(フュージョンのご支援内容)
・自社直販ECサイト運用、カスタマーサポート窓口運用
・顧客データ分析レポート作成
・MA(※1)ツールを活用したシナリオ設計支援~配信
・NPS(※2)アンケートの設計~実施、CX改善テーマのご提案
3つの化粧品ブランドを展開する株式会社エキップ。フュージョン株式会社では、同社の顧客データを活用したマーケティング活動について幅広く伴走支援しています。4半世紀以上に渡るお付き合いの中、マーケティング施策の核となるデータドリブンマーケティングの推進と当社との取り組みについて、DX推進部長 鳥橋葉子様にお話を伺いました。
―はじめに、エキップについて教えてください
エキップではRMK、SUQQU、athletiaという3つのプレステージ化粧品ブランドの製造販売を行っています。 RMKは洗練された自然体を提案し、SUQQUは「すっくと立つ姿」に由来する自立した大人の美しさを表現。athletiaは「よく動き、よく休む」というコンセプトで、それぞれのブランドが洗練された個性際立つ商品やサービスを展開しています。
―その中で、鳥橋様のミッションはどういったものですか?
2020年に私がエキップに参加したタイミングで、D2C統括部という部署を立ち上げました。ブランド横串で、顧客志向、D2C(※3)、OMO(※4)という3つ側面を推進していく部署として始まったのですが、現在は旧システム部と統合しDX推進部と名前を変えて、社内のDX推進も担当しています。
私たちのミッションは大きく4つあります。それは「デジタルを駆使した顧客体験価値の向上」「次世代システム構築と最適な売り場の提供」「データドリブンなビジネスの推進」「DX人材育成と業務効率化」です。これらを通じて、ブランド価値を高めることを目指しています。
―その中の一つにフュージョンとのお取り組みがあるということですね。
はい、フュージョンさんとのお取引は今年で28年目と伺っています。店舗資材やDMの印刷から始まったお取引も、現在では自社EC運用・CRM(※5)運用からデータ分析まで、幅広くご支援いただいているかと思いますが、ちなみにエキップの自社ECの運用はいつごろから担当されていたんですか?
―2011年からです。RMKとSUQQUの公式オンラインショップの立ち上げからですね。ECサイト立ち上げ前からご支援させていただいていましたが、いよいよ自社ECを始めるとなった時に、カスタマーサポートセンターの開設とサイトの運用をお任せいただいた流れでした。
そうなんですね。ということは、その過程で顧客情報をデジタル化する動きもご支援いただいたと。
―はい。その後2020年にはathletia の公式オンラインショップ立ち上げにも参加させていただきました。
その時代の流れに応じて必要な分野で伴走いただいていたのですね。改めてそのあたりお聞きできてよかったです。
―ありがとうございます。エキップの業務をご支援させていただく中で、さきほどお聞きしたミッションにもあったように、“顧客体験価値(CX)”というキーワードがあるように感じます。
そうですね。ブランドそれぞれの持つ個性を大切にしながらも、常に顧客視点でお客様の満足度とLTVを高めていくことは意識しています。そのためにはデジタルとリアルの体験を分断させることのない、本来あるべき顧客体験を考え、それをオムニチャネルで設計していくことを大切にしたいと考えています。
―CXや顧客視点を大切にしてらっしゃるとのことですが、具体的な取り組みはありますか?
はい。フュージョンさんにも参加して頂いているCDP(※6)活用のプロジェクトはまさにその取組の一つと言えます。「デジタルを駆使した顧客体験価値の向上」の一環としてスタートしました。
―DX推進部のミッションのひとつ、ということですね?
はい。ただCDP活用といっても、活用すること自体は手段にすぎませんので、目的としてはやはり顧客一人ひとりを深く分析してマーケティング活動に活かすということでした。
―プロジェクトの開始からどのようにCDP導入へ至ったのですか?
