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    MAツール運用定着の壁を越えるには?BtoC向けで成果が出ない理由も解説

    公開日:2025-11-25

    MAツール運用定着の壁を越えるには?BtoC向けで成果が出ない理由も解説MAツールを運用しているものの、思った成果が出ない企業も少なくありません。
    特にBtoCは、顧客データの複雑化や複数の配信チャネルの管理など特有の課題があり、ツール運用の定着が難しいのが現状です。

    本記事では、BtoCマーケティング現場に特化し、MAツールの成果が思うように出ない理由や必要なスキルについて解説します。MAツールを最大限活用するための方法についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

    【目次】
    MAツールとは
    BtoCマーケティングでMAツールを導入しても成果が出ない理由
    MAツール運用定着の壁を越えるために必要なこと
    MAツール運用ならフュージョンにご相談ください

    MAツールとは

    MAツール(マーケティングオートメーションツール)とは、マーケティング施策を自動化・効率化できるソフトウェアの総称です。
    MAツールはさまざまな企業で提供していますが、代表的なものとしてSalesforceが提供しているMarketing Cloud Engagementがあります。
    このようなMAツールでは、主に3つのマーケティング活動を支援・効率化できます。

    支援内容 活用できるMAツール機能例
    リードジェネレーション
    (見込み顧客の獲得)
    ・LPの作成
    ・登録フォームの作成 など
    リードナーチャリング
    (見込み顧客の育成)
    ・セグメント別のメール配信
    ・Webサイトの閲覧履歴の収集 など
    リードクオリフィケーション
    (見込み顧客の選別)
    ・スコアリング
    ・分析
    ・リアルタイムアクセスのアラート など

    このような多機能型のMAツールが活用されるようになった背景には、インターネット普及による購買プロセスの変化が挙げられます。
    インターネットが普及するまでは、広告により顧客にサービスを知ってもらう企業発信型のマーケティングが主流でしたが、現在は顧客自らが情報収集をし、複数のサービスを比較・検討するようになりました。

    この購買プロセスの変化によって、購買ニーズがある顧客との関係性を深めるCRMがより重視されています。さらに顧客のニーズの多様化にも対応するために、One to Oneマーケティングの重要性も高まっています。

    上記の背景から、適切なタイミングで顧客のニーズに合わせたアプローチをするために、MAツールを導入する企業が増えているのです。

    MAツールを導入するメリットと運用上の課題

    MAツールは、マーケティング活動に役立つ機能が豊富にあるため、効率化できます。
    顧客情報の収集や分析、スコアリング・自動メール配信なども可能なため、よりマーケティング活動に専念できるようになるでしょう。

    また顧客に寄り添ったコミュニケーションが実現できるのもメリットです。
    たとえば初回購入から継続購入に引き上げる施策では、初回購入のタイミングから一週間後にフォローアップメールを送るなど、顧客それぞれの購入タイミングに寄り添った細かなアプローチが可能です。
    MAツールでシナリオメールの作成も可能なため、フォローアップメール送付後の行動に合わせて次のアプローチをパターン分けするなど、たコミュニケーションができるようになるでしょう。

    一方で、MAツールを導入する際は、運用方法をあらかじめ明確にしておかないと、活用しきれず運用が定着しないこともあります。
    また、MAツールを活用したからといってすぐに成果が出るわけではありません。一定期間正しく運用していかなければ目に見えた成果は出ないため、自社に合った活用方法を検討する必要があります。

    MAツール運用に必要なスキル

    MAツール運用には、以下のスキルが必要です。

    • シナリオプランニング
    • データ分析
    • コンテンツ作成

    シナリオプランニングは顧客の行動に基づき、マーケティング戦略を設計することです。戦略的嗜好や分析力のほかに、クリエイティブな思考力などが求められます。

    MAツール運用にはPDCAを回すことは欠かせません。適切にPDCAサイクルを回すためにはデータ分析のスキルも必要です。

    また、マーケティングにおいて顧客の関心を引くコンテンツの制作をするには、デザインやマーケティング知識なども必要でしょう。
    ただしすべてのスキルを習得することは、現実的には難しい点も考慮する必要があります。
    詳しくは、以下の関連コラム記事をご覧ください。

    【関連コラム】
    MAツールでできることは?CRM戦略に基づく運用課題の解決方法もご紹介

    BtoCマーケティングでMAツールを導入しても成果が出ない理由

    ここからはBtoCマーケティングに焦点を当てて、MAツールを導入しても成果が出ない代表的な理由を紹介します。
    思うように成果が出ず悩んでいる担当者・実務責任者の方は、以下の理由が自社の状況に当てはまる部分がないか参考にしてみてください。

