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DM成功事例に学ぶ |「ベネフィット」で顧客の心を動かす方法 | フュージョン株式会社

作成者: Admin|Jan 19, 2026 4:21:48 AM

「自信を持ってリリースした商品・サービスなのに、思ったように売上が伸びない…」
「自分たちが魅力だと思っているポイントが、顧客にうまく伝わっていない…」
当社は上記のようなお悩みを多くお伺いします。

魅力的な商品・サービスであるにもかかわらず、なぜうまく顧客(消費者)に伝わらないのか。それは、モノやサービスが溢れかえる現代においては、顧客は商品・サービスの機能やスペック以外の購入基準を持っているからです。
フュージョン株式会社は、顧客は購入検討時に「この商品・サービスは、自分にとってどのような価値があるか」を考える、すなわち“ベネフィット”を重視すると考えています。そのためDM企画でも、顧客視点でモノ・サービスの価値(ベネフィット)を表現することに重点を置いてご提案しています。


そこでこの記事では、フュージョン株式会社がご支援した事例から、全日本DM大賞で設計・効果を評価され、ベネフィット訴求の成功が話題となった三井住友カード株式会社の事例をもとに、企業がDMで成果を出すためのポイントを解説します。

【目次】
ベネフィットとは何か?メリットとの違い
なぜベネフィットが重要なのか?
【成功事例】“使いたい”を引き出す、「切り札」を手に入れたくなるストーリー戦略
ベネフィットを訴求し、顧客の心に訴える施策を

ベネフィットとは何か?メリットとの違い

端的にいえば、ベネフィットとは「商品・サービスから得られる、顧客(ターゲット)にとって魅力的な価値や体験」を指します。
マーケティングでは、まず商品・サービスのターゲットを考えます。ベネフィットを考えるときは、そのターゲットの生活を便利にしたり、不便を解消したりする未来をイメージします。
一般的にベネフィットと混合されやすいのが“メリット”ですが、メリットは「商品・サービスの機能やスペックによる利点」を指す言葉で、ターゲットにかかわらず商品・サービスそのものに付随する概念です。
ベネフィットは、顧客(ターゲット)視点で表現した価値や体験を指すため、メリットとは異なりターゲットによって変化するのが特徴です。比較しやすいように、以下に具体例を挙げてみます。

商品・
サービス
長靴 オンライン
英会話レッスン
新築
住宅
機能 防水加工 オンライン学習 高気密高断熱
メリット 雨や雪の日でも
靴の中が濡れない
自宅で学べる 冷暖房効率が良い
ターゲット 子どもを持つ親 キャリアアップを目指す
新卒3年目
子どものいる夫婦
ベネフィット 雨や雪の日でも、
足を冷やさずに
遊び回ることができる
移動時間ゼロで、
自分の時間を大切にしながらスキルアップできる
一年中、子どもが裸足で 快適に過ごせる

光熱費の負担が減り、
家族の趣味やレジャーにお金を使える

メリットが商品・サービスの機能説明であるのに対して、ベネフィットはターゲットにとって「その商品がどのように課題を解決してくれるのか」に焦点を当てた表現であることが分かるでしょうか。

DMや広告といった商品PRの際に、「耐震等級3」や「ビタミンC1,000mg配合」など機能やカタログスペックなど作り手の視点での商品説明に終始してしまい、結果的に顧客にメリットしか伝わっていない企業も少なくありません。

しかし、現代のマーケティングでは、ただ機能を羅列するよりも、ベネフィットを具体的に提示して顧客の将来を示すことのほうが重要というのが定説です
ベネフィットの訴求によって、商品・サービスを手に入れた際のポジティブな変化をイメージさせることができ、購入を押し進めるきっかけとして機能したり、商品・サービスへの好印象を獲得したりできるためです。

なぜベネフィットが重要なのか?

仮にベネフィットがない場合のマーケティングを想定してみることで、逆説的にベネフィットの重要性が見えてきます。

他社商品・サービスとの価格競争に巻き込まれづらくなる

機能だけで訴求すると、顧客は「どこが一番安いか」で判断しやすくなります。
結果、割引やキャンペーンに頼るしかなくなり、利益率が低下。さらに、顧客獲得にかける費用が無限に膨らむ悪循環に陥ります。
ベネフィットがあることで、価格以外の「買う理由」を顧客に提供することができます。

顧客体験を手厚くする

機能だけでは「スペック競争」になり、顧客は商品・サービスやブランドに感情的なつながりを感じにくくなります。結果、エンゲージメントが低下し、リピート率も下がります。
ベネフィットは、「この商品・サービスはどのように顧客の課題を解決するか」に重きを置いた表現のため、顧客体験を手厚くすることができます。

差別化につながる

競合が同じ機能を持っている場合、ベネフィットがないと「どれも同じ」に見えてしまい、ブランドは単なる商品提供者にとどまってしまいます。
価格以外の差別化要素を生み出し、ブランド戦略が崩壊することを防ぐのがベネフィットです。長期的なファンやロイヤルティを生み出す鍵は「共感」と「期待の充足」であり、そのためにはベネフィットの訴求が有効なのです。

