ダイレクトメール(DM)は顧客の手元に直接届けられるプロモーション施策のため、目を引くデザインやコピーライティングが最も重要と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、広告戦略としてのダイレクトメール作品を評価する日本最大の賞である「全日本DM大賞受賞」作品などをはじめ、成功事例として紹介されるDMは、単に見た目のデザインが優れているだけではなく、デザインをつくる前段階の戦略が優れているものが多くあります。
このコラムでは、デザイン制作に取り掛かる前段階として、コンセプトから設計を始める手順について解説します。また、効果が出るDMの作り方に必要なコツや、デザインで注意すべきポイントも詳しく紹介します。
| 【目次】 DM(ダイレクトメール)の成功要因とは? 成功するDM制作に必要な事前準備とは? より効果を高めるDMクリエイティブ制作のコツ 事例で見る効果が出るDM DMの効果をより高めるデザインやコピー作成上の注意点 効果検証を行って改善につなげる 効果的なDMの企画・制作はフュージョン株式会社にお任せください |
DMはダイレクトマーケティングの代表的な手法で、顧客からの直接的なレスポンスを受け取りながら関係性を構築できる点が大きな特徴です。
DMの成果を左右する要素は大きく4つあります。
・ターゲット
・オファー
・タイミング
・クリエイティブ
上記4要素のうち、成果にもっとも大きな影響を与えるのは「ターゲット」です。ターゲットを適切に設定できていなければ、効果の最大化は図れません。
ターゲットを設定する際には、自社が保有している顧客データを分析し、送付する顧客分類を行うことが重要です。顧客分類の例としては、「優良顧客」「リピート顧客」「新規顧客」「見込顧客」「離反顧客」のように分けることができます。
顧客分類を行う上での分析手法は様々なものがありますが、代表的なものとしては、「デシル分析」「RFM分析」があげられます。
DMについて、詳細はこちらのコラムでご紹介しています。
DMの役割や基本的な構成要素、分析手法について詳しく知りたい方はご覧ください。
効果が出るDMを作るには、デザインを制作する前の準備が大切です。事前準備は大きく5つのステップに分けられます。
最初に行うのは、ブリーフィング(共有会)です。
DMで扱う商品やサービスはどのような課題を解決できるのか、DMを実施する目的やターゲット、顧客への提供価値など、前提条件となる内容を整理します。
目的は大きく2段階で考えます。
CRMは継続することで成果を生むものです。目的を2段階で考えることで、次の施策を検討する際も最終的なゴールをぶらさずに設計することができるでしょう。
フュージョン株式会社では、DM企画設計用のブリーフィングシートを公開しています。
事前情報整理にぜひお使いください。
ブリーフィングで整理した提供価値を、どのようにクリエイティブで表現するか考えるステップです。
コンセプトは、マーケティングコミュニケーションにおけるテーマの中核であり、本質となるものです。提供価値が直感的に伝わるアイデアやモチーフを生み出すことができれば、DMの成功に一歩近づいたといえるでしょう。
コンセプトを考える際には、まず自分自身でサービスを利用することが大切です。
実際の顧客と同じ体験をすることで生まれた疑問やそれに対する回答が、クリエイティブやコンセプトのヒントにつながります。
また、コンセプトは3つ以上の候補を出すのが望ましいでしょう。
候補の中から、戦略性、関連性、説得力、差別化、さらに限られた時間・予算で実現可能か評価し、1つに絞り込みます。さらに、最終的に完成したコンセプトが、1文で表現できるシンプルなものになっているかも確認しましょう。
「クリエイティブ・インサイト」は聞き慣れない言葉かもしれませんが、Webサイトで言うワイヤーフレームのようなもの、と考えるとよいでしょう。
設計したコンセプトに基づいてDMの仕様を決め、各パーツに掲載する内容をまとめたラフを作成します。
DMの基本的な仕様には、主に4つのパターンがあります。
仕様が決まったら、各パーツに掲載する内容をラフでまとめます。
企業が伝えたいことをただ並べるのではなく、受け取り手が読む順番を想定して、コンセプトが伝わるストーリーを組み立てることが大切です。
DMの仕様とストーリーが決まったら、キーとなるコピーを作りましょう。
コピーライティングで伝えるべきポイントは以下の3点です。
期待するアクションは、数字を用いて直接的・具体的に伝えると明確になり、DMのレスポンス率アップにもつながります。
