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    CRMでのグリーティング施策とは?ロイヤルティを高める記念日コミュニケーション設計

    公開日:2026-01-05

    CRMでのグリーティング施策とは?ロイヤルティを高める記念日コミュニケーション設計お正月の過ごし方の楽しみの一つに、年賀状があります。干支をモチーフにしたデザインや家族の写真に添えられた一言から、友人や知人、親類の近況を知り、驚きや懐かしさを感じた方も多いのではないでしょうか。
    また、新年最初の出社日に、さまざまな企業から届く趣向を凝らした年賀状をきっかけに、仕事始めの会話が弾むというビジネスパーソンも少なくありません。

    こうした年賀状に限らず、誕生日やクリスマスなどの記念日やイベント日が近づくと、参加している企業の会員プログラムから、メッセージとともに特典やクーポンが届けられることも多いのではないでしょうか。

    顧客の視点で見れば、これらは単なる挨拶やお祝いのメッセージにすぎないかもしれません。しかし企業の視点に立つと、記念日に合わせたメッセージや特典の提供は、単に感謝の気持ちを伝えるためだけのものではありません。顧客との関係性を築き、ロイヤルティを高めていくための重要なコミュニケーション戦略であり、貴重な顧客接点の一つと捉えるべき施策です。

    本コラムでは、こうした特定の記念日をフックにした施策であるグリーティング施策について、CRMの観点から解説していきます。

    【目次】
    グリーティング施策とは?CRMにおける定義と目的
    グリーティング施策の主な目的
    グリーティング施策設計で押さえる3つのポイント
    グリーティング施策の成功はデータ収集にある

    ご挨拶で終わらせないグリーティング施策を

    グリーティング施策とは?CRMにおける定義と目的

    グリーティング施策とは、顧客の誕生日や結婚記念日といった個人的な記念日、あるいはクリスマスや年末年始などのイベント日に合わせて、メッセージや特典を届けるCRM施策です。

    一見するとシンプルな取り組みに見えますが、顧客との関係性構築やロイヤルティ向上の観点から見ると、非常に重要な顧客接点を作る取り組みの一つといえます。

    グリーティング施策の主な目的

    まずグリーティング施策には、大きく分けて2つの目的があります。

    企業・ブランドイメージの向上

    顧客自身の記念日や、顧客が大切にしている記念日・イベント日に、企業やブランドから丁寧なメッセージが届くことで、「自分を大切にしてくれている」という感情が生まれます。
    その結果、親近感や好意的な印象が醸成され、企業・ブランドイメージの向上につながります。

    顧客ロイヤルティの醸成・向上

    記念日やイベント日という特別なタイミングでのコミュニケーションは、顧客に特別感や優越感を与えやすく、企業・ブランドへの信頼感や愛着を高めます。

    これらは主に、顧客ロイヤルティのうち心理ロイヤルティに働きかける効果があり、グリーティング施策は「単なる挨拶」目的ではないといえます。

    心理ロイヤルティだけではない、経済ロイヤルティへの効果

    さらにグリーティング施策は、経済ロイヤルティの観点でも有効です。
    記念日という「なぜ今このメッセージが届いたのか」が明確なタイミングで接触することで、顧客はメッセージを自然に受け入れやすくなります。
    例えば、リピート購入や継続利用を促す特別なオファーを添えることで次の購買行動を後押しすることもできますし、長期間購入のない顧客に対して再接触のきっかけをつくることも可能です。

    このように、グリーティング施策は心理ロイヤルティと経済ロイヤルティの両面から見ても重要であることが理解できます。

    グリーティング施策設計で押さえる3つのポイント

    ここからは、グリーティング施策を設計するときに押さえると効果的な3つのポイントをご紹介します。

    1.公平性と効果を両立させるタイミング

    グリーティング施策を設計するうえで、まず検討すべきなのがメッセージを届けるタイミングです。
    記念日には、誕生日のような個人的なものから、クリスマスや年末年始といった社会的に広く認知されたイベントまでさまざまな種類があります。

    特に誕生日は多くの企業が施策を行っているため、差別化が難しい記念日の一つです。他社より早くアプローチすると記念日当日までに忘れられてしまう可能性があり、逆に遅すぎると出遅れた印象を与えてしまうこともあります。
    また、誕生日月のお客様に一律で同じタイミングにメッセージを送ると、月初に誕生日を迎えるお客様と月末のお客様で体験に差が生まれ、不公平感を与えてしまうケースも少なくありません。

    そのため、グリーティング施策では、提供するオファーの内容や有効期限、使用するチャネルの特性、施策にかかるコストや運用負荷などを踏まえたうえで、顧客体験と運用のバランスが取れたタイミングを設計することが重要です。

    【参考事例】
    上位顧客の継続率と購入金額UPを実現 レスポンス率80%!購買額に応じた2種の誕生日DM(株式会社いなげや)

    2.メッセージと体験から考えるチャネル設計

    どれだけ丁寧なメッセージを用意しても、顧客に届かなければ意味がありません。グリーティング施策においては、どのチャネルを使うかも成果を左右する重要な要素です。
    チャネルを選ぶ際に意識したいのは、顧客が最も利用しているチャネルを選択することだけが正解ではないという点です。届けたいメッセージの内容や、演出したい体験、付与するオファーによって、適したチャネルは変わります。

    例えば、Eメールは比較的長文のメッセージや詳細な情報を届けやすく、コスト効率も高いため、MAのトリガー施策と相性が良いチャネルです。
    一方、郵送DMは情報量には制約があるものの、手に取る体験を通じて特別感を演出しやすく、高単価商材やロイヤル顧客向けの施策に向いています。
    LINE
    SNSは、日常的に利用されているチャネルであることから到達率や開封率が高く、モバイルならではのパーソナルな印象を与えやすいという特長があります。