それ以前のエキップでは、顧客を深く分析してマーケティングに活かすための環境が整っていなかったんです。そこで2020年には、顧客の購買行動をつかむための入り口として、実店舗と直販ECの顧客IDを統合して一元管理する動きがスタートしました。
そして2021年にはCDPを導入して、当初の目的である、一人ひとりに対する最適な顧客体験の実現に向けて本格的にデータ活用がはじまりました。
―そこから約4年で現在の状態にまで推進してきたということですね。
はい。導入以降は新たなデータ連携や効果検証スキーム作りなど基盤を整えるところからはじまって、次のフェーズとして個別施策でPoC(※7)をはじめ、2022年以降は同一ターゲットに対し、LINEやメール配信、サイト表示、EC配送時の同梱物や広告配信など、複数接点で一貫したコミュニケーション施策を展開できる状態になっています。
―スタートから一緒に取り組ませていただいてきた中で、今まさに顧客データの活用のフェーズという感じがしています。
ありがとうございます。最初は活用の難しさや課題もたくさんもありましたが、やるからには使いこなすつもりで進めてきました。データ基盤の中枢であるCDPの真価をなんとか発揮させて、一人一人のお客様の体験を最適化したいという思いがあったので、今そう感じて頂けるのは非常に嬉しいです。
―プロジェクトにおけるフュージョンの関わり方についても少し触れていいですか?
はいもちろん。フュージョンさんには、取引初期からECサイトの運用やデータ分析を依頼してきた経緯もあって、エキップのCRM戦略を理解したデータの取り回しをしてくれると思い、このプロジェクトにも立ち上げから参加してもらっていましたね。
―その中で当社は、主にCRMデータを扱う部分をお手伝いさせていただいています。
まずブランド担当者が、顧客のカスタマージャーニーをパーセプションフロー・モデルを使って組み立てます。どのタッチポイントでどんなアクションをしたらいいのかということを顧客視点で考えながら、それをチャネル別に落とし込んで具体化していくんですが、この一連のプロセスの中で、フュージョンさんにはシナリオの設計支援やCDPからのターゲティング・セグメント設定と分析スキームの構築をする部分に参加いただいています。
―当社のご支援がどういった効果に繋がりましたか?
戦略意図や成果指標含めてエキップのことをよく理解してくれているからこそ、柔軟で正確な進行ができたという点は大きいと思います。
成果として各ブランドが施策の効果検証を内製化・自走化できるようになったという点も担当者にとっても非常に好評でした。
プロジェクト前と比べて、売上リフト効果が約1.4倍になったシナリオ事例もありました。
―そうなんですね。そういった効果が出せたのはとてもうれしいです。
実は今回、各担当者からもフュージョンさんとの取り組みについての声を聴いてきたのですが、対応が素早く改善の提案もしてくれる点や、ブランドの特色を理解して対応いただける点等様々な感想がありました。私自身もフュージョンさんには、エキップがやろうとする新しい取り組みに対して、マニュアルもない道なき道をついてきてくださることに関して、とても感謝しているんです。
―ありがとうございます。担当者にも伝えさせていただきます。
はい、よろしくお願い致します。
―データ活用の中で、課題に感じていることはありますか?
データ基盤を作り定量データを集めるところまではできましたが、お客様の生の声や思いといった定性的なデータは、購買などの定量データと紐づけることで、もっと効果的に活用できるのではないかと感じていました。そのため顧客調査(NPSアンケート)を通じてお客様の声を集める活動をはじめました。AIの力も借りながらアンケート結果を分析し、集めた声を各チームの業務やプロモーション、接客など、様々な場面でCX改善のために活かしています。現在では、定常的に行っているNPSアンケートを進化させて、あらたな調査項目・分析軸を付加したアドホックアンケート調査を行っています。このアンケートの構築から分析までのプロセスには、フュージョンさんにも関わって頂きました。
―NPSアンケートでのリサーチ・分析ではどんな効果がありましたか?