ここまで設定した目的、コンセプト、コピーが活きるデザインを制作します。デザイン制作を進める際のチェックポイントとしては以下の5つが挙げられます。
以上が、DM制作における基本的な5つのステップです。
実際には、あらかじめ予算が決まっていたり、スケジュール面から実施できる仕様が限られていたりするケースは少なくありません。その場合は、確定事項をブリーフィングに記載し、それを前提としてコンセプトを設計しましょう。
効果が出るDMを制作するためには、デザインから作り始めるのではなく、顧客とのコミュニケーションを意識した企画・設計が大切です。下記の資料では、企画立案に必要な5つのステップについて詳細に解説しているので、ご参考にしてください。
デザイン制作では、見やすさやわかりやすさだけではなく、以下の点にも注意することでより効果の高いDMが完成します。ここでは、DMの効果を高めるクリエイティブ制作上のポイントを4つ紹介します。
あいさつ状は、顧客に対してダイレクトメールを送った目的を説明する役割があります。あいさつ状は丁寧な印象を与える効果もあり、顧客個人にダイレクトメールを届けたことが強調されます。
また、あいさつ状では単純な挨拶や自己紹介だけではなく、商品を利用することで得られるベネフィットを「自分ごと」として捉えてもらえるような工夫を取り入れるとよいでしょう。
ブローシャーとは、商材の魅力を訴求するパンフレットの役割を果たすものです。ブローシャーはダイレクトメールの本題部分を担う重要なツールですので、「受け取り手がななめ読みしても、コンセプトがシンプルに伝わるか」を特に心がけて商品紹介を記載しましょう。
また、最後まで飽きずに読めるような工夫も忘れてはいけません。具体的には、グラフや実際のお客様の声を掲載すること、ブローシャーの中身がひと目でわかるようにすること、数字を含む見出しを載せることなどが挙げられます。
レスポンスデバイスとは、ダイレクトメールを受け取った顧客が商品購入などのコンバージョンに利用する手段やツールを指します。例えば、ダイレクトメールへの返信用ハガキの同封や、申し込み用のFAX用紙、Webページ上の入力フォームにアクセスできるQRコードなどです。レスポンスデバイスはダイレクトメールの反応率を測るために重要なツールです。忘れずに同封しましょう。
最後のポイントは、封筒への工夫です。封筒は顧客がダイレクトメールを受け取った際に最初に目にするもののため、この時点で興味を持ってもらえないと開封されない可能性があります。捨てられることなく開封してもらうためには、封筒に顧客を惹きつけるインパクトが必要です。
すぐに取り入れやすい具体例としては、封筒の外側に強烈なメッセージを入れることや、オファーを封筒に記載するという工夫があります。
株式会社ケイシイシイ(小樽洋菓子舗ルタオ)のDM施策は、顧客の購買行動に基づいたセグメント別アプローチによって成果をあげた事例です。同社では、通販顧客に対して購買行動や心理にあわせたコミュニケーションが十分にできていないことを課題としていました。そこで、3年分の顧客データを分析し、顧客ごとの購買パターンを可視化したうえで、「初回購入者」「休眠顧客」「優良顧客」の3つのセグメントにあわせたDM施策を実施しました。
<実施戦略>
優良顧客に対して日頃の感謝の気持ちを丁寧に伝え、満足度の向上を図るとともに、LTV最大化を目指す。優良顧客ならではの1年間使える特典を案内する「LeTAOスマイルパスポート」を軸に、人気の高い季節のスイーツカタログDMや誕生日DMを連動させたDMを複数回にわたって送付。優良顧客への販売促進を、1年を通して実施した。
<施策結果>
レスポンス率(注文件数)81.6%、対前年比132%アップ、客単価も対前年比114%アップを達成。売上は前年比234%で過去最高となった。
この事例の成功要因は、顧客データ分析に基づいて顧客ごとに最適なコミュニケーションを設計したことです。すべての顧客に同じ内容のDMを送るのではなく、購買パターンに応じてセグメントを分け、それぞれのニーズや関係性に合わせた施策を実施しました。特に優良顧客に対しては、特典プログラムや季節のカタログ、誕生日DMを組み合わせて継続的な接点を創出したことで、レスポンス率や客単価の向上につながりました。
詳細は下記の事例ページでも紹介しています。
<実施戦略>
