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    ダイレクトマーケティングとは?デジタルマーケティングでも活かせる考え方

    2022-07-04

    目標達成の道しるべ「KPI」を設定しよう

    ダイレクトマーケティングとは、企業が顧客と直接コミュニケーションを取りながら、最終的に購買などの具体的な行動を促すマーケティング手法です。
    ダイレクトマーケティングの歴史は古く、15世紀には既にカタログが印刷されビジネスに活用されていたと言われています。その後も、特に小売業を中心に、顧客に直接商品を販売する手法として活用されてきました。1967年には、20世紀の三大広告人にも選ばれたレスター・ワンダーマンが「ダイレクトマーケティング」という言葉を用いて、現代的なマーケティング手法として定義しました。それ以降、さまざまな業種でダイレクトマーケティングの考え方が取り入れられ、マーケティング施策に活かされています。
    ダイレクトマーケティングは古いマーケティング手法と思われがちですが、その本質は今日でも通用する普遍的な考え方に基づいています。そして、顧客や見込み客と直接向き合う接点を活用し、コミュニケーションを取る方法は、ウェブ上で行うデジタルマーケティングにも活用できます。

    今回のコラムでは、ダイレクトマーケティングの本質と、デジタルマーケティングでも活かせる考え方をご紹介します。

    ダイレクトマーケティングの本質

    ダイレクトマーケティングの生みの親であるレスター・ワンダーマンの書籍「ワンダーマンの「売る広告」」では、成功するダイレクトマーケティングカンパニーが知っておくべき19のルールが示されています。この記事では、その中でも特に本質的な部分を以下4つご紹介します。

    1. 顧客を第一に考え顧客視点に立つこと
    2. 顧客一人一人に対し適切なコミュニケーションを取ること
    3. それによって顧客の行動に変化を与えること
    4. さらに行動の結果や効果が計測可能であること
      (参考資料)レスター・ワンダーマン著「ワンダーマンの「売る広告」」翔泳社(2006/10/11)

    1.顧客を第一に考え顧客視点に立つこと

    ワンダーマンは、マーケティングの主役はプロダクトではなく顧客であると言います。

    The Consumer, Not the Product, Must Be the Hero

    彼は、プロダクトアウトではなく、マーケットインのスタンスで顧客ニーズの把握や課題解決を行うのが重要であると説きました。実際、顧客中心の視点によるマーケティング戦略の策定は、昔だけでなく現代においても変わらず重視されています。何の商品が何個売れたかを見るよりも、誰がいくら買ってくれたのかを把握することで、より個々の顧客に合わせたマーケティング施策を検討でき、LTVの最大化に結び付けることができます。

    【参考コラム】
    【簡易計算シート付】LTVとは?重視される背景やCRMとの関係、計算方法を解説

    2.顧客一人一人に対し適切なコミュニケーションを取ること

    その上でワンダーマンは、顧客や見込み客に対して、一人一人を理解したうえで適切なコミュニケーションを取ることが重要だと言います。

    Communicate with Each Customer or Prospect as an Audience of One

    BtoB、BtoC問わず、見込み顧客や顧客と企業との間には、さまざまなタッチポイントが存在しています。顧客の立場としては、そのタッチポイントがアナログなのかデジタルなのかは強く意識していません。複数のタッチポイントを行き来している顧客に対し、きめ細かくアプローチするためには、受け取る顧客視点でのコミュニケーションシナリオをしっかり組み立てる必要があります。

    【参考コラム】
    CRMにおける顧客とのコミュニケーション設計に必要な要素とは」
    https://www.fusion.co.jp/column/2021/03/post-295

    3.顧客の行動に変化を与えること

    そしてワンダーマンは、見込み客や個々の顧客を理解した上で、商品やサービスの認知だけではなく、顧客の行動そのものに変化を起こす広告こそ重要であると述べています。そして、広告自身が利益を生み出す必要があるとしています。

    Advertising Must Change Behavior, Not Just Attitudes
    The Next Step: Profitable Advertising

