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CRMプログラムとは?設計・実施でよくある課題例や、改善に必要なポイント|フュージョン株式会社

作成者: Admin|Apr 7, 2024 3:00:00 PM

国内市場の縮小や顧客のニーズの多様化によって、新規顧客の獲得難易度は高まっています。このような状況においては、ひとりひとりの顧客との最適なコミュニケーション設計や良質な顧客体験の提供ができるかどうかが売上拡大や利益の向上を左右するため、ビジネス戦略におけるCRMの重要性が高まっています。

この記事では、CRMプログラムの概要を解説するとともに、設計・実施時のよくある課題と原因、改善方法をご紹介します。
自社のCRMの現状を確認できるセルフチェックシートもご用意しているので、ぜひご活用ください。

目次
・CRMプログラムとは?
・CRMプログラムでよく発生する課題と原因
  原因1.CRMプログラムの目的や目標があいまいになっている
  原因2.CRMプログラムが個別サービスのつぎはぎになっている
  原因3.CRMツール導入が先行になっている
・自社のCRMプログラム改善に使える3つの評価軸
  1. CRM戦略の有無や内容
  2. CRM実行計画内容や施策設計状況
  3. CRM実務レベルの各施策状況
・3つのCRM評価軸で挙げたチェックポイントの評価方法
・CRM課題の抽出後はスコアリングによる現状評価が重要
・CRMの改善は効果的なマーケティング施策の土台

 

CRMプログラムとは?

CRMとは、Customer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略です。CRMは単なるシステムツールではなく、顧客との関係性の維持や顧客満足を向上させるための仕組みのことを指します。この仕組み全般をCRMプログラムと言い、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • ポイントプログラムなどの会員プログラムの運営
  • 顧客の購入履歴と行動データを分析して、個別の製品推薦を行うシステム
  • 顧客サービスの質問と回答を自動化するチャットボットの導入
  • 顧客のフィードバックを収集し、製品開発やサービス改善に活用するプロセス
  • 顧客セグメントを活用したパーソナライズされたマーケティングキャンペーン

CRMは、売上拡大や利益の向上を最終的な目的としている点で、顧客志向の経営戦略であるとも言えます。CRMプログラムを取り入れることのメリットには、顧客満足度の向上、顧客ロイヤルティの強化、マーケティングとセールスの効率化、リードの質の向上などがあります。これらを通じて、企業は顧客データをより効果的に分析・活用し、パーソナライズされた顧客体験を提供することができます。結果として、長期的な顧客関係を築いてLTVを向上させ、売上と利益の増加につなげることができます。

CRMプログラムでよく発生する課題と原因

では、CRMプログラムではどのような課題が発生するのでしょうか。以下に例を挙げます。

      CRMプログラムの例          主な課題
ポイントプログラムなどの会員プログラムの運営 消費者のエンゲージメントの維持
プログラム内容の他社との差別化
会員プログラムに対する魅力の維持
顧客の購入履歴と行動データを分析して個別の製品推薦を行うシステム データの精度と収集の課題
プライバシー保護
最適なアルゴリズムの開発
顧客サービスの質問と回答を自動化するチャットボットの導入 応答精度
カスタマイズ性
人間らしい対話の実現
顧客のフィードバックを収集し製品開発やサービス改善に活用 フィードバックの質の確保
フィードバックからの洞察の抽出
消費者の参加促進
顧客セグメントを活用したパーソナライズされたマーケティングキャンペーン 正確な顧客セグメント実施
パーソナライズのバランス
キャンペーンの効果測定

これらの課題が発生する原因として、大きく3パターンに分けることができます。

原因1.CRMプログラムの目的や目標があいまいになっている

原因のひとつは、CRM戦略がうまく立てられておらず、CRMプログラムの目的や目標があいまいになっていることです。CRM戦略とは、顧客とのコミュニケーションを取るうえでの方向性を示す全体像です。詳細は下記のコラムをご参照ください。

【参考コラム】
CRM戦略とは?重要性・メリットとCRM戦略設計の4ステップを解説

CRMプログラムの設計導入時は、目的や目標を明確に定義し、それに基づいて各種サービスや施策を実施していたとしても、年月が経ちCRMプログラムの会員規模が大きくなるにつれ、開始当初に立てた戦略と現状の戦術、手法が合わなくなることがあります。