    顧客データの連携不足

    BtoCでは顧客と接点を持つチャネルが多様化したことにより、顧客データが複雑化していることが課題となるケースがしばしばあります。同じ商品でも自社ECサイトやAmazonに代表されるECモール、アプリ、実店舗など複数のチャネルで販売していることが多く、1人の顧客が複数のチャネルで商品を購入すると、顧客IDを複数所有してしまう状況が発生します。

    チャネルごとの顧客IDを統合・クレンジングしないままマーケティング施策を行うと、複数IDを持っている1人の顧客に同じ施策が重複して届いたり、実店舗で貯めたポイントがECサイトに連携されておらず、特典が使えないといった不具合が発生します。実店舗とEC両方を持つ企業の中では、部署がそれぞれ分かれている場合があるため、同じ顧客とコミュニケーションしていてもミスマッチが生じる可能性もあります。ミスマッチ例この課題を解消するためには、顧客IDの統合・データクレンジングを定期的に行い、CRM基盤を整えてからMAツールを運用することが大切です。自社でそのノウハウがない場合は、外部パートナーに依頼することも視野に入れるとよいでしょう。

    リソースや部門間の連携不足

    BtoCマーケティングは、膨大な顧客データとECやアプリに代表される多様な顧客接点を持ちます。
    具体例を挙げると、スーパーなどの小売業ではポイントカードや実店舗での接客などがあり、飲食業ではGoogleマップや予約サイト、Instagramの料理写真なども接点になるでしょう。
    これらの顧客との接点を統合的に把握し、一貫性のあるコミュニケーションを行うには、人的リソースと組織連携力が必要です。

    しかし、多くの現場で施策設計・実行・分析を担う人材が慢性的に不足しています。具体的にはMAエンジニアやプロジェクトマネージャーが該当しますが、どの業種でも人気の高い職種のため、採用活動もうまく進まないのが現状でしょう。

    またEC部門やCRM部門など、担当部門ごとにKPI(売上、DL数、開封率など)と利用ツールが異なる点にも注意が必要です。利用ツールやKPIが異なれば、顧客を軸とした一貫したMAツールでのシナリオ設計ができません。結果としてコミュニケーションが断片的になったり、重複して同じ施策を顧客に送ってしまったりと、顧客にとって悪い印象を与えかねない状況が起こり得ます。このような事態を避けるためにも、顧客体験を軸に部門を横断した一貫性のある施策の実施が求められるでしょう。

    また、MAツールを活用して成果を出すには効果検証を含めたPDCAサイクルを回すことは欠かせません。企業によっては、データ分析部門と配信部門が別のため、うまくPDCAサイクルが回せずに成果が出ないケースもあります。フュージョン株式会社では、マーケティング施策を可視化・改善するための効果検証スタートガイドを公開しています。ぜひお役立てください。

    運用知識・ノウハウ不足

    MAツールの機能活用方法やデータ連携に関する専門知識が不足していると、最適な方法でツールを活かすことができません。

    たとえば、MAツールの見込み顧客に合わせたシナリオ設計やセグメント別の配信メール設定をしたものの、内容が顧客のニーズに合っていないケースなどが考えられます。このようなケースでは顧客満足度が悪化したり顧客離れが発生したりする可能性があるでしょう。

    これらの課題を解決するためには、付け焼き刃でMAツールを運用するのではなくKPIやKGIを設定し、長期的な目線でPDCAを回すことが大切です。しかしながら、MAツールの運用ノウハウが溜まっていない状態から、適切なプロジェクト設計・運用計画を立案するのは難易度が高いのも事実です。

    コンテンツ不足

    BtoCマーケティングは、複数のキャンペーンを同時に展開することがほとんどです。
    たとえば、メールやLINEなどのSNS、アプリなどの複数の配信チャネルを使用しているケースが挙げられます。このようなケースでは、各配信チャネルごとにMAツールのシナリオを設計し、チャネル別・セグメント別に合わせたバナーや文面などのコンテンツを継続的に作る必要があります。

    以下は誕生日をきっかけとしたバースデー施策のシナリオ例です。
    このように顧客ランクや、誕生日特典の利用有無に応じてシナリオを分けています。この施策では8つのコンテンツが必要ということがわかるでしょう。