    自社の商品やサービスが認知されていなければ、そもそも購入や利用の対象にはなりませんが、ダイレクトマーケティングにおける広告は顧客のアクションを促すことにこそ意味があります。ダイレクトマーケティングの代表的な手法であるダイレクトメール(DM)は、顧客からの直接的な反応を得られるプロモーションメディアとしてよく使われます。

    【参考コラム】
    ダイレクトメール(DM)とは?基本の構成要素や効果的なDM作成のコツを解説
    【全日本DM大賞事例】BtoCでエンゲージメントを高めるDM施策
    【全日本DM大賞の事例から学ぶ】BtoBプロモーションで成果を出すためのポイント

    4.行動の結果や効果が計測可能であること

    これらを踏まえて、ワンダーマンは、広告はその効果が計測可能であり、結果の説明ができなければならないとも主張しています。効果検証ができる広告であれば、再現性を持たせて継続実施が可能です。

    The results of advertising are increasingly measurable; they must now become accountable

    実施した施策の効果検証が行われなければ、結果に基づく意思決定ができないので、マーケティングのPDCAサイクルを回すことができません。このことも、昔から現在に至るまで変わらず重要と言える点です。

    【参考コラム】
    事例で解説!マーケティング施策の効果検証方法
    ダイレクトメールの効果測定方法を徹底解説|改善点を見つける方法も紹介

    昔からダイレクトマーケティングで語られていることは、現在のデジタルマーケティングでも通用することがおわかりいただけたでしょうか。
    ダイレクトマーケティングは古いマーケティング手法と思われがちですが、ご紹介した本質を踏まえると、決して色あせない伝統的かつ有用なマーケティング手法だとも言えます。ダイレクトマーケティングで最も重要な要素については、別記事「ダイレクトマーケティングで最も重要な7つの要素とは?」でも解説していますので、ご興味のある方はあわせてご覧ください。

    ダイレクトマーケティングでよくある誤解

    ダイレクトマーケティングは古いマーケティング手法だと考えられることがありますが、それ以外にもさまざまな誤解を持たれています。以下では、よくある代表的な誤解を3つ挙げます。

    ダイレクトマーケティング=通信販売という誤解

    歴史的に見ると、確かにそう捉えられても仕方がない部分があります。また、考え方が一番当てはまる業界は通信販売であることは否定できません。

    しかし、冒頭でご紹介したレスター・ワンダーマンが再定義したダイレクトマーケティングは、顧客の発掘(アクイジション)から、顧客の育成・定着(リテンション)まで、またその両方に影響を与えるブランディング等、さまざまなマーケティング手法を包含するマーケティングの考え方です。そのため、小売・流通業をはじめ、金融業界や航空業界等さまざまな業界で活用されています。

    ダイレクトメールを使用するのがダイレクトマーケティングという誤解

    これもよく聞く誤解です。最近では、「メールマーケティングもデジタル版ダイレクトメールなので、ダイレクトマーケティングだ」という認識をされている方もいます。

    メディアに関して言えば、ダイレクトマーケティングはメディアニュートラルのスタンスをとり続けています。メディアニュートラルとは、特定のメディアを軸にメディアプランニングするのではなく、あらゆるメディアを横並びで考え、顧客との接点を最適化する考え方です。

    顧客とのタッチポイントになるメディアの種類そのため、ダイレクトマーケターは顧客と双方向のコミュニケーションを取るために一番効率的で最適なメディアが何かを常に考えています。マス広告を使ったレスポンス広告や、検索連動型広告やバナー広告等のデジタル広告、ダイレクトメール等も含めた多種多様なメディアを活用し、双方向のコミュニケーションを実現しクライアントの課題解決につなげるのがダイレクトマーケティングです。

