選択・整理統合するとよいでしょう。

推測だけでは行動が想定しづらい、あるいはデータによる裏付けがほしい、という場合には以下の方法が使えます。

・観察、インタビュー
街頭や店頭でペルソナに近い人物を見つけ、その行動を観察することで行動のサンプルを得ることができます。
たとえば店頭で観察を行うのであれば、単に入店した、商品を手に取ったというだけでなく、その時の動線、視線、表情などにも注目しましょう。

ユーザーから直接情報を得る手段としてはインタビューも一般的です。
それほど多くの人数にインタビューする必要はありません。想定したペルソナに近い人物3~5人程度でも十分です。一般的に、インタビュー対象が10人を超えると、新しい知見を得られる確率が急激に低くなっていきます。アンケートなどで広く浅く情報を集めるのではなく、デプスインタビューやコンテキストインタビューと呼ばれる手法で一人ひとりから深く情報を引き出します。

・アクセス解析
ECなど、顧客の行動プロセスにおいて自社サイトが大きなタッチポイントとなっている場合にはアクセス解析も顧客行動を知るための重要なデータソースとなります。
Google Analyticsであれば「ユーザーエクスプローラ」という分析メニューで、ユーザー一人一人のサイト上での足取りをたどることができます。コンバージョンに至ったユーザーなど特定のセグメントで絞り、その行動を追ってみましょう。何人かのユーザーの行動を細かく見ると、共通する特徴的な動きが見えてきます。

・統計データ、外部データの活用
たとえば、ペルソナが情報に触れるデバイスとしてスマートホンをよく使うのか、テレビの影響が大きいのかといったことは既存の統計データなどから推測できます。
社外の既存データからペルソナにぴったり合った精度の情報を得ることは難しいですが、特にデモグラフィック属性ごとの傾向を把握するのには役立つ場面も多くあります。

20160902_CJM_action.png



【STEP:4 プロセスごとの感情、考えをプロットする】
各プロセスにおける行動を元に、その場面におけるユーザーの感情や考えていることを推測します。
たとえば、情報収集のプロセスで様々な媒体に接触しているのになかなか次のプロセスに進まないという行動が見られた場合、「何を選んでいいかわからない」「だんだん考えるのが面倒になってきた」というような思考になっていることが想定されます。
こういった感情の動きは、以下のように矢印などを使って図解するとCJMを見たときに直観的にユーザーの感情を把握できます。

20160902_CJM_feeling.png

以上で、基本的なCJMが作成できました。



顧客体験を一望することで、各プロセスにおける課題とそれに対する施策が明確になるのではないでしょうか。たとえば、比較検討プロセスにおいてペルソナが「本当にこの商品が必要だろうか」という不安を抱きがちだとします。CJMを見ればそのときによく接触するデバイスやメディアが分かります。そこに対して不安を解消するようなコンテンツやサービスを提供すればよいのです。

さらに目的が具体的なのでKPIの設定も容易になります。上記の例でいえば、不安が解消されて次のプロセスに進んだかどうかが測定できれば、施策が有効であったかどうか判断できるというわけです。

20160902_CJM_sample.png



●作った後は
CJMは一度作ればそのままずっと使えるわけではありません。施策の結果や顧客の変化を踏まえて、アップデートしていく必要があります。
CJMをもとに顧客とのコミュニケーションを繰り返し、仮説が正しかったかを検証していくのです。それを継続することで、顧客をより深く知り、顧客に響く商品やサービスを提供できるようになります。



フュージョンでは、顧客理解を通じたマーケティング施策の企画・立案から実行、効果測定までをトータルにサポートします。顧客をもっと知りたい、そのことで収益を向上させたいという課題をお持ちであれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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