コラム一覧|フュージョン株式会社

ロイヤルカスタマーとは?重要性や維持・育成の方法、優良顧客との違い|フュージョン株式会社

作成者: Admin|Sep 10, 2023 3:00:00 PM

「ロイヤルカスタマー」とは、売上貢献が高いことに加えて、「企業やブランドに信頼を寄せてくれている顧客」のことを指します。信頼(=顧客ロイヤルティ)があるからこそ、簡単には離反しない傾向がありますが、その信頼を維持することは一朝一夕でできることではなく、CRM戦略に基づいたロイヤルティプログラム設計・実施など、企業側の継続的なアプローチとさまざまな工夫が必要です。

【参考コラム】
ロイヤルティプログラムとは?他社事例から学ぶ3つの指標と実践方法

一方で、「優良顧客」とは、「商品やサービスを継続的に購入し売上貢献が高い顧客」です。優良顧客の場合は、企業と顧客の関係性は問わないことが一般的です。そのため、「安いから」「他を探すのが面倒だから」という理由で購入を続けている人も含まれています。そういった方に向けては、単価を維持すること、購入の利便性を高めることで継続購入を促すことができますが、他社でもっと良い商品を見つけた場合、簡単に離反してしまう可能性があります。

ロイヤルカスタマーも優良顧客も、企業にとって大事にすべき顧客であることは変わりませんが、その違いは、企業と顧客の関係性にあります。
このコラムでは、CRMに取り組むうえでロイヤルカスタマーを重視すべき理由について解説するとともに、代表的な定義方法やロイヤルカスタマーを維持する方法についてご紹介します。

1.  ロイヤルカスタマーを重視すべき理由
2.  企業への貢献と信頼を表す「顧客ロイヤルティ」
3.  ロイヤルカスタマー維持に必要な顧客コミュニケーション戦略

1.ロイヤルカスタマーを重視すべき理由

ロイヤルカスタマーを重視すべき理由としては、主に3つ挙げられます。

①LTV(Life Time Value)の向上

「上位2割の顧客が全売上の8割を生み出す」というパレートの法則を考えると、ロイヤルカスタマーは非常に大切で価値のある存在です。ロイヤルカスタマーは、ブランドやサービスへの深い信頼から、短期的な変動に動じず長期的に取引を続ける傾向があります。このような継続的な取引は、LTVの向上をもたらすだけでなく、企業の売上の安定性も高める要因となります。
フュージョンでは、既存顧客との関係性を可視化した指標であるLTVの簡易計算シートを公開しています。自社のロイヤルカスタマーのLTVを大まかに把握したいときにお使いください。

【お役立ち資料】LTV簡易計算シート 資料ダウンロードはこちら

②積極的な情報発信者としての役割

ロイヤルカスタマーは、その高いロイヤルティから、企業やブランド、製品に対する肯定的な情報を自発的に共有してくれることが多いです。このような顧客からの直接的な声は、企業の一方的な宣伝よりも信頼性が高く、受け手にとっても説得力があります。
さらに、企業にとっては追加のコストがかからないため、効果的かつ経済的にプロモーションを行うことができます。

③新しいお客様の紹介源としての役割

ロイヤルカスタマーは、自分自身が企業に貢献してくれるだけでなく、新規顧客開拓にも一役買ってくれる可能性があります。
紹介するという行為は、紹介する本人の信頼性や信用性をもとに行われるため、ロイヤルカスタマーからの紹介は特に価値が高いと言えます。
ロイヤルカスタマーは企業やブランドに信頼を寄せてくれているからこそ、家族や友人の紹介が期待でき、新しい売上をもたらす可能性があります。

このように、ロイヤルカスタマーは、企業にとって非常に価値のある存在です。
彼らは高いLTVを持ち、企業やブランドに対する好意的な情報発信を行い、さらには新規の顧客紹介という形で直接的な売上への貢献も期待できます。これらの点を理解したうえで、ロイヤルカスタマーとの関係を深化させることで、より売上アップが期待できるでしょう。

 

2. 企業への貢献と信頼を表す「顧客ロイヤルティ」

冒頭でご説明したとおり、ロイヤルカスタマーと単なる優良顧客の違いを分けるポイントとしては、企業やブランドに対する貢献や信頼の有無があります。それでは、その貢献や信頼を指す「顧客ロイヤルティ」には、どのようなものが挙げられるのでしょうか。

下記のピラミッドは、企業と顧客の関係性を4つの段階で表す顧客満足型マーケティング展開フレームGBGKです。下から上に向かって計4つのフェーズがあり、縦軸は「顧客ロイヤルティ」の高さ、横軸は「顧客数」を表しています。

