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    ロイヤルカスタマーとは?重要性や維持・育成の方法、優良顧客との違い

    2024-06-17

    目標達成の道しるべ「KPI」を設定しよう

    フュージョンでは、「ロイヤルカスタマー」とは、売上貢献が高いことに加えて「企業やブランドに信頼を寄せてくれている顧客」と定義しています。ロイヤルカスタマーは企業への信頼(=顧客ロイヤルティ)があるからこそ、簡単には離反しない傾向があります。信頼を維持することは一朝一夕でできることではなく、CRM戦略に基づいたロイヤルティプログラム設計・実施など、企業側の継続的なアプローチとさまざまな工夫が必要です。

    【参考コラム】
    ロイヤルティプログラムとは?他社事例から学ぶ3つの指標と実践方法

    一方で「優良顧客」は「商品やサービスを継続的に購入し売上貢献が高い顧客」と定義しています。
    優良顧客の場合は、企業と顧客の関係性は問わない点がロイヤルカスタマーとの違いで、「安いから」「他を探すのが面倒だから」という理由で、購入を続けている人も含まれています。
    上記の理由により優良顧客となった方は、単価を維持すること、購入の利便性を高めることで継続購入を促すことができます。ただし、他社でさらに良い商品を見つけた場合、簡単に離反してしまう可能性を否定できません。
    このようにロイヤルカスタマーも優良顧客も、企業にとって大事にすべき顧客であることは変わりませんが、その違いは企業と顧客の関係性にあると考えています。

    このコラムでは、CRMに取り組むうえでロイヤルカスタマーを重視すべき理由について解説するとともに、代表的な定義方法やロイヤルカスタマーを維持する方法についてご紹介します。

    LTVやCRMを考えるうえで必要となる、顧客ロイヤルティの3つの面も解説しますので、ロイヤルカスタマーと優良顧客の定義付けや顧客ロイヤルティについて見直すヒントとして本記事をご活用ください。

    1.  ロイヤルカスタマーを重視すべき理由
    2. ロイヤルカスタマーと優良顧客の違いを分ける「顧客ロイヤルティ」
    3.  ロイヤルカスタマー維持に必要な顧客コミュニケーション戦略

    1.ロイヤルカスタマーを重視すべき理由

    ロイヤルカスタマーを重視すべき理由としては、主に3つ挙げられます。

    ①LTV(Life Time Value)の向上

    「上位2割の顧客が全売上の8割を生み出す」というパレートの法則を考えると、ロイヤルカスタマーは非常に大切で価値のある存在です。ロイヤルカスタマーは、ブランドやサービスへの深い信頼から、短期的な変動に動じず長期的に取引を続ける傾向があります。このような継続的な取引は、LTVの向上をもたらすだけでなく、企業の売上の安定性も高める要因となります。

    フュージョン株式会社では、既存顧客との関係性を可視化した指標であるLTVの簡易計算シートを公開しています。自社のロイヤルカスタマーのLTVを大まかに把握したいときにお使いください。

    LTV計算シート画像


    ②積極的な情報発信者としての役割

    ロイヤルカスタマーは高いロイヤルティから、企業やブランド、製品に対する肯定的な情報を自発的に共有してくれることが多いです。このような顧客からの直接的な声は、企業の一方的な宣伝よりも信頼性が高く、受け手にとっても説得力があります。
    さらに、企業にとっては追加のコストがかからないため、効果的かつ経済的にプロモーションを行うことができます。

    ③新しいお客様の紹介源としての役割

    ロイヤルカスタマーは、自分自身が企業に貢献してくれるだけでなく、新規顧客開拓にも一役買ってくれる可能性があります。
    紹介するという行為は、紹介する本人の信頼性や信用性をもとに行われるため、ロイヤルカスタマーからの紹介は特に価値が高いと言えます。ロイヤルカスタマーは企業やブランドに信頼を寄せてくれているからこそ、家族や友人の紹介が期待でき、新しい売上をもたらす可能性があるでしょう。

    このようにロイヤルカスタマーは、企業にとって非常に価値のある存在です。
    ロイヤルカスタマーは高いLTVを持ち、企業やブランドに対する好意的な情報発信を行い、さらには新規の顧客紹介という形で直接的な売上への貢献も期待できます。これらの点を理解したうえで、ロイヤルカスタマーとの関係を深化させることで、より売上アップが期待できるでしょう。

    ロイヤルカスタマーと優良顧客の違いを分ける「顧客ロイヤルティ」

    前述したとおり、ロイヤルカスタマーと単なる優良顧客の違いを分けるポイントとしては、企業やブランドに対する貢献や信頼の有無があります。違いを分ける貢献や信頼を指す「顧客ロイヤルティ」には、どのようなものが挙げられるのでしょうか。

    下記のピラミッドは、企業と顧客の関係性を4つの段階で表す顧客満足型マーケティング展開フレームGBGKです。下から上に向かって計4つのフェーズがあり、縦軸は「顧客ロイヤルティ」の高さ、横軸は「顧客数」を表しています。