    シナリオ例 誕生日をきっかけとしたバースデー施策配信チャネルが多いと、コンテンツの制作リソースが追いつかなくなることがあります。
    制作が後手に回ると、MAツールで設計したパーソナライズシナリオを動かせなかったり、内容が古く配信自体ができなくなったりします。

    MAツールを運用するにあたって「社内で制作が追い付かない」「ノウハウやリソースが足りない」といった課題を解決するには、外部のサービスを頼るのも一つの方法です。

    MAツールの導入や運用でお困りの方は、伴走型のMAツール運用支援が可能なフュージョン株式会社へお気軽にご相談ください。

    MAツール運用定着の壁を越えるために必要なこと

    ここまで説明したように、MAツールの運用を安定させ、想定する成果を得るためには越えるべき壁(課題)があります。ここからは運用を定着させるために必要なことを紹介します。
    MAツール導入の検討をしている、または導入したが思った成果がでないという方は、参考にしてください。

    目的・具体的な目標の設定

    MAツールを導入するにあたり、目的と目標を明確にしましょう。MAツールには複数の機能があるものの、ただ使用するだけでは運用成果はでません。適切な活用をするためには、ツール導入の目的や具体的な目標を設定することが大切です。

    カスタマージャーニーマップなど顧客との初回の接点から購入(または優良顧客化)までのプロセスではステップごとに多くの施策が設計されます。この際、MAツールを各施策でどのように活用するか、またKPIをどのように設定するかをあらかじめ決めることで、各施策が孤立せず、プロセス全体に一貫性が生まれます。結果として成果の良し悪しが可視化され、PDCAを回しやすくなります。

    設計書を活用した過不足のないシナリオ設計

    MAツールの効果を最大限引き出すためには、シナリオ設計書の活用が必要です。

    MAツールでの実装に入る前に、シナリオ設計書によって「誰に」「何を」「いつ・どのチャネルで」配信するか決定していきます。また、最終的な目標を過不足なく整理しましょう。

    設計書を作成することで、シナリオの全体像が明確になり、顧客に対し適切なタイミングと内容でコミュニケーションが可能になります。また、既存シナリオの効果が薄い場合は、設計書の棚卸しを行い問題点を客観的に洗い出すと、的確に改善できるでしょう。
    シナリオ設計書 サンプル

    上記の設計書を活用すれば、より具体的なシナリオ設計書を作成できます。シナリオ設計書は以下URLからダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

    また、初めてMAツールのシナリオを作成する方向けに、BtoC向けのデジタルとアナログを併用した定番シナリオ例も用意しています。

    MAのシナリオ成果を最大化するためのノウハウも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

    解像度の高い運用設計

    MAツール運用の成果を出していくには、解像度の高い運用設計が必要です。

    まず運用設計では、業務フローを明確にし、属人化を防ぐためのリソースを改めて検討しましょう。マーケティング・営業・CS部門間の明確な役割分担やスケジュール作成、外部パートナーの選定なども必要です。

    社内外での運用体制を確実に設計しておくことで、MAツールを活用したマーケティング活動の効率と効果を最大化できます。

    継続的な定量評価と改善

    BtoCマーケティングでMAツールの導入効果を持続させるには、顧客の行動データに基づいたPDCAサイクルと継続的な定量評価が不可欠です。

    KGIから逆算し、エンゲージメントや購買行動といったBtoC特有の成果に直結するKPIを設定することで、施策の効果を定量的に示し改善につながります。

    また目に見えない指標も大切です。「顧客の離脱予兆」や「ナーチャリング効率」といった、見えていない指標を可視化することで、顧客体験の質やLTVの向上ができるでしょう。

    MAツール運用ならフュージョンにご相談ください

    MAツールを適切に運用すれば顧客に寄り添ったコミュニケーションができるほか、マーケティングの効率化を図れます。
    一方で、運用設計が不十分で連携ができなかったり、具体的な目標がなくPDCAが回せなかったりすると、成果がでない可能性があります。

    MAツール運用をしても、思った成果が出なくお困りの方は、フュージョン株式会社にお任せください。
    フュージョン株式会社のSalesforce Marketing Cloud Engagement運用支援サービスでは、MAツール導入後の運用体制をまるごと引き取り、シナリオ設計から運用までをサポートします。

    30年以上のCRM支援を行ってきた実績を活かし、顧客接点の観点で長期的にサポートします。
    シナリオ修正に悩まれている、リソースが足りず活用しきれていないという方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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