これは特に、実情に合わせた目的や目標の更新、改訂をしていない場合に発生します。そもそも社内にCRMプログラムの企画書や提案書がドキュメントとして残っていない、もしくは情報がバラバラで保存できていないなど、自社のCRMプログラム像を示すためのドキュメントがそろっていない場合は、社内での引継ぎや教育がうまくいきません。その結果として、CRMプログラムにおける見直し対象がわからず、だんだんと目的や目標があやふやになってしまうこともあります。


原因2.CRMプログラムが個別サービスのつぎはぎになっている

サービススタート時にはCRMの発想がない中で、単独の顧客向けサービスを導入したあとに他のサービスを追加していく場合も、CRMプログラムがうまくいかない原因のひとつです。当初は自社にポイントカードのみを導入していたけれども、時間の経過とともに顧客からの要望にあわせて通販ポイントなどの新規サービスを提供したり、顧客規模の拡大に伴って社内の各部署からの要望を受け公式LINEなどの追加サービスを導入したりするケースが該当します。

この場合は、いざCRM全体を俯瞰すると、個別具体的なサービスのつぎはぎでバランスの悪いCRMプログラムになっていることが多々あります。そのため、サービスとサービスがうまく連携していない、データの連携がリアルタイムで処理できない等の課題が発生します。

原因3.CRMツール導入が先行になっている

ほかによくある原因としては、CRMプログラムを始めるにあたって、システムツールの導入ありきで提供するサービスを考えてしまうことです。
この場合では、長い時間をかけてCRMシステムを導入したものの、システム起点でのサービス提供内容になっていて顧客満足が得られないことがあります。また、システム開発期間が長すぎて、本番リリース時にはその時期のニーズに合わないサービスをリリースしてしまい、サービスが使い物にならないこともあります。

よくある原因を3つご紹介しましたが、実際の悩みは十人十色です。また、様々な要因が複雑に絡み合っていることも多いです。まずは、自社でのCRMプログラムがうまくいかない原因が何なのかを掘り下げて把握することが大切です。

自社のCRMプログラム改善に使える3つの評価軸

自社のCRMプログラムを改善するためには、現在抱えている課題の原因を洗い出し、各原因に対して解決策を講じることが必要です。ここでは、課題の原因を洗い出すための3つのCRM評価軸をご紹介します。

1. CRM戦略の有無や内容
2. CRM実行計画内容や施策設計状況
3. CRM実務レベルの各施策状況

実施しているCRMが現在どのような状態にあるのかを、次に挙げられるチェックポイントに沿って確認していきましょう。


1. CRM戦略の有無や内容

CRMの改善を行う前には、そもそもの現状として自社がどのようなCRM戦略を掲げているのかを理解する必要があります。自社のCRM戦略の有無や内容を把握するためには、以下の項目についてチェックしましょう。

2. CRM実行計画内容や施策設計状況

CRM戦略に関するチェックポイントを確認したあとは、CRMの実行計画内容や施策設計状況についても同様に確認しましょう。

3. CRM実務レベルの各施策状況

最後に、CRM実務で行っている各施策について、ひとつひとつの状況を精査していきます。施策の例としては、Web上でのコンテンツ発信やMAツールを用いたEメール配信、SNSやアプリの運用、ダイレクトメールの実施などが挙げられます。
企業によって取り組んでいる施策は異なると思われますが、共通してチェックするべきポイントとしては下記が挙げられます。

  • コンテンツは最適化されているか
  • ターゲティングは適切か
  • 配信や投稿、発送の頻度は適切か
  • CTAは適切に配置できているか
  • 効果測定は行っているか
  • 定期レポートは作成しているか


これらを細かく確認していくことで、自社のCRMの現状を適切に把握することができ、改善策の検討につなげることが可能です。

3つのCRM評価軸で挙げたチェックポイントの評価方法

それでは、上記で紹介したようなチェックポイントはどのように評価すれば良いのでしょうか。この場合、まず各項目に対しての自社ドキュメントの有無を確認しましょう。

CRM戦略を立案する目的や定量・定性的な目標設定の有無、現状分析状況などが記載されているかを社内ドキュメントで確認します。ドキュメント化されているということは、自社なりにCRMに関する取り組みをまとめて可視化している、と捉えることができます。

