マーケティングコラム

なぜ顧客はそれを欲しがるのか? 提供価値を見出すフレームワーク
「バリュー・プロポジション・キャンバス」

2016/09/29

前回の記事では「ターゲットに響くキャッチコピーの作り方」をご紹介しました。

提供する商品やサービスが、ターゲットにとってどんな価値を持っているのかを的確に伝えることはマーケティングの肝であり、キャッチコピーという成果物にはそれが端的に現れます。

自社製品やサービスの仕様や特徴を詳しく説明できる方は多いと思いますが、そのことがターゲットにどんな利益をもたらすのかまで分かりやすく言語化するのはなかなか難しいものです。

そこで本日は、ターゲットに提供できる価値を明確にするのに役立つ「バリュー・プロポジション・キャンバス」というフレームワークをご紹介します。



バリュー・プロポジション・キャンバスとは
バリュー・プロポジション・キャンバスは邦訳が昨年2015年に発行された『バリュー・プロポジション・デザイン』(http://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798140568)という書籍で紹介されたフレームワークです。
顧客の視点と製品・サービス提供側の視点の合致するところに提案価値を見出すという特徴があります。



バリュー・プロポジション・キャンバスの作り方
【概要】
バリュー・プロポジション・キャンバスは以下のような形をしています。

20160929_ValuePropositionCanvas.png

右側の円で顧客セグメントを、左側の四角で提供する製品やサービスを定義していきます。

顧客セグメントは
・顧客の仕事:ターゲットが成し遂げたいこと
・ゲイン:ターゲットの望む具体的なメリット、恩恵
・ペイン:仕事をするにあたっての障害、リスク、悪い結果
によって構成されます。

製品・サービスは顧客セグメントの各要素に対応して
・製品、サービス:提供するもののリスト、仕様や特徴
・ゲインクリエーター:製品、サービスによってゲインを生み出す方法
・ペインリリーバー:製品、サービスによってペインを解消する方法 という要素で構成されます。

構成要素を一つずつ見ていきましょう。



【顧客セグメント】
バリュー・プロポジション・キャンバスで最も大事なのは「顧客の仕事」、つまりターゲットが欲しているもの、成し遂げたいことです。たとえば、ダイエットサプリを販売しているなら、ターゲットは体重を落としたいと思っている人でしょう。しかしここで「顧客の仕事」を「痩せること」とするのでは不十分です。ターゲットはやせて何を達成したいのかにまで踏み込みましょう。美容目的でダイエットする場合でも、「痩せてきれいになったと言われたい」「サイズに縛られず、好きな服を選びたい」など達成したいことは様々です。

顧客の仕事を考える際には、売り手の都合ではなく顧客の視点から考えます。
以下3つの側面からアプローチしてみるとよいでしょう。

機能的な仕事:具体的な行動や状況として表現できる側面です。
 上記のダイエットの例で言えば「痩せること」がこれにあたります。

社会的な仕事:まわりからの評価やステータスとして表現できる側面です。
 上記の例では「きれいと言われること」などがこれにあたります。

感情的な仕事:ターゲット個人の感情や気分として表現できる側面です。
 上記の例ならば「自信を持つこと」などが感情的な仕事といえるでしょう。

つまり、この例でいえば「顧客の仕事」すなわち達成したいことは「痩せて周りからきれいだと評価され、自分に自信を持てるようになること」と表現できます。

「仕事」が明確になったらその仕事にまつわる「ゲイン」(メリット、恩恵)と「ペイン」(障害、リスク)を埋めていきます。



ゲインは仕事を達成するためのソリューションに期待すること、ソリューションのメリット、得られる恩恵のことです。
ダイエットサプリであれば、必要不可欠なゲインとして減量できること、望ましいゲインとして食事制限や運動をしなくてよいこと、予想外のゲインとして、自信を持てて社交的になることなどが挙げられるでしょう。

ペインには仕事の達成を阻害する障害、ソリューションの気に入らない点、達成した後のリスクが含まれます。
価格が高い、つい飲み忘れてしまう、バストなど痩せたくないところまで痩せてしまう、飲むのをやめると体重が戻るなどが考えられます。

ゲイン、ペインは、自分の製品・サービスで対応できるか否かに関わらず想定されるものをすべて書き出します。



【製品・サービス】
次に、製品・サービスについて各要素を見ていきましょう。

製品・サービスのリストには、製品の仕様や、提供方法、アフターサービスや保証内容など、価値判断を含まない説明を並べていきます。これ自体はただの説明であり、ターゲットにとっての価値を生み出すものではありません。

製品・サービスの説明がリストアップできたら、そのことによって提供できるソリューションを2つの側面から表現していきます。

その1つ目が「ペインリリーバー」です。
これは、ターゲットのペインを解消、軽減するための具体的な方法です。ダイエットサプリの例を続けると、手頃な価格、飲みやすいカプセル、飲み忘れ防止の通知を受けられる専用アプリ、などが挙げられるでしょう。

2つ目は「ゲインクリエーター」です。
こちらは、ターゲットのゲインを生み出すための具体的な方法となります。効果の大きい有効成分、ダイエット中の栄養不足を解消する栄養分添加、減量結果を共有するためのユーザーコミュニティなどがこれにあたります。



【合致点を見つける】
顧客セグメントと製品・サービスの各要素を書き出せたら、お互いの合致する点を見つけ出します。
ペインリリーバーとゲインクリエーターは、ターゲットのペインやゲインに対応している必要がありますが、一つの製品・サービスですべてのペイン・ゲインに対応しなければならないということではありません。顧客のあらゆる悩みに対応する商品を提供するのは不可能です。
そうではなく、ターゲットのペイン・ゲインと製品・サービスのソリューションが合致する点を見つけるのです。これが、そのターゲットに対する提供価値となります。

20160929_ValuePropositionCanvas_sample.png

バリュー・プロポジション・キャンバスを使うことで顧客の視点で製品やサービスの提供価値を整理でき、訴求ポイントや改善点、ターゲットと商品のすれ違いポイントなどを見つけやすくなります。
ぜひ活用して、マーケティングに役立ててください。



フュージョンはダイレクトマーケティングエージェンシーとして、クライアントがその顧客に価値を提供し利益を上げるための活動を一貫してサポートいたします。 自社の価値を明確にしたい、効果的にそれを伝えたいという課題をお持ちであれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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※本記事は、フュージョンメールマガジンのバックナンバーです。
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