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    CRM戦略とは?重要性・メリットとCRM戦略設計の4ステップを解説

    2024-01-29

    CRM戦略とは?重要性・メリットとCRM戦略設計の4ステップを解説CRM(Customer Relationship Management)は、自社の顧客理解をしたうえで最適な戦略を立てる必要があり、場当たり的に行っても効果が出るものではありません。

    CRM相関図CRM戦略設計の例としては、コミュニケーションプランニング・ペルソナ/カスタマージャーニーマップの設計・ロイヤルティプログラムの設計/見直しなどが挙げられます。
    そこで本記事では、CRMの軸となる戦略設計の進め方について、各フェーズに分けて詳しく解説します。

    CRM戦略とは

    CRM戦略とは、顧客とコミュニケーションを取る上での方向性が示された全体像のことです。CRM戦略を設計する時は、施策をアクイジション(新規顧客獲得)とリテンション(既存顧客維持・育成)に分類して考えます。

    この際、社内で定義している顧客分類があれば、その分類に応じて施策を洗い出すと、施策の全体像や過不足を把握しやすくなり、よりCRM戦略の精度が高まります。
    自社内で実施している施策の全体像を把握するならば、まずは以下の図のように顧客ごとの施策をプロットするとよいでしょう。

    CRM施策の全体像このように自社の顧客とのコミュニケーションやプロセスの全体を整理することを、CRM戦略設計といいます。CRMの中では各顧客分類ごとの戦術を決める前の準備プロセスです。

    CRM戦略を設計する重要性・メリット

    データに基づくマーケティング施策が実施できる

    CRM戦略設計では、顧客の購買データや属性、行動履歴などに基づいて施策を検討します。
    たとえば、顧客の購買データに基づいて優待割引を適用したり、継続的に同じ商品を購入している既存顧客にはリピート割引を適用するなどの施策が考えられるでしょう。

    このように、これまでマーケターの感覚頼りだった施策を、データに基づいた一貫性のある施策にブラッシュアップできる点は大きなメリットです。効果検証の精度も高まるため、PDCAが回しやすくなるという副次的効果も得られます。

    LTVの向上が狙える

    CRM戦略により顧客と継続的に良好な関係性を築けることで、LTVの向上も期待できます。LTV(Life Time Value)は「顧客生涯価値」とも言われ、1人の顧客が取引を開始してから終了するまでに自社に与える価値のことを指します。取引期間が長ければ長いほど向上する性質がある点が特徴です。
    そのため、長期的に顧客とコミュニケーションすることを目的としているCRM戦略が成功すると、連動してLTVも向上します。

    顧客満足度の向上に繋がる

    CRM戦略で一貫性のある施策を実行していくことで、顧客満足度の向上にも繋がります。CRM戦略では、先述した通り顧客の行動や購買データに基づいたコミュニケーションが行われます。顧客としては、自分が求めているサービスが適切なタイミングで提供されることになるため、満足度が向上します。
    顧客満足度の向上は長期的にコミュニケーションを継続するための軸となる、重要な要素です。LTVにも直結するため、CRM戦略を設計する際には顧客の視点に立って考えることが大切です。

    CRM戦略設計の4ステップ

    ここからはCRM戦略を設計する方法について、4つのステップに分けて解説します。初めて取り組む場合だけではなく、社内ですでにCRM戦略に取り組んでいる場合でも、以下のステップが全て網羅されているか見直してみましょう。

    1.課題発見と目標・KPI設定

    まずは現状を把握し、抱えている課題を見つける作業を行います。以下の項目に沿って、自社内のCRM戦略を整理するところから始めましょう。

    1. CRM戦略の有無や内容
    2. CRM実行計画内容や施策設計
    3. CRM実務レベルでの施策ひとつひとつの状況

    なお、「3.CRM実務レベルでの施策ひとつひとつの状況」では、現在の施策だけではなく、過去の施策についても棚卸しをしておくと、現状把握に役立ちます。

    現状把握で自社が抱えている課題が見つけられたら、目標・KPIを設定します。
    CRM戦略により、顧客との関係性がどのような状態にあるのが理想的かを考え、KPIに落とし込みましょう。この際、すでにCRM戦略がある際には、顧客分類に応じた目標・KPIをそれぞれ設定することで、この後のプロセスが進めやすくなります。

    2.データに基づく顧客定義と顧客分類

    CRM戦略の現状や課題、目標が整理できたら、顧客定義を行いましょう。すでに顧客定義・分類をしている場合でも、必ず見直すことが大切です。

    顧客定義とは、特定のルールで顧客をグループ分けする作業もしくは、分類するためのルールそのもののことです。顧客定義が正しく行われていないと、どれだけ考え抜かれたCRM戦略設計でもその効果は半減してしまいます。
    顧客定義では主に、優良顧客、既存顧客、新規顧客、見込み顧客などのグループ分けが一般的です。これらのグループそれぞれに「購入回数」や「購入金額」などのデータに基づいて、具体的にどのような顧客が該当するかのルールを定めます。

