FUSION LOGO
    close

    Eメールを活用したプロモーション施策に必要なA/Bテストとシナリオ設計

    2022-08-29

    Eメール_プロモーション施策3消費者と企業を結びつける接点は、企業がソーシャルメディアを積極的に活用し始めて以降、飛躍的に増加しました。一方で、従来からのコミュニケーションで使用されていたDMEメール等の接点も廃れたわけではありません。Eメールは、宛先指定によってコミュニケーションの相手を特定することができ、かつ取得している情報を使ってセグメンテーションすることによって、相手に伝えたい情報やメッセージを効率的に届けることができるメディアとして使い分けられています。

    そこで、今回のコラムでは、Eメールを活用したプロモーション施策に必要なA/Bテストとシナリオ設計について、消費者行動を踏まえて解説します。

    プロモーションメールを受け取るときの消費者行動

    プロモーションとしてのEメールを受け取ったとき、消費者の行動はどのように変化するのでしょうか。
    ここでは、紙のダイレクトメール(DM)と比較しながら考えてみます。
    消費者が何らかの情報を受け取るときは、一般的に下記のステップで行動が移り変わっていきます。

    ① 認知
    ② 興味・開封
    ③ 閲覧・理解
    ④ 具体的なアクション

    最初は、案内が届き開封していない①の状態です。Eメールでは、送付者と件名しか情報はありませんので、この2つの情報だけで次のステップに進むかどうかを判断することになります。
    送り手側からすると、送付者名を変えるわけにはいかないため、興味を持ってもらえるようにメールの件名を工夫する必要があります。
    しかも、件名は冒頭の10文字程度しか表示されず、全文表示されることは稀ですので注意が必要です。
    その点、紙のDMはEメールと違い、送り手以外のさまざまな情報を外封筒やはがきの宛名面に工夫し記載することができます。これらにより、認知から興味の初期の段階まで誘導することができるのが大きな違いです。

    受け手が情報を認知し興味のきっかけを持ってもらえたなら、Eメールを開封し(ステップ②)、より詳しい情報を得て理解する③のステップへ進みます。一昔前と異なり、Eメールでも画像とテキストを利用して情報を提供することで受け手に興味と理解を促進することができるので、この部分においては紙DMとあまり大きな差はないと言えます。一方で、段組みや表現方法に関しては、縦スクロールで読み進めさせなければいけないEメールに比べ、紙のDMの方が自由度も高いと言えるでしょう。
    そして最後のステップ④具体的なアクションですが、DMの場合は、QRコードや短縮URL、物理的なレスポンスデバイスの同梱などバリエーションは豊富ですが、どれもワンアクションでは最終的な行動を起こしてもらうことが難しい反面、Eメールの場合は、LPへのリンクのワンアクションで最終的な目的先に遷移させることができますのでよりシンプルに行動を起こさせることができます。

    勝ちパターンを見つけるためのA/Bテストの重要性

    Eメールの特性として、短時間で数パターンを制作することが可能な点が挙げられます。Eメールをプロモーション施策に使う場合は、その特性を活用してA/Bテストを実施しながら最適化を進めていくのが一般的です。A/Bテストとは、広告の効果を測るため2つのパターンを比較するテストのことです。
    テスト項目としては大きく分けて
    ・クリエイティブ(件名、リードコピー、本文、イメージ)
    ・オファー(有無、有りの場合は種類)
    の2つの切り口になります。

    そしてスポーツのトーナメントで優勝者を決定するように、トーナメント形式で最適化を図ります。
    検証したい項目によってどのようなトーナメントを行うかが変わってきます。
    商品やサービスの打ち出し方を見つけ出したい場合は、打ち出し方の方向性違いで複数のパターンのEメールを制作し配信すると、受け手にとってどの打ち出し方が認知・興味を持ってもらえるのかがわかります。
    打ち出し方が決まっている場合はその打ち出し方の伝え方、つまりクリエイティブの最適化を目的としてトーナメントを組みます。複数の件名やリードコピー、本文や画像をテストし、どのクリエイティブの反応が良かったかを見極めます。1回のテストでテストする項目はできるだけ少なくするのがポイントです。というのも、多くのポイントを変更すると、どの部分が良かったかを判断するのが難しいためです。できるだけ一番影響が大きい部分からテストすると良いでしょう。
    オファーテストの場合は、オファー以外のクリエイティブは同一のものを使用しなければテストになりませんので、クリエイティブテストと同時に実施することは避けたほうが良いでしょう。

    EメールのテストはMA活用にも必須

    Eメールを用いたプロモーションといえば、一昔前にはメール制作と配信を指していました。しかし、今の時代はその部分を単独で実施している企業は少なく、実際にはMAを導入し、データオペレーションとマーケティングオペレーションを統合的に運用しているケースが多くなっています。
    もちろんMA導入時には、ペルソナやカスタマージャーニーに基づくシナリオ設計を行っていると思いますが、このシナリオを設計するためにもテストは欠かせません。特に、メインのシナリオの入り口のためのアプローチメディアを最適化することは必須です。
    そのためにもしっかりしたテスト設計を行い、そのテストパターンをシナリオに組み込み、テストを実施することが重要です。MAを活用すると複雑なテストを、より簡単に、より迅速に実施し、結果を確認することができ、Eメールの最適化だけでなくシナリオ全体の最適化を図ることができます。MAツールのシナリオ設計については、別記事でも解説しているのであわせてご覧ください。

    【参考コラム】
    MAツールのシナリオ設計とトリガーベースマーケティング

    Eメールを顧客とのコミュニケーションに活用しよう

    今回のコラムでは、Eメールを活用し効果的に顧客とコミュニケーションを取る場合に必要なA/Bテストとシナリオ設計について解説しました。
    企業からの一方的なメッセージを送り続けるのではなく、受け手にとって有意義なメッセージを届けるという視点でテストを繰り返し、好意的に受け取られブランドの信頼性に繋がるEメールの勝ちパターンを見つけていきましょう。

    フュージョン株式会社では、30年以上にわたり、CRM領域において数多くのクライアント企業を支援してきました。具体的には、クライアント企業におけるターゲット設定や、テストを含めたコミュニケーション設計、そしてその設計に基づいたクリエイティブ企画設計、クライアント企業が活用するMAへの実装と運用、結果分析など、CRMにおける全般的な支援を行っています。

    弊社のCRM支援サービスにご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
    お問い合わせフォームはこちら
    https://www.fusion.co.jp/contact/

    • facebook
    • mail

    関連する記事

    マーケティングに役立つ資料ノウハウを公開中!

    カテゴリー

    メルマガ登録

    役立つマーケティング情報やセミナー情報、弊社のサービスのご案内等をお届けします。