    誰に、どのような気持ちになってもらいたいのかを起点に考え、メッセージやオファーに適したチャネルを選択することが、グリーティング施策の効果を高めます。

    3.メッセージ戦略としてのオファー

    グリーティング施策において、オファーは単なる付加要素ではなく、メッセージと一体で設計すべき重要な要素です。

    記念日は顧客にとって特別なタイミングであり、企業にとっても貴重な接触機会です。この機会を、単に割引クーポンや特典を配布するタイミングとして捉えてしまうと、顧客との関係性を深めるチャンスを十分に活かすことができません。

    なぜこの記念日にこのオファーを届けるのかが、メッセージの内容と自然につながっているかどうかが重要です。
    ブランドや商品への想いを伝える流れの中でオファーを提示し、次の行動につなげる設計ができてはじめて、グリーティング施策はロイヤルティ向上や購買促進につながります。

    フュージョンでは、マーケティングにおけるオファーの考え方と設計手順をまとめたお役立ち資料を公開しています。よろしければご活用ください。 

    グリーティング施策の成功はデータ収集にある

    グリーティング施策は、受け手である顧客にとって嬉しい体験であることが前提となります。
    記念日に届くメッセージに特別感を感じられるかどうかは、施策の成果を左右する重要な要素です。

    その特別感を高めるうえでポイントとなるのが、顧客にとって意外性のあるタイミングや、自分のことを理解してくれていると感じられる内容です。いわゆるサプライズ感のあるコミュニケーションは、グリーティング施策と非常に相性が良いといえます。

    一方で、個人的な記念日はイベント日と異なり、人によって内容やタイミングが大きく異なります。そのため、企業側が保有している購買履歴や行動履歴といったファーストパーティデータだけでは、十分な設計が難しいケースも少なくありません。
    そこで重要になるのが、顧客自身が意図的に提供するゼロパーティデータの活用です。誕生日や家族構成、ライフイベントなど、顧客が自ら登録した情報は、グリーティング施策において非常に価値の高いデータとなります。
    ただし、データは集めること自体が目的ではなく、それを施策にどう活かすかが重要です。

    例えば、ある住宅メーカーでは、毎年配布していたカレンダーを、顧客の記念日を印字したパーソナルカレンダーに切り替えた事例があります。カレンダー作成のために記念日を登録してもらった結果、家族の誕生日だけでなく、ペットを迎えた日や子どもの入学式、卒業式など、さまざまなライフイベントの情報が集まりました。

    これらのデータはカレンダー制作だけにとどまらず、営業担当者が顧客を訪問する際の会話のきっかけや、その後のコミュニケーション設計にも活用されたといいます。
    このように、顧客が無理なく提供したデータを、複数の接点で活かせるかどうかが、グリーティング施策の成果を大きく左右します。

    そのためには、店頭やコンタクトセンター、ECサイトなど、日常的な顧客接点の中で自然に情報を収集できる設計が欠かせません。さらに、購買データや行動データから仮説を立て、記念日やライフイベントを読み取ろうとする姿勢も重要になります。
    データを起点にした継続的なコミュニケーション設計こそが、グリーティング施策を一過性で終わらせないための鍵といえるでしょう。

    グリーティング施策は、単体で完結する施策ではなく、顧客との関係性をどのように築いていくかという顧客コミュニケーション設計の一部として捉えることが重要です。
    どのタイミングで、どのチャネルを使い、どのようなメッセージを届けるのか。これらをデータに基づいて設計し、継続的に改善していくことで、グリーティング施策はより効果的な顧客接点へと進化していきます。

    顧客コミュニケーション設計は、CRM全体の中でも顧客に企業が期待する行動を取ってもらうために、あらかじめコミュニケーションのプロセスやストーリーを設計する取り組みです。
    詳細は以下の関連コラムをご一読ください。

    【関連コラム】
    顧客コミュニケーション設計とは?重要性や設計方法・事例を紹介

    ご挨拶で終わらせないグリーティング施策を

    本コラムでは、グリーティング施策について、その定義や目的、設計時のポイント、そしてデータ活用の重要性という観点から解説してきました。

    記念日をきっかけにしたメッセージは、なんとなく毎年送っているから、慣例的に実施しているからといった理由で続けてしまいがちな施策でもあります。しかしそのような状態では、顧客との関係性を深めるどころか、貴重な顧客接点を十分に活かせていない可能性があります。

    グリーティング施策は、顧客にとって大切なタイミングで接触できる数少ない機会です。その価値を最大化するためには、施策単体で考えるのではなく、顧客との関係性をどのように築いていきたいのかという全体像の中で位置づけることが欠かせません。
    タイミングやチャネル、メッセージ、オファーをどのように設計し、どのデータをもとに改善していくのかを整理することで、グリーティング施策はロイヤルティ向上につながる重要な顧客コミュニケーションへと進化していきます。

    フュージョン株式会社では、30年以上にわたりCRM支援を行い、さまざまな業界の企業における顧客コミュニケーション設計を支援してきました。グリーティング施策についても、単発の施策設計にとどまらず、継続的な関係構築を見据えたコミュニケーション全体の設計からご支援しています。

    顧客との接点をどのようにつなぎ、どのようなシナリオで関係性を深めていくべきか。
    その考え方や設計のポイントを整理した資料として、顧客コミュニケーション設計書をご用意しています。
    グリーティング施策を含め、CRMにおける顧客コミュニケーションを体系的に見直したい方は、ぜひ資料をご覧ください。 

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