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日本の安易なビッグデータ分析サービスに物申す!データを「扱う」と「活かす」事の大きな違いを理解する。

佐々木 卓也
2013-02-06

最近bigdata(ビッグデータ)の記事、書籍が沢山発刊され、

IT系のwebサイトでは過熱気味に議論が行われています。

ビッグデータはファクトでは無いだとか、ビッグデータのリテラシー基準が無い、
ビッグデータを分析する「データサイエンティスト」人材が必要だ、等・・・

ビッグデータを「ビジネスに活かす為の環境整備」の期待が
クライアントにとってもサービス提供側にとっても高まっています。

そんな中、データ分析サービスします!という企業も沢山出現しています。
特に大手システム会社中心に営業がスタートしている様です。

なぜ大手システム会社かというと下記が理由の様です。、
システム会社社内人材の一般的なキャリアパスとして下記の流れがあります。

PG(プログラマ)→SE(システムエンジニア)→ PL(プロジェクトリーダ)→ PM(プロジェクトマネージャ)又はシステムコンサル

最近では、PLやPM、システムコンサルをキャリアとして志向せず
データベース関連の知識やスキルを深堀って取得し、
そこからデータアナリストやデータマーケター、
または最近のホットワードでもある「データサイエンティスト」を
キャリアとして目指す事
を考えたり、
社内にも専門の部署が出来たりして、組織化する様になったそうです。

だから急に営業がスタートしているのですね(汗)

企業の中には、良く見渡してみると沢山のデータが存在していますが、
そのデータの場所とレイアウトとリレーションだけを理解して集計・整理しても意味がありません。
さらにサービス提供側が提案する際に、「御社のビッグデータ」と言いますが・・・

アメリカではビッグデータを下支えする技術Hadoop(ハドゥープ)活用の現場では
10TBレベル以上のデータを差すらしく、
日本の企業のデータで10TB以上蓄積された解析対象データを持つ企業は3割以下だそうです。
(逆に10TB以上データを持っている企業が3割もいる事が驚きですが)
※「Hadoop(ハドゥープ)」大量のデータを処理することができるミドルウェア、技術を指しています。

だとすると、少し過熱気味かもしれませんね。
本当は既存の技術でも十分自社データを分析する事は可能なのに、
仕組みが無いと出来ない、という風潮があるかもしれません。
SEが急にデータを分析します!という話でも無いと思います。

ビッグデータをビジネスに活用するためには・・・
SQLの知識、Hadoopの知識、データマイニングの知識、BI(ビジネスインテリジェンス)の知識、
ここまでだとおそらく、「データを扱う」に過ぎません。

マーケティングの知識、さらには事業経営の知識も駆使して
企業のビジネスを理解し、データの「意味と相関性」を理解して
「散り散りになったデータベースを複合的に分析」し、

今ある顧客への既存のアプローチ方法と、
テクノロジを活用した新しいアプローチ方法、
具体的なアクションプランを考えられる人材が
クライアントにも分析サービス提供側にも必要
になります。
そこまできてやっと
「ビジネスにデータを活かす!」事が可能になると思っています。

そんなスーパーマンどこにいるの!?と思ってしまいますが
弊社にもデータ活用する為の社内人材育成の相談も来る様になりました。
「扱う」から「活かす」、データをお金に変える事が出来る!

難しい課題ですが、
そういう企業が沢山出現すると世の中がもっと変わるかもしれません。

最後まで読んで下さりましてありがとうございました。

(『ITmedia マーケター通信』2013年2月7日掲載

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