まずアンケートで集めた声は、ポジティブなご意見もネガティブなものも、全て関係する部署にフィードバックするようにしています。お客様は自分の声が改善につながると思って投稿してくださっているので、これをきちんと活用するのが企業としての責任だという思いです。
分析結果はブランドごとに共有しましたが、担当者が想像していなかったような新しい気づきがたくさんありました。これがきっかけとなって、ブランド内では改めてチームを超えてお客様のことを考える機会にもなったし、“いつ”、“だれに”、“どんな”情報発信を行うかという視点で、ブランドの発信を振り返るための資料にもなっています。
―今後のデータ活用の展開を教えてください。
顧客がそれぞれのブランドや商品、店舗スタッフなどに対して抱くイメージや要望などの「ゼロパーティーデータ」をこれまで以上に豊富に収集して蓄積することが重要と考えます。そういったデータをCDPで的確にグルーピングして活用できれば、より訴求力の強いマーケティングアクションにつながると考えます。
―これからDX推進部のミッションを進めていくにあたって、目指しているゴールはありますか?
DX推進部という部署は、何もない草原を拓いて、そこに道を敷くところまでが役割と思っています。その道にどんな車を走らせるのか、その道をどんな風に使うのかという所は各ブランドのパーパスや戦略に根差し、ブランドがドライブしていく領域だと思っていて。立ち上げを経て安定運用ができたら、その先の活用はブランドに任せていこう、というのが私たちの方針なんです。
そういう意味では、一旦今のゴールは見えはじめている状態かもしれません。ただこのゴールにたどり着いたとしても、データ活用の世界はどんどん進化しているし、活用するためのアウトプット先もどんどん増えている。どこまで行っても次のゴールが生まれてくるんだと思います。
―さいごに、今後フュージョンに期待することがあれば教えてください。
馴れ合いではなく、緊張感を保った化学反応を起こし続ける関係でありたいと思っています。年に1回、各分野のご支援に対するフィードバックや改善策を話し合うための振り返り会を実施していることも、お互いに健全な関係を築けている一因になっているとも感じます。
今後はもっと、CRMの知見を多数お持ちのフュージョンさんならではの視点で、CX全体を俯瞰した忌憚のない提案などもいただけたらと思います。そこから展開する新しい施策も幅が広がっていくと思います。
―本日はありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
(左)株式会社エキップ DX推進部長 鳥橋 葉子様
(右)フュージョン株式会社 アカウントプランナー 舩橋 智
※1 MA(Marketing Automation)
興味や行動等データに基づいてセグメントされた顧客や見込み客に対して、それぞれに合わせた最適なマーケティングを実行(自動化)するためのツール
※2 NPS(Net Promoter Score)
顧客ロイヤルティを測る指標で、企業のサービスや商品をどれくらい他人に勧めたいかを数値化したもの。0~10の11段階で評価しその結果から算出する。
※3 D2C(Direct to Consumer)
メーカーやブランドが、仲介業者や小売を介さずに自社の店舗・ECサイトやSNSなどを通じて消費者と直接取引を行うビジネスモデル。顧客データを活用したパーソナライズやブランド体験の提供によって、LTV最大化やファン化を図る取り組みとして注目されている。
※4 OMO(Online Merges with Offline)
オンラインとオフラインを融合させ、顧客視点で最適な体験を提供するマーケティング・販売戦略。店舗とEC、広告と接客など、チャネルを横断した顧客接点の統合により、シームレスなCX(顧客体験)の実現を目指す。
※5 CRM(Customer Relationship Management)
顧客関係マネジメントの略で、顧客との関係維持や顧客満足の向上により、LTV最大化を目的とする顧客志向の経営戦略。狭義ではCRMツールや顧客データベースを指す場合もある。
※6 CDP(Customer Data Platform)
複数のデータソースから得られた顧客データを集約し、一元化するためのソフトウェアプラットフォーム
※7PoC(Proof of Concept)
新たなアイデアや技術が実現可能かどうか、限られた範囲で事前に検証を行うプロセス。マーケティング領域では、施策やツール導入の効果・実行可能性を小規模に検証し、実装・スケールの判断材料とするケースが多い。
フュージョン株式会社では、エキップの顧客データ分析、ECサイト・カスタマーサポート運用、MAシナリオ運用を始め、CRMの核となるCDP活用プロジェクトにも伴走させていただいています。
・自社直販ECサイト運用、カスタマーサポート運用
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・MA(Marketing Automation)ツールを活用したシナリオ設計支援~配信
・NPSアドホックアンケートの設計~実施、CX改善のテーマのご提案
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