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    インサイトとは?概要やインサイトを導き出す代表的な手法を解説

    2022-07-25

    インサイト3

    マーケティング界隈ではよく目にする言葉のひとつがインサイトです。
    インサイトは英語の”insight”
    (in-sight:中を見る)が語源で、直訳すると「洞察」「直感」「発見」「物事の本質を見抜く力」のような意味があります。マーケティングの領域で使用する場合は、「消費者の頭や心の内面に潜む、まだ誰も可視化や言語化できていないけど、ブランドや商品を買う理由やきっかけになりそうな何か」を指します。インサイトは、ブランドや商品と消費者を結びつける無意識下の絆とも言えます。

    モノが売れない時代だからこそ、消費者のインサイトを見出すことによりブランドや商品を購入してもらうことができると考えられます。インサイトは、顕在化していないという意味で潜在ニーズと混同されることがありますが、インサイトはニーズにすらなっていない段階のため潜在ニーズとは異なります。
    今回のコラムではインサイトの概要や、インサイトを導き出すときの代表的な手法を解説します。

    なお、インサイトにはリサーチ領域で使用するインサイトもあり、マーケティング・コミュニケーション領域とは若干異なった意味合いで使用されていますが、今回のコラムではマーケティング・コミュニケーション領域で使用されるインサイトを取り上げています。

    インサイトの概要とマーケティングでの活用例 

    潜在・顕在を問わず、自社が扱う商品へのニーズがあったとしても、消費者が必ずしも自社の商品を選んでくれるわけではありません。消費者に選んでもらうためには、消費者が商品を選択する時に自社商品を選ぶきっかけの何かが必要です。この何かの正体そのものがインサイトであり、この何かを理解し可視化することをインサイト開発と言います。

    インサイトをビジネスやマーケティングに取り入れた事例は多くあります。
    例えば、ある定食チェーンでは、女性客の開拓を課題としていました。そこで、女性をターゲットにした野菜を多めするなど女性向けのメニュー開発を行い、また同時に女性向けのTVCMや販促プロモーションを行いましたが目に見える成果を上げることができませんでした。そこで対象となる女性のインサイト開発を実施したところ、現状の店舗では女性は「一人で来店するのが恥ずかしい」というインサイトを得ました。そこで地下や2階以上という多少立地は悪くても周囲の目が気にならない、女性一人で来店しやすい場所に出店し女性客の獲得に成功したそうです。

    インサイトを得ることは、CRMを実施している企業にとっては特に重要です。
    企業は、自社のブランドや商品、あるいは企業そのものにロイヤルティを感じてもらうために、消費者に対してさまざまな施策を実施します。それらの施策の根底にある3つの価値提供の一つである心理的価値の提供を強化することで、ロイヤルティが生まれ、育っていきます。消費者がブランドや商品と長期間な関係性を保つためには、無意識下で、かつ理由は一般的な言葉でしか説明できないにしても、言葉では表せないほど大好きという感情を持ち続けてもらうことがゴールです。そして、このことがCRMにとっては非常に重要です。

    【参考記事】
    ロイヤルカスタマー育成に欠かせない3つの提供価値とは

    CRMとは?うまくいかない原因と効果的な棚卸のポイント

    インサイトを知るための代表的な調査手法

    潜在的に無意識の中にある消費者のインサイトを知るためには、定量的・定性的の両方の側面からの調査が有効です。
    定量調査は、仮説を数値で検証したいときに有効な調査手法です。一般的な定量調査は標本調査で実施するため、収集した数値が統計的に意味を持つ数字になるように事前に設計する必要があります。定量調査は、ひと昔には街頭調査やCLT(Central Location Test)、郵送やFAXを活用した調査が主流でしたが、現在ではインターネット調査が主流となっています。

    定量調査が仮説を検証するのに有効なのに対し、定性調査は数値では表しきれない物事を検証し、仮説を構築するときに有効な調査手法です。例えば、消費者の発言や日常行動、態度のような数値化できないものの調査が該当します。特に、インサイトを知るためには定性調査が鍵になります。

    定性調査は、主に対面のインタビュー形式や観察で行うことが多く、主な調査手法としてフォーカスグループインタビュー(FGI)、デプスインタビュー(DI)、エスノグラフィック調査(行動観察調査)などがよく知られています。コロナ禍では、FGIをオンラインで行うオンラインインタビューも増えてきました。

    定量・定性調査でインサイトを導き出すときのコツ

    インサイトを正しく導き出すにあたり、消費者の隠れた何かを探るのであれば定量調査よりも定性調査が有効です。ただし、定性調査だけ実施すればそれで良いかというと、そうとも限りません。定性調査で注意が必要なのは、回答者の「本音」と「建前」です。インタビューにおいて、回答者がちゃんと本音で語ってくれているか、気をつける必要があります。
    そのためには、実際にインタビューをリードするファシリテーターのスキルが重要で、回答を深掘りし回答に矛盾点がないかを確認する必要があります。そして、「本音」と「建前」を見抜くという意味では、定量調査の併用も効果的です。インタビューから組み立てた仮説をより強化するためにも数値的に裏付けることが大切で、裏付けができればより強固な仮説とすることができます。

    一方で、定量調査は「事実」であって「真実」ではないということも気に留める必要があります。ある事象に対して事実は一つしかありません。定量調査から得られる数値の結果は1つだけです。しかしながら真実はこの事象に対して複数あります。複数の人が数値を見て分析すると異なる考えを持つことがあります。

    インサイトを理解して、マーケティングに活用しよう 

    今回のコラムではインサイトについて解説しました。また、インサイトという言葉の理解だけではなく、定量・定性調査の例や使い方のコツを紹介しました。

    普段何気なく使っているインサイトという言葉ですが、特にマーケティング戦略立案時の仮説構築時の使用されることが多いので、マーケターはその言葉の意味を正しく理解しておく必要があります。

    フュージョン株式会社では、30年以上にわたり、CRM支援サービスとして現状分析による現状把握から戦略策定、施策の実施・運用支援まで統合的なサポート通じ多くのクライアント企業を支援してきました。定量・定性調査の調査設計から実施・分析からの報告書の作成、またこれら調査を基にしたインサイト開発、さらにはペルソナ、カスタマージャーニーにいたるコミュニケーション設計全体のコンサルティングや実際の企画開発のご支援をワンストップで対応することが可能です。
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