自治体向けCBTサービス「CBT for school」の認知拡大と新規顧客開拓を目的に、教育委員会担当者の目に留まりやすく、組織内で回覧されやすいダイレクトメールを企画。一般的な封書型DMではなく、実際のタブレット端末が届いたように見えるインパクトのあるクリエイティブを採用し、サービスの特長や導入メリットをわかりやすく訴求した。さらに、担当者だけでなく意思決定者にも情報が共有されることを意識した設計とすることで、新規顧客との接点創出を図った。
<施策結果>
DMの開封率は前回施策比5倍以上を達成。自治体内での回覧や情報共有が促進されたことで、実証利用につながるケースが複数発生した。さらに、DMを起点とした新たな顧客接点の創出に成功し、新規顧客開拓施策として成果につながった。
この事例の成功要因は、自治体の意思決定プロセスを踏まえてDMを設計したことです。実際のタブレット端末が届いたように見えるクリエイティブで担当者の興味を引くだけでなく、庁内で回覧・共有されることを想定した設計とすることで、意思決定者まで情報を届けることに成功しました。その結果、開封率向上だけでなく、新たな顧客接点の創出や実証利用につながりました。
詳細は下記のページでも紹介しています。
フュージョン株式会社でのDM施策ご支援事例は、下記の資料よりご覧いただけます。DM成功事例をより詳細に知りたい方は、ぜひダウンロードください。
実際にDMをデザインする際に、事前に準備したコンセプトやクリエイティブだけではなく、細かなデザインやコピーライティングにも注意することで、より高い効果が期待できます。特に、ここでは「わかりやすいデザイン」や「コンセプトが伝わるコピー」にするための具体的なポイントを紹介します。
伝えたいことを受け取り手である顧客に正しく伝えるためには、読みやすさを意識したデザインが重要です。具体的には、視線の流れに合わせてコンテンツを組み込んでいくとよいでしょう。
視線の流れは一般的に横書きであれば左上からZ型に移動するとされており、縦書きでは右上から始まるN型と言われています。メインメッセージやコンセプトは読み始めとなる左上もしくは右上に大きく記載するようにしましょう。
次にコピーライティングで注意すべきポイントを見ていきましょう。DMでは顧客が親しみやすさを感じられるような文章を心がけることが大切です。また、手に取った顧客が「私個人に対して伝えている」と感じさせる工夫も盛り込みましょう。
具体例としては、受け取り手のお名前を印字する、実際のお手紙のような書き出しを心がける、年代層に合わせた言葉遣いをするなどが挙げられます。さらに、BtoBの場合はターゲットとなる企業の課題に寄り添った問いかけなども効果的です。
DMは発送して終わりの施策ではありません。むしろ、発送後の反応を測定し、その結果を次の施策に活かしていくことに大きな価値があります。
DMは、問い合わせや来店、Webサイトへのアクセスなどの行動を促し、その結果を把握できる「ダイレクトレスポンスメディア」です。誰が反応したのかを把握しやすい特性を持つため、施策の成果を可視化しやすく、改善につなげやすいという強みがあります。
効果を最大化するためには、施策の実施前に目的やKPIを設定し、実施後に結果を検証することが重要です。さらに、A/Bテストやコントロール群の設定などを活用することで、DMそのものの効果をより正確に測定できます。こうした検証を通じて成功要因や改善点を明らかにし、次回施策へ反映することで、DMの精度や費用対効果は継続的に向上していきます。
DMは一度きりの販促施策ではなく、効果検証と改善を繰り返しながら成果を積み上げていくことが重要です。送付後まで見据えた設計こそが、DMの成果を左右するポイントといえるでしょう。
DMの効果検証について、詳細は下記のコラムで詳しく解説しています。
効果が出るDMはデザインにこだわるだけではなく、コンセプトの整理や目的の設定をきちんと行うことが重要です。
フュージョン株式会社では、DMの成果にお悩みの方に向けて、DM診断サービスをご用意しています。
この診断で用いるDMリバースエンジニアリングとは、実際のDMをもとに、マーケティング意図やクリエイティブ設計を逆算して分析する手法です。
お手元のDM原稿のPDFファイルをアップするだけで、DMの特徴や改善ポイントを診断できます。ご興味のある方はぜひお申し込みください。
フュージョン株式会社が提供するダイレクトメール改善サービスでは、全体の戦略設定から企画・制作・効果検証までをワンストップでサポートしています。
初めてダイレクトメールの実施を検討している場合や、現在実施しているダイレクトメール施策の効果に課題をお持ちの場合は、ぜひ一度フュージョン株式会社へお問い合わせください。
15分程度の無料相談も行っておりますので、こちらもぜひご利用ください。