三井住友カード株式会社様
ベネフィットを再解釈した「切り札DM」で新規入会者数増加を促進
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クライアント企業
三井住友カード株式会社
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インタビューのお相手
マーケティング本部 金子様・塚田様
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クライアントのミッション
中小規模の法人代表者・個人事業主をターゲットとする「三井住友カード ビジネスオーナーズ」への新規入会者獲得
課題
- 金融商材ならではの「伝えづらさ」があり、顧客目線での伝わりやすさとサービスやキャンペーンのメリットの訴求バランスに課題を感じていた
- 部署間でダイレクトメール制作の知見が共有されておらず、コミュニケーションの齟齬が発生していた
成果
- 研修により部署間での共通言語を持つことができ、コミュニケーションの質が向上した
- ダイレクトメールの送付により受付率(受付数/送付数)が前回比169%となったことに加え、ゴールドカードの加入比率が大幅に増加した
(フュージョンのご支援内容)
- ダイレクトメール(DM)企画設計・制作向け社内研修の実施
- ビジネスオーナーズへの新規入会を目的としたDMの企画設計・制作
三井住友カード株式会社の事業内容
三井住友カード株式会社は、長年培ってきたクレジットカード事業のノウハウをもとに、会員事業、加盟店事業、受託事業等、多様な事業を展開しています。
また、「便利」「安心・安全」「お得」なキャッシュレス社会を実現すべく、幅広いサービスを提供しています。
【三井住友カード株式会社 公式サイト】
https://www.smbc-card.com/company/index.jsp
この事例では、法人代表者・個人事業主向けにクレジットカードの新規入会を促すため、DMによるプロモーションの企画・実施を行いました。
プロモーションをご支援する以前からご依頼いただいていた社内向け研修の効果も含め、フュージョンをパートナーに選んだ決め手、プロモーションの効果について、媒体制作を統括されている金子様と、会員獲得の施策を担当されている塚田様にお話を伺いました。
三井住友カード株式会社マーケティング本部 塚田様(左)金子様(中央)、
フュージョン株式会社アカウントプランナー吉川 景博(右)
共通の知見を持つことでコミュニケーションの質が向上
ターゲット像を明確にしたDMづくりに
金子:当社は、会員獲得のための施策を考えるチームと媒体制作を担当するチームが分かれています。そのため、施策としてDMプロモーションを行う際、制作側の知見が共有されていなかったり、逆に施策担当側の意図をデザインにうまく落としこめないといったような、コミュニケーションの齟齬がありました。研修を実施することで、全員のDMに対する知見を統一したいと思い研修を依頼しました。
研修の中では自社のDMを分析する機会があり、それを通して施策担当と制作担当で共通言語を持つことができました。
これまでは、なんとなく「刺さるDMを作りたい」という依頼が多かったのですが、受講後はリーチしたい層を明確にした依頼をしてくれるようになり、コミュニケーションのレベルが上がったなと感じています。
塚田:研修を受講して大きな学びだったのは、施策の担当者が与件をしっかりと固めないといけないということでした。それは、DMに関わらずデジタルでプロモーションをする際にも活かせています。
金子:ひとつのDMに対して、様々な部署の人間でリバースエンジニアリング(※1)をする機会があり、施策担当側が意図していることが、そのサービスやキャンペーンを知らない担当者には伝わっていないことがわかりました。制作したDMに対して他の担当者から意見をもらう機会を持つという意味でも、定期的に研修を受講し部署間交流を行うことは意義があると思っています。
また、DM施策を実施する際は、デジタル施策に比べて費用がかかるので、効果をより求めるために、ターゲットを広く全体に刺さるものを制作したいと欲張りになりがちですが、それでは結果としてぼんやりとした印象に残らないDMになってしまいます。研修を通じて、ターゲット像を明確にすることの重要性を感じてもらえたと思っています。
(※1)DMの仕様や構造を明らかにし、施策の改善点を洗い出す手法
ーDM制作をフュージョンに依頼した理由はなんでしょうか。