    顧客満足型マーケティングの展開フレームGBGK​

    (参考資料:荒川圭基著「顧客満足型マーケティングーデータベース・マーケティングからCRM、FSPまで」PHP研究所、2003年)

    顧客ロイヤルティとは、Loyalty(忠誠心)を意味する英語に由来しており「心理ロイヤルティ」「行動ロイヤルティ」「経済ロイヤルティ」の3つの面があります。

     ◆心理ロイヤルティ…企業やブランド・商品に対する好意的な感情
     ◆行動ロイヤルティ…企業に対する具体的な行動(店舗への来店、会員登録など)
     経済ロイヤルティ企業に対する直接的な貢献(購入金額、頻度、継続取引年数など)

    ロイヤルカスタマーは4つのフェーズの中で最上位である「維持フェーズ」に分類され、心理ロイヤルティ・行動ロイヤルティの両方が高い顧客です。

    新規で顧客を獲得しロイヤルカスタマーへと育成するためには、単純な購買行動の促進だけでなく、顧客が企業やブランドに深い興味を持ち、長期的な信頼関係を築けるような取り組みが求められます。信頼関係を築くための取り組みとしては、顧客のニーズや価値観を理解し、それに応じた商品やサービスを提供することが重要です。
    また定期的なコミュニケーションを通じて、顧客との関係を継続的に深化させる努力も不可欠です。

    さらに、ロイヤルカスタマーの定義や基準は一定ではありません。

    市場環境の変化やロイヤルティプログラムの運用状況、顧客のニーズの変動など、多くの要因によってその基準は変わる可能性があります。そのため定期的な見直しを行い、常に最適なアプローチを模索することが、ロイヤルカスタマーとの長期的な関係を維持・強化する上で大切です。

    ロイヤルティプログラムの見直し方法については、参考コラムをご覧ください。

    【参考コラム】
    ロイヤルティプログラムの成果を最大化するためのロイヤル定義見直し方法

    なおフュージョン株式会社では、ロイヤルカスタマー育成向けのご支援も行っております。ロイヤルカスタマーの維持や育成に注力したいとお考えの方は、サービス資料をご覧ください。

    3. ロイヤルカスタマー維持に必要な顧客コミュニケーション戦略

    ロイヤルカスタマーを維持するためには、継続的な顧客とのコミュニケーションが必要です。
    参考までに、下記のデータをご覧ください。


    なぜ継続的に顧客にアプローチする必要があるか?

    ロックフェラー財団の調査結果によると、顧客が逃げる理由の第1位は「自分が企業に相手にされていない。大切にされていないと感じたから」で、全体の68%を占めています。
    上記調査結果を読み解くと、ロイヤルカスタマーを維持していくためには「あなたを大切にしている」というメッセージを届け、心理的ロイヤルティを高めることが大切だということが分かります。
    また一度のキャンペーンやプロモーションだけでなく、日常のサービスやコンタクトポイント全体を通じて継続的に伝え続けることが重要です。そのために、ロイヤルカスタマーにどのようなメッセージを伝えるべきか、顧客コミュニケーション戦略を立てます。

    具体的には、ロイヤルカスタマーがどのような人なのかを把握することから始めます。
    ロイヤルカスタマーの行動ロイヤルティを把握する方法としては、顧客行動データを用いた顧客分析が挙げられます。デシル分析やRFM分析などの代表的な手法を用いて、定量的な情報によってロイヤルカスタマー独特の行動を洗い出しましょう。

    加えて、心理ロイヤルティの把握も必要です。顧客へのアンケートやNPS調査を行い、ロイヤルカスタマーに近いペルソナの人物像を観察するなど、さまざまな方法を駆使することでロイヤルカスタマーの行動パターンを把握します。これらの情報から、ロイヤルカスタマーは企業からどのような情報を欲しいと考えているかを整理することが可能です。
    ロイヤルカスタマーが欲しいと感じる企業からのメッセージを作成し、適切なタイミングで発信します。

    この繰り返しが、ロイヤルカスタマーの維持につながります。
    ポイントプログラムによるユーザーへの情報発信は、この代表的な例です。

    【参考コラム】
    ポイントプログラムとは?効果を高める3つの提供価値

     

    ロイヤルカスタマーの定義や維持のご相談はフュージョンへ

    ロイヤルカスタマーは、優良顧客の中に必ずいます。
    まずは、自社のロイヤルカスタマーがどのような人なのかしっかり把握することが大切です。そして、ロイヤルカスタマーの人物像をベンチマークとして、優良顧客もしくはそれ以外の顧客層から同じような顧客を増やしていきましょう。

    フュージョン株式会社では、ロイヤルカスタマーの定義から維持までを支援するサービスを提供しています。

    ロイヤルカスタマー育成支援サービス概要

    • ロイヤルカスタマーが重要とわかっているが、何から手を付けて良いかわからない
    • 自社のロイヤルカスタマーの定義を決めたい、見直したい
    • ロイヤルカスタマーの定義はあるが、維持・育成の取り組みができていない
    • 実施中のプロモーションの精度を高めたい

    このようなお悩みがある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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