    クーポンや割引券を使うのがダイレクトマーケティングという誤解

    オファーとしてクーポンや割引券を使用することは、ダイレクトマーケティングに限らずよくあることです。しかしながら、利用者を特定しない「1回限り」の関係性しか持たないのであれば、それはクーポンをオファーにしたダイレクトマーケティングとは言えません。ダイレクトマーケティングは、相手を特定できるデータ(古くは住所や名前、メールアドレス)を活用し、継続的に双方向のコミュニケーションを実現するマーケティング手法だからです。

    ダイレクトマーケティングの内容を改めて紐解くと、特定のメディアや手法に限らないマーケティングの本質にきわめて近い考え方だということがわかります。

    デジタルマーケティングでも使えるダイレクトマーケティングの視点

    それでは、ダイレクトマーケティングの本質をデジタルマーケティングではどのように捉えれば良いのでしょうか。4つの視点で置き換えてみます。

    顧客を第一に考える

    顧客との継続的な関係を構築するためには、顧客ニーズに答える良質なコミュニケーションが必要です。そのためには、以下の4つのBestを提供する必要があります。

    1. 一番良いお客様に(Best Audience)
    2. 一番良い場所で(Best Place)
    3. 一番良いタイミングで(Best Timing)
    4. 一番良い体験を(Best Experience)

    不幸にも悪い体験を受けてしまった顧客は、その企業の商品を購入しないどころか、広告に見向きもしてくれません。

    一人一人に対応する

    ダイレクトマーケティングでも、データの活用は基本中の基本です。デジタルマーケティングでは、ダイレクトマーケティング以上にさまざまなプラットフォームを経由し、多様なデータ、特に行動データを可視化し収集することが可能です。それらのデータを、MAに代表されるマーケティングテクノロジーと組み合わせることにより、顧客ごとにパーソナライズされたコンテンツを、顧客に直接届けることができます。最適化された接点はどこかを考える上では、前述したメディアニュートラルの考え方が重要です。

    【参考コラム】
    マーケティングにおけるデータ分析とは?アプローチの考え方と分析手順

    行動に変化を与える

    行動に変化を与えるというのは、つまり顧客の反応を得ることです。良い反応を得るためには、「顧客を第一で考える」で説明した4つのBestの中でも特にBest Experience、顧客にとって今必要な一番良い体験をしてもらうことです。そのためには、顧客の行動に変化を促すビッグアイデアとクリエィティブが重要です。
    ダイレクトマーケティングでクリエィティブを検討する場合は、さまざまなメディアで耐えうるビックアイデアが一番重要です。また、メディアごとに最適化されたクリエィティブ開発も行いますのでこの2つの完成度によって顧客に提供される体験が変わります。

    もちろんその体験は、顧客にとって一番良い場所で一番良いタイミングであることが必要です。
    また、クリエィティブにおいて、強いメッセージが逆に行動を促さないケースもあるので、細心の注意を払う必要があります。

    結果や効果が計測可能である

    ダイレクトマーケティングにおいては、施策のレスポンスを計測し結果や効果を検証します。デジタルマーケティングにおいても、デジタルテクノロジーを活用したプラットフォームを活用することで、様々な接点での計測がダイレクトマーケティング以上に簡単にできます。また、ダイレクトマーケティングではなかなか計測できないアトリビューション分析を用いた効果なども計測可能になりました。一方で、多くのデータを適切に判断するためには、適切なKGIKPIの設定と正しい接点での計測が前提になります。

    【参考コラム】
    「目標達成の道しるべ「KPI」を設定しよう」
    https://www.fusion.co.jp/column/2017/09/kpi

    ダイレクトマーケティングならフュージョンへ

    今回の記事では、ダイレクトマーケティングの本質やデジタルマーケティングで活用できる考え方についてご紹介しました。ダイレクトマーケティングは、単なるマーケティング手法ととらえるのではなく、もっと普遍的な、根本の部分を理解したうえで実務に活用できるものです。
    フュージョン株式会社では、ダイレクトマーケティングの知見をデジタルマーケティングの分野にも活用し、戦略設計や実行計画の策定、実施、運用をサポートします。
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