    顧客定義の見直しが完了したら、その定義に基づいて顧客を分類していきましょう。
    この際に、どのグループにも該当しなかったり、複数のグループに該当したりする条件の顧客が出てきた際には、顧客定義が不十分ということです。この場合は顧客定義のステップに立ち戻り、1人の顧客が複数のグループに分類されないよう再定義しましょう。

    なお、顧客定義と顧客分類については以下の記事でそれぞれ詳しく解説しています。

    【参考コラム】
    自社の「顧客」とは?定義の必要性とマーケティングでの活用方法
    顧客理解の鍵となる顧客分類とRFM分析の活用例を紹介

    3.顧客分類ごとのペルソナ設定とカスタマージャーニーマップ作成

    顧客定義に応じた分類まで整理ができたら、それぞれのグループ分類の解像度を上げるために、ペルソナ設計とカスタマージャーニーマップ(CJM)の作成を行いましょう。
    このあと紹介するCRMプログラムの設計前に顧客の解像度を上げることで、顧客視点に立った戦略立案が実現します。

    CJMは設定したペルソナをもとにして、顧客と自社サービスとの接点から購買までのプロセスを可視化したものです。
    本来ならば、全ての顧客分類に対してペルソナとCJMを作成するのが理想的ですが、効率的に進めるならば最も課題がある顧客分類に対象を絞って作業するとよいでしょう。また、優先度を決める時には、ステップ1で行った現状の課題と照らし合わせると進めやすいです。

    なお、ターゲットとペルソナの違いや、CJMの作成手順については以下の記事でそれぞれ詳しく解説しています。ぜひご確認ください。

    【参考コラム】
    マーケティング施策に必要なターゲットとペルソナの違い
    ペルソナ設計とは?ターゲットとの適切な使い分けや具体的な設計方法

    4.CRMプログラムの設計・見直し

    CJMの作成までできたら、これまでのプロセスで得られた情報をもとにCRMプログラムの設計や見直しを行います。
    なお、すでにCRMプログラムがある場合は、以下の見直しポイントに基づいて改善すべき点を整理していくとよいでしょう。

    • 自社の各種ガイドライン(ブランドガイドラインやデザインガイドライン等)はあるか
    • CRMで実施している個別プログラムの全体設計図は存在するか
    • プログラムごとの説明資料は存在するか
    • 各プログラムがカスタマージャーニーマップのどの部分を強化しているか理解しているか
    • 各プログラムはどのような結果で企業の課題を解決するか理解しているか
    • プログラムごとの効果検証を定期的に行っているか
    • プログラムごとのP/L(ROMI)は存在するか
    • プログラムごとの責任者とその責任範囲、運用体制図は存在するか
    • プログラムと顧客のタッチポイントをすべて把握しているか
    • タッチポイントは連携や導線を考慮できているか
    • 各タッチポイントがカスタマージャーニーマップのどの部分を強化しているか理解しているか
    • 全タッチポイントでコンテンツ管理ツール(CMS等)を使用し一元管理を行っているか

    CRMプログラムを新たに作成する際にも、上記の見直しポイントを満たすよう設計することをおすすめします。

    なお、CRMプログラムの設計や見直しについては、以下の記事でより詳しく紹介しています。上記のポイントだけではうまく進められない場合、ぜひ参考にしてください。

    【参考コラム】
    マーケティングでのCRMプログラム実施、よくある課題・原因と見直しのコツを解説
    CRM戦略・施策の評価軸と軸別チェックポイントを解説

    ここまでがCRM戦略の設計の流れです。戦略設計が完了したら、具体的なマーケティング施策に落とし込み、施策を実施していきましょう。
    施策の例については、以下の記事で詳しく解説をしていますので、ご確認ください。

    【参考コラム】
    F2転換率の重要性とは?改善施策・事例や他のCRM施策も解説

    CRM戦略設計ならフュージョンにお任せください

    CRM戦略を効果的に活用するためには、自社の顧客データをもとに綿密に設計することが大切です。現在すでにCRM戦略を設計している企業でも、今回紹介したプロセスに基づいて内容を見直すことで、より効果的なものにブラッシュアップできる可能性があります。

    CRM戦略を設計・見直す際には、自社の現状をきちんと把握したうえで課題を明確化することが最初のステップです。顧客データなどあらゆる情報を活用しながら、効果的なCRM戦略を設計していきましょう。

    フュージョンでは、今回解説した4ステップでのCRM戦略設計用お役立ち資料を公開しています。ぜひご活用ください。

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