一方、ドキュメントがない場合は、前述したCRM戦略や実行計画・実施状況について以下を確認します。

  • そもそも必要かどうかを検討しているか、いないか
  • 検討した上でどのような判断をしているか
  • 現時点で必要かどうか
  • 必要ではあるが検討・具体化できていない事項と理由


中でも、3つ目と4つ目に相当する、現時点で必要と判断しているのに検討・具体化できていない事項と理由に関しては、CRMの改善時に重点的に確認するべき点として深掘りが必要です。
チェックポイントを一通り確認できたら、「現時点で必要と判断しているが検討・具体化できていない」と回答された重点事項を中心に、CRM戦略立案~施策実行に関わる関係者の認識をヒアリング等で確認することが必要です。


このような流れで見直した各項目を整理し評価することによって、自社のCRMの現状を把握することができます。
フュージョン株式会社では、自社のCRMの現状を把握できるチェックシートをご用意しています。ぜひご利用ください。

CRM課題の抽出後はスコアリングによる現状評価が重要

事前調査やヒアリングによる重点課題の深堀が完了したら、CRM戦略、CRM実行計画、CRM実務の各項目を分類し、複数の評価ポイントでスコアリングすることが重要です。多くの課題はあれども、リソースや時間は有限なため、自社としての課題の優先順位付けをするために必要なステップです。

当社が過去に支援した以下の事例においても、スコアリングによる現状評価を行うことでCRM改善に結び付けることができました。

【事例概要】
(クライアント企業の主事業)
女性向けの美容商材をメインとするD2C(Direct to Consumer)モデルでのビジネスがメイン

 (抱えていた課題)
徐々に増えている既存顧客に対して、今後を見据えてCRM戦略の次の手を検討したいが何から取り組むべきかがわからない


この事例では、事前調査票という形で、戦略・実行計画の確認項目は部門責任者の方に、計画の具体的な内容・実務内容に関しては現場担当者の方に事前調査票にて回答頂きました。そのほか、CRMの実務を業務別に複数の担当者の方で対応している場合は、業務別に調査するとより正確に把握することができます。具体的には、コールセンターやSNSなどをCRM部門外で運用している場合は、担当部門から別に回答していただくのが良いでしょう。

この事例のクライアント企業様のケースでは、調査前ではCRM戦略への評価が高く、実行計画から実務にかけての評価が低くなっていました。
しかし、スコアを分析した結果、評価が低くなっていたプロダクトのライフサイクルとCRMの現状の進め方には乖離がなく、現在は堅実にCRMの導入を進めていることがわかりました。
これらの診断結果に加え、クライアント様のCRMを次のステージに引き上げるために検討すべき課題をフュージョンで抽出し、解決策をご提案しました。

CRMの改善は効果的なマーケティング施策の土台

CRMは、顧客とのコミュニケーションや販売のための単なる手段や手法ではありません。
CRMプログラムを効果的に回していくためには、自社で顧客との新しい対話チャネルやメディア、販売チャネルを持つという意味において戦略からしっかり考えていく必要があります。
また、CRMプログラムは日々変化する性質のものです。会員規模の拡大やサービスの拡張、改廃によって大きく成長し、時には成長が止まり伸び悩んだりします。
定期的に現状を振り返り、次の成長につなげるためにもCRMの棚卸と評価をしていくことが大切です。

当社では、CRMの「戦略」「手段」「手法」の各項目をフュージョン独自のメソッドで体系的に整理し、客観的に評価するCRM診断サービスを提供しています。この診断サービスを通して、足りない点や強化しなければいけない点を把握し、CRMの実業務につなげることができます。また、定期的に自社のCRMを診断することで、それまでの期間の取り組みがCRM全体のサービスの向上につながっているのかを把握することも可能です。
自社のCRMに課題を感じている方は、お気軽にお問い合わせください。