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もうOtoOという言葉自体が無意味になってきているのではないか!?

佐々木 卓也
2013-04-13

OtoO(オートゥーオー)というキーワードは2011年頃から特に言われ始めて、

今でもホットなトレンドワードである事は間違いありませんが、
オンラインからオフライン、オフラインからオンラインへ送客、流入させる事を
目的としたマーケティング、それを実現するテクノロジについて感じる所があります。

特に小売業界にとっては、
「もうOtoOという言葉自体が無意味になってきているのではないか?」という事です。

OtoOサービスを提供する側からすると、私自身含め非常にショッキングに聞こえますが最近感じるその理由として下記の二つがあります。

①顧客側がそもそもO(オンライン)もO(オフライン)もはっきり区別したり意識もしていない。

スマートフォンに代表されるこの数年の間の劇的なテクノロジの変化によって
顧客が購買する際に、オンライン、オフラインを意識して買い物をしなくなってきました。
店頭でスマートフォンでレビューや最安価格をチェックし、
その場で買い物をする事が当たり前になってきています。
普段はネットスーパーで買物し、日曜日は家族で大きなショッピングセンターで買い物もします。

また、「私はECしか買わない、リアル店舗でしか買わない」
「私はチラシしか見ない、私はWEBで企業の情報を取得をする」といった
企業側が都合の良い様にシンプルにセグメントされた顧客の割合はどんどん減少し、
「リアル店舗でもECでも、どちらでも買う」
「その時々で便利な方、得な方で買う」
「情報を取得するツールに区別はない」
顧客が多くなってきている様に強く感じます。

顧客は「企業」「店舗」「ブランド」「販売員」に興味や関係が築かれて
購買しているのであって、企業側の組織に依存している様な、
EC、WEBサイト、店舗といった様な縦割りの考え方、意識はありません。
むしろ企業の組織とは逆行した、「横串」で企業を見ている、と強く感じています。

オンラインとオフラインの「境目」を顧客は意識していません。


②小売業がオンライン、オフラインといった境目を意識して施策を考えず、ミックスして考える事が当たり前になってきた。


リアルもECも展開している大手ブランドや小売業は最近特に気づき始めています。

現状はどうしても、WEBマーケティング提供会社、スマフォのアプリ制作会社、
既存の広告代理店、チラシを印刷する印刷会社といった、
自分達の得意なメディアやテクノロジをサービス提供する企業がほとんどです。

発注側にいるクライアントも、それらを適切に組み合わせて、
顧客とのコミュニケーションを設計する際に
オンライン、オフラインといった区別や境目はもたずに、
購買行動を分析し、仮説を経ててアクションに導く
いわゆる「ストーリー」を意識する様になりました。

組織の中で、マーケティング部や営業企画部に、
システム系の人材がジョインしている企業

私も複数社見ています。こういった所にも意識が表現されていると思います。


スマフォアプリやNFCを中心としたOtoO提供サービスも、
買物顧客にとっては、ストーリーの一部でしかなく、
オンラインからオフライン、オフラインからオンラインといった一方通行の話ではなく、一回の買物にオンラインとオフラインの間を行ったりきたりしながら、
沢山の要因を複合的に考えて、買物というアクションをする時代
になっています。

テクノロジで顧客を呼ぶ、という考えではなく、
より顧客にどれだけ寄り添えるか、接触出来るかを目的とし、
テクノロジをうまく活用して実現する事がより大事
になったと思っています。

それくらいこの数年で、マーケティングとテクノロジの距離が近づき、
企業にとっても、生活者にとっても影響が大きくなった、
と言えるのでしょう。

最後まで読んで下さりましてありがとうございました。

『ITmedia マーケター通信』2013年4月11日掲載

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