金子:これまでDM研修を継続して受講していく中で、フュージョンさんの提案力の高さは感じており、いつかは依頼したいなと考えていました。顧客分析を活かしたDM企画は、ビジネスオーナーズの新規獲得という商材との相性が良いと思い今回依頼しました。
塚田:ビジネスオーナーズの新規獲得DMについては、フュージョンさんに依頼する前から継続して実施していました。その次のステップとしてこれまで蓄えた顧客データを活かし、より抜本的な改善を行うため、改善が得意なフュージョンさんに依頼することを決めました。
ベネフィットの再解釈とそれを実現するための企画力
ー今回の提案を採用した理由や、印象的な部分があれば教えて下さい。
塚田:今回は、2パターンの提案を受け「切り札DM」を採用することに決めました。いただいた提案はどちらも良かったのですが、採用したDMはこれまで行ってきた表現と比べると全く新しいと感じました。
金子:提案を受けた私たちが、ため息が出るくらいインパクトのあるデザインでした。また、これまでは新規入会者の獲得を念頭に置いて、年会費無料のノーマルカードを推そうという流れがありました。しかし、今回の提案ではゴールドカードの入会にフォーカスしており、それが良い意味でこれまでの考え方を壊すものでした。ビジネスオーナーズの対象者のペルソナの掘り下げ方が深く、ゴールドカードを全面に押し出すことに納得感があったので、今回はこれでやってみようということになりました。
塚田:お客様に対するベネフィットを再解釈し、その伝え方が上手だと感じました。請求書を用いたデザインもこれまでにないクリエイティブのアイデアだったので、その見せ方がずば抜けて良かったなと思います。
これまでは、デジタルプロモーションの良いところを踏襲しつつDMに落とし込んでいました。デジタルプロモーションでは、ひと目で情報を伝えきるということが重要なのですが、今回の「切り札DM」はあえて商品名を記載しない仕掛けを施し、DMを開封して最後まで読んでもらえるような伝え方になっていた点も良かったです。申し込み用のQRコードは、最終ページにのみ配置しているのですが、QRコードからの申込件数も数字として現れているので、最後までしっかりと読んでもらえたことの裏付けになっていると思います。
申込率が前回の169%を達成 デジタル施策への波及も
ー実施後の成果について教えてくだい。
塚田:成果としては、申込率が前回比169%と改善し、これまで行った施策の中で一番良い数字が出ました。さらに、ゴールドカードに特化したDMにしたことで、ゴールドカードの入会比率が約1.5倍増加しました。
この結果を受けて、今回のターゲットと似た層に向けて、WEB動画でゴールドカードの加入を促すという施策にも繋がりました。
ーフュージョンはどのような企業にすすめられると思いますか。
金子:ベネフィットの伝え方が一辺倒になってしまっていて、もう少し効果が出せそうだなと漠然と感じているものに対して、原因を分析して改善策を具現化してくれるので、そういった点で悩みを抱えている企業さんにおすすめできます。
塚田:主にデジタルプロモーションを行っている企業さんが、初めてDM施策を打ち出す際に相談するとすごく良いと思います。デジタルプロモーションの勝ちパターンを踏襲すれば良いと思っていたものが、そうではないと気づかせてくれました。
デジタルとDMをクロスした、より高次元の顧客コミュニケーションの実現を
ー最後に御社の今後の顧客コミュニケーションの展望を教えて下さい。
塚田:私は、普段デジタルプロモーションを主に担っており、DMを担当しているのは今回のビジネスオーナーズの会員獲得の領域だけなのですが、実際に今回DMで成果が出ているので、それを活かして他のサービスのデジタルプロモーションにもDMを繋げていきたいです。顧客解像度を高めて、入会してもらうために何を伝えたら良いのかを深堀りした顧客コミュニケーションを、今後も開発したいと思います。
金子:当社は、アプリやメールで会員に向けた密なコミュニケーションを細かく設計しているので、その動きと連動してDMで補完できる部分を考えて顧客コミュニケーションを組み立てていきたいです。
デジタルのコミュニケーションを、より一人ひとりにフィットさせていくとともに、DMも活用しながら、お客様に一層快適なキャッシュレス体験を提供できるようにしていきたいです。
(本作品は第37回全日本DM大賞で入選しました)
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