ブランドの差別化やファン作りについては、当社コラムでもご紹介していますので、あわせてご一読ください。

【参考コラム】
選ばれ続けるブランドへ:ロイヤルティ×ファン育成の両輪設計

「自社の商品・サービスのベネフィットを決めるのに困っている」という方は、「バリュープロポジションキャンバス」というフレームワークを活用すると考えやすくなります。こちらも当社コラムでもご紹介しています。ぜひあわせてご一読ください。

【参考コラム】
顧客への提供価値をデザインするフレームワーク「バリュー・プロポジション・キャンバス」の使い方

【成功事例】“使いたい”を引き出す、「切り札」を手に入れたくなるストーリー戦略

三井住友カード株式会社「切り札DM


三井住友カード株式会社の「切り札DM」は、ベネフィット訴求の成功例として全日本DM大賞を受賞した好事例です。この施策では、法人代表者・個人事業主向けにクレジットカードの新規入会を促し、申込率において前回比169%を達成しました。
高い成果を生み出した背景には、「三井住友カードのクレジットカード=ターゲットである経営者に対して、ビジネスを一段上の成功に導くための切り札」というベネフィットを打ち出し、それをインパクトあるビジュアルとともに表現したことで、顧客に価値が伝わりやすくなったことがありました。

■背景

近年クレジットカード間での競争が激しくなる中で、どのクレジットカード会社も、既存顧客の離脱を防止しつつ新規顧客の獲得をすることが大きな課題となっていました。
三井住友カードは、法人代表者・個人事業主向けのクレジットカード「ビジネスオーナーズ」の新規申し込みをさらに強力に促すことを目指し、当社にDM企画をご相談いただきました。

■クリエイティブのポイント

従前のビジネスオーナーズのDMでは主に機能面を訴求していたことをふまえ、新規DMではベネフィットを強化した訴求をご提案しました。具体的なポイントは3点です。

①ペルソナ理解を深め、より高位ランクの商品をあえて打ち出す戦略へ転換する

ご提案前の当社とのお打ち合わせでは、「新規入会者の獲得を念頭に置いて、気軽に入会しやすい年会費無料のノーマルカードを推してきた」とお伺いしました。
そこでフュージョン株式会社は、カードのターゲットとなる「小規模法人代表者・個人事業主」のペルソナを再検討。「日々、自身のビジネスを推進し、事業拡大へのモチベーションが高い方々」と推定しました。
そこで、手軽さよりも、より上位ランク商品であるゴールドカードの魅力を前面に押し出し、ベネフィットを強力に打ち出すことをご提案しました。

②商品を使うことで得られる“満足感”や“自分らしさ”をストーリーで表現する

競合商品・サービスも数多くあるなかで、いかにターゲットに「ぜひビジネスオーナーズを使いたい」と思ってもらえるかが肝となります。そのためにはただ特長を要点としてまとめるのではなく、カードを手に入れたあとのポジティブな世界観をしっかり打ち出すことが重要です。
ビジネスオーナーズの特長は、経費の使用状況を確認できるアプリや、いつ何を決済したか分かりやすいUIにあります。また、そもそも公私のカードの使い分けができていないターゲットにとっては、ビジネスカードを持つことで経費と私費の区別が格段につきやすくなるメリットがあります。
さらにゴールドカードであれば、空港ラウンジサービスも付帯されます。

そこでフュージョン株式会社は、「ビジネスオーナーズを持つことで、ビジネスでここぞという時に助かったり、これまでより一段上の満足感を手に入れたりすることができる」というベネフィットを策定。このベネフィットを「切り札を手に入れる」とストーリー仕立てにすることで、顧客がビジネスオーナーズを手に入れたあとのスマートな世界観を演出しました。

今ターゲットが見えている世界が、ビジネスオーナーズを持つことで一変する様子を冊子で表現。

③最初の接点であるDMから、特別な体験を届ける

ターゲットとの最初の接点であるDMは、顧客の印象を掴む重要なポイントです。
そこで封筒は高級感のある紙を採用。さらに実物大のカードを同封し「今手にしたカードが切り札に」と訴えることで、五感でビジネスオーナーズ ゴールドを持つ特別な体験を演出しました。

ベネフィットを「言葉+ビジュアル」で伝え、DMを特別感のある体験にすることで、受付率(受付数/送付数)が前回比169%に伸長。さらにカード加入比率に占めるゴールドカードの割合が大幅に増加した好事例です。

ベネフィットを訴求し、顧客の心に訴える施策を

機能ではなく「顧客にとっての意味」を伝えるベネフィット。
顧客との直接の接点であるDMでは、表現の工夫とビジュアル化で記憶に残る体験を提供し、顧客のファン化をしながら数値面でも効果を得ることが可能です。
フュージョン株式会社は、クライアントの商品・サービスのベネフィットを客観的に見出し、DMをはじめとするクリエイティブ施策を長年ご支援してきました。ベネフィットを打ち出した施策で成果を出したい企業様や、試しにベネフィット訴求をプラスしてみたいという企業様は、ぜひご相談ください。ベネフィットの検討から施策実行まで、最適なDM施策をご提案いたします。