(参考資料:荒川圭基著「顧客満足型マーケティングーデータベース・マーケティングからCRM、FSPまで」PHP研究所、2003年)

そもそも「顧客ロイヤルティ」とは、Loyalty(忠誠心)を意味する英語に由来しており、「心理的ロイヤルティ」と「行動的ロイヤルティ」の2つの面があります。

 ◆心理的ロイヤルティ…企業やブランド・商品に対する好意的な感情
 ◆行動的ロイヤルティ…企業に対する直接的な貢献(購入金額、頻度、継続取引年数など)

ロイヤルカスタマーは4つのフェーズの中で最上位である④維持フェーズに分類され、心理的ロイヤルティ・行動的ロイヤルティの両方が高い顧客です。

新規で顧客を獲得し、その後ロイヤルカスタマーへと育成するためには、単純な購買行動の促進だけでなく、顧客が企業やブランドに深い興味を持ち、長期的な信頼関係を築けるような取り組みが求められます。これには、顧客のニーズや価値観を理解し、それに応じた商品やサービスを提供することが重要です。
また、定期的なコミュニケーションを通じて、顧客との関係を継続的に深化させる努力も不可欠です。

さらに、ロイヤルカスタマーの定義や基準は一定ではありません。市場環境の変化やロイヤルティプログラムの運用状況、顧客のニーズの変動など、多くの要因によってその基準は変わる可能性があります。そのため、定期的な見直しを行い、常に最適なアプローチを模索することが、ロイヤルカスタマーとの長期的な関係を維持・強化する上で大切です。
ロイヤルティプログラムの見直し方法については、参考コラムをご覧ください。

【参考コラム】
ロイヤルティプログラムの成果を最大化するためのロイヤル定義見直し方法

3. ロイヤルカスタマー維持に必要な顧客コミュニケーション戦略

ロイヤルカスタマーを維持するためには、継続的な顧客とのコミュニケーションが必要です。
参考までに、下記のデータをご覧ください。


ロックフェラー財団の調査結果によると、顧客が逃げる理由の第1位は「自分が企業に相手にされていない。大切にされていないと感じたから」で、全体の68%を占めています。

ここから言えることは、ロイヤルカスタマーを維持していくためには、「あなたを大切にしている」というメッセージを届け、心理的ロイヤルティを高めることが大切、ということです。
また、一度のキャンペーンやプロモーションだけでなく、日常のサービスやコンタクトポイント全体を通じて継続的に伝え続けることが重要です。
そのためには、ロイヤルカスタマーにどのようなメッセージを伝えるべきか、顧客コミュニケーション戦略を立てることが必要です。

具体的には、ロイヤルカスタマーがどのような人なのかを把握することから始めます。
ロイヤルカスタマーの行動ロイヤルティを把握する方法としては、顧客行動データを用いた顧客分析が挙げられます。デシル分析やRFM分析などの代表的な手法を用いて、定量的な情報によってロイヤルカスタマー独特の行動を洗い出しましょう。

加えて、心理ロイヤルティの把握については、顧客へのアンケートやNPS調査を行い、ロイヤルカスタマーに近いペルソナの人物像を観察するなど、さまざまな方法を駆使することでロイヤルカスタマーの行動パターンを把握します。これらの情報から、ロイヤルカスタマーは企業からどのような情報を欲しいと考えているかを整理することができます。
そして、企業からのメッセージを届けるクリエイティブを作成し、適切なタイミングで発信します。
この繰り返しが、ロイヤルカスタマーの維持につながります。ポイントプログラムによるユーザーへの情報発信はこの代表的な例です。

【参考コラム】
ポイントプログラムとは?効果を高める3つの提供価値
「知らなかった」ではすまない、新会計基準適用後のポイントプログラムへの影響

ロイヤルカスタマープログラム企画・設計ならフュージョンへ

ここまで、ロイヤルカスタマーの定義から維持について、基本的な考え方をご紹介してきました。
ロイヤルカスタマーは優良顧客の中に必ずいます。まずは、自社のロイヤルカスタマーがどのような人なのかしっかり把握することが大切です。そして、それをベンチマークとして、優良顧客もしくはそれ以外の顧客層から同じような顧客を増やしていきましょう。

フュージョン株式会社では、ロイヤルカスタマーの定義から維持までを支援するサービスを提供しています。

  • ロイヤルカスタマーが重要とわかっているが、何から手を付けて良いかわからない
  • 自社のロイヤルカスタマーの定義を決めたい、見直したい
  • ロイヤルカスタマーの定義はあるが、維持・育成の取り組みができていない
  • 実施中のプロモーションの精度を高めたい

このようなお悩みがある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

【資料ダウンロード】ロイヤルカスタマー育成支援サービスの詳細はこちら

フュージョン株式会社へのお問い合わせはこちら