顧客とのコミュニケーションを行うには、CRMを適切に運用し、デジタル・アナログ問わずあらゆるメディアとの連携を検討し、顧客体験の全体設計を組み立てることが必要です。
▼【参考コラム】CRMにおける顧客とのコミュニケーション設計に必要な要素とは
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CRMにおいて、各メディアは認知系メディアと行動系メディアに分かれており、商品・サービスに対する顧客のステージによってカバー領域が異なっています。
そんな中でも今回は、最も行動喚起を促すことができるメディアの「ダイレクトメール(DM)」にフォーカスをあて、より効果の高いDMを制作するために重要な4つの構成要素をご紹介いたします。
DMの4つの要素とは
顧客に行動を促すDMを制作するには、下記の4つの要素を明確に設定することが必要です。
【DMを構成する4つの要素】
Ⅰ.ターゲット(WHO):誰に送るのか
II.クリエイティブ(HOW):どのようなものを送るのか
III.オファー(WHAT):何を訴求したいのか
IV.タイミング(WHEN):いつ届くものなのか
DMを設計する際には、これらの4つの要素を下の図のように「ターゲットの本質を知り」「どんなクリエイティブで」「どんなオファーで」「いつアプローチすべきなのか」適切に戦略を構築し、顧客にアクションを促すことができるようなストーリーを設計することが重要です。
赤い丸に記載しているのは、DMの効果を左右する影響度合いです。
最も影響が大きいのはターゲット、次にクリエイティブ、オファー、タイミングと続きます。
以下順番に解説します。
Ⅰ.ターゲット(WHO):誰に送るのか
施策の対象者を決める「ターゲット設定」はDMの効果を左右する要素の40%を占めると言われるほど重要な工程です。
自社の顧客を複数のグループ(セグメント)に分け定義し、どのセグメントに送付するかを明確にすることで、DMの目的を設定することができ、それに合致した企画内容や送付タイミングを効果的に組み立てることが可能となります。
ターゲット設定例)
1.優良顧客:購入頻度が高く、最近も購入している顧客
2.リピート顧客:複数回購入しており、最近も購入している顧客
3.新規顧客:最近初めて購入した顧客
これらのターゲットに対して、「離反を防止したいのか」「再購入を促したいのか」等、DMの目的を設定しましょう。
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Ⅱ.クリエイティブ(HOW):どのようなものを送るのか
Ⅰのターゲット設定で"適切なターゲット"が設定できていれば、DMで伝えたい内容と対象者はすでに絞り込めているはずです。
続いては、その「伝えたいメッセージ」が受け取り手に正しく伝わるように、クリエイティブの仕様・構成を練っていきましょう。
商品購買までの行動心理をモデル化したAIDAの法則にしたがい、DMを受け取った後の導線が[開封⇒注目⇒閲読⇒理解⇒行動]となるように、DM基本コンポーネントを基に目的に沿ったパーツを追加していく形で設定します。
【DM基本コンポーネント】
1. 封筒:開封させることが目的
ドアオープナー・ティーザー・オフィシャル感で工夫し、開封率を上げる。
2. レター:メッセージを伝え説得する。
行動に繋げるためのコピーが重要[お客様のベネフィット・セールスポイント・自分宛てに届いた理由]
3. ブローシャー:商品・サービスのメリットを伝える。
興味を持ちそうなビジュアルにした上で、ストーリー立てて紹介することで説得力が増す。
4.申込書:最終的に行ってほしい行動を伝える。
受け取ったお客様にこの後どのようなアクションを行ってほしいのかが伝わる導線を作り簡潔に行動できるよう工夫する。(返信用はがきをつける、QRコードを掲載する等)
それぞれのコンポーネントの役割を理解しつつ、企画に合わせてパーツを追加する等の構成を考えることが重要です。
Ⅲ.オファー(WHAT):何を訴求したいのか
続いてはオファー(WHAT)の設定についてご説明します。
オファーは「ターゲットからのレスポンスに対して、見返りとして何を提供するか」という約束部分となります。
ターゲットにとって、最も関心のある「もしレスポンスしたら何を得られるのか?」という質問への回答になっていなくてはならないのがポイントです。
オファーには、以下5つの構成要素があります。
1. 商品またはサービス:商品を使うことで得られるベネフィット。
2. 価格:顧客が支払うお金、時間に対して見返りで何が得られるか。
3. 支払いの条件:現金、カード、電子マネーでの支払い等の複数の選択肢を提供。
4. インセンティブ:プレゼント、割引、クーポン券、無料情報などの購入への誘導をおこなうための特典
5. 保証:商品やサービスに対する補償。
基本的には「1. 商品またはサービス」をベースに訴求しつつ、「2~5」のオファーをターゲットに合わせてバランスよく組み合わせ、ターゲットに合ったオファーを提供する必要があります。
特にダイレクトマーケティングにおけるオファーでは顧客に多すぎる選択肢を与えることは良くないため、オファーはシンプルに掲載すると効果を見込むことができます。
▼関連コラム:「【成功するDM】~オファーの必要性と最適なオファーの選定について~」
フュージョン株式会社では、米国の著名なダイレクトマーケターのジム・コブス氏が提唱する99通りのオファーを一覧にまとめた資料も公開していますので、ぜひご覧ください。
▼「ジム・コブスの99通りのオファー」資料ダウンロードはこちら※出力はA3サイズを推奨します
Ⅳ.タイミング(WHEN):いつ届くものなのか
DMの発送タイミングは、ターゲット・オファーの内容に合わせて決めましょう。
目的に合わせて受け取った顧客がアクションを起こしやすいスケジュール設計をすることがポイントです。
例)
・初回購入へのフォローDMの場合
初回購入から〇日後にサンキューDMを送付、その後、商品の消費サイクルに合わせて定期的に再購入を促すフォローDMを送付する。
・離反顧客へのカムバックDMの場合
「最終購入日から〇ヵ月経過している方を離反顧客とする」という条件付けをおこないその期間を過ぎた対象者にDMを送付する。
上記のように顧客の購買状況に合わせて適切なタイミングでのDM送付することで最大の効果を得ることができます。
そのため、タイミングを設定するにあたってターゲット・オファー(商品・サービス)を明確に設定しておく必要があり、この前段の設定を誤ってしまうと、適切なタイミングで送付できずに効果が得られない可能性があります。
4つの構成要素で高レスポンスのDMを
高レスポンスのDMの多くはこの4つの要素がきちんと設定されています。
全顧客共通のやり方ではなく、CRM戦略に基づいて、それぞれの顧客との関係をどのように強化するかという視点で設計していくことが非常に重要です。
フュージョン株式会社では、これらDMの4つの構成要素の設計を含む全体の戦略設定から企画・制作、効果検証までをワンストップでサポートするサービスを提供しております。
今回ご紹介した内容以外にも、
・DMプロモーションに取り組みたいが、何から着手すれば良いかわからない
・現在実施しているDMの効果をもっと上げたい
・自社の顧客データから、効果的なターゲット選定の示唆が欲しい
・どんなデザインやコピーが顧客の行動を促すのかわからない
・中長期での顧客販促計画が立てられていない
これらのお悩みを解決できるサービスになっております。サービスの詳細は下記よりご覧ください。
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