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    BtoCマーケティング動向調査結果を解説!予算や課題、施策の取り組み状況

    2023-10-23

    BtoCマーケティング動向調査結果を解説!予算や課題、施策の取り組み状況_サムネイル
    近年の急速な社会的変化は、消費者の意識と購買行動に大きな影響を与えています。特に、BtoCビジネスはこの変化の影響を大いに受けており、新しいマーケティング戦略が求められています。
    過去の成功体験に基づくマーケティング施策を踏襲しているだけでは、新規顧客の獲得や既存顧客の育成に行き詰まってしまうことがあります。このような場合の解決策の一つとして、他社動向を知り、成功している企業の動きを参考にしてみましょう。
    フュージョン株式会社は、株式会社ネオマーケティングと共同で、BtoCマーケティング担当者を対象に2023年7月に実態調査を実施しました。この調査は、BtoCビジネスの最新のマーケティング活動、予算、課題、顧客戦略に至るまで多角的に分析しています。

    プレスリリースはこちら
    「全国の20歳以上の男女300人に聞いた「BtoCマーケティング活動に関する調査」」

    このコラムでは、調査概要や主な結果を解説・考察します。自社のマーケティング活動にお悩みを抱えている方は、ご参考にしていただければ幸いです。

    はじめに:BtoCマーケティング活動実態調査の概要と調査項目

    本調査の調査概要は以下のとおりです。

    【調査概要】
    調査名:全国の20歳以上の男女300人に聞いた BtoCマーケティング活動 実態調査
    調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
    調査の対象:全国の20歳以上69歳以下の男女で、BtoCビジネスにおいてマーケティングを担当している人
    有効回答数:300名
    調査実施日:2023年7月19日(水)~2023年7月25日(火)

    調査では、主に以下の5つの項目に関してアンケートを取りました。

    • BtoC/DtoCビジネス 今期のマーケティング予算
    • 現在抱えているマーケティング課題
    • 顧客分類の現況
    • マーケティング手法の傾向
    • 顧客への施策として効果があったもの

    これらの5項目は、マーケティング活動を実施する上