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「Cookie is not the customer.」Cookieは顧客ではない!

佐々木 卓也
2015-10-18

今月頭にボストンでマーケティングイベントに参加しました。
時間の許す限り沢山のセッションに参加しましたが、
その中で興味深い言葉の一つをご紹介します。


それは・・
「Cookie is not the customer.」(Cookieは顧客ではない)という言葉です。


CookieはWEBのプロトコルで、ユーザの識別や
通信のセッション管理をする目的に利用されますが、
WEBやECの世界では、そのログを分析する事で
あたかも「セッション=一人の顧客・人間」と例えられる事が多く、
サイト内行動や、購買行動の把握、
またリターゲティング広告等のアドテクノロジーにも活用されています。


しかしながら、Cookieは顧客ではないのです。
理由として・・・
①マルチデバイスに囲まれている
 スマホ、会社のPC、自宅のPC、タブレット、テレビ、ウェラブル端末等、
 身近なデバイスが増え、通信速度も変わらず、データはクラウドで管理している環境に
 なればなるほど、一つのデバイスへのこだわりが薄れてきます。
 その都度で便利なデバイスで通信すると、データはやはり散り散りになります。


②オムニチャネル化が進み、リアルとオンライン両方を便利に利用する顧客が増えている
 買い物やサービスをすべてをWEBで済ます人は少数です。
 企業がオムニチャネルに取り組むほど、顧客の行動は複雑に、
 都度の利便性に左右されながら動いていきます。
 一つのセッションで測れない動きです。


もっと言えば、バナー広告に追いかけられるのが嫌で
Cookie自体を無効にする人も増えるかもしれません。


データ分析やアドテクノロジーの世界では
何かしらの成約精度を上げていく事の連続ですが、
その行きつく先は、真の顧客を把握し、
カスタマーライフタイムバリュー(CLVとそのセッションでは表現していました)を
獲得する事に注力しなければならないのです。
国内のマーケターも、コンバージョン主義から、ライフタイムバリューの重要性を
説いている方が増えて来ている様に感じています。


その際に1セッション、WEBログのデータだけでは
測れない顧客の真の姿をどうやって把握するのか、
都度の施策の確立アップももちろん大事ですが、
データだけではなく、定性的な情報や
ストーリーの共有、もっと想像を膨らますアイディアが必要になっているのでは
ないかと感じています。


データは万能ではなく、適切に使いこなすものです。
無限のアイディアを持つのは人間だけです。
そんな事に改めて、気づかされた言葉でした。


Cookie is not the customer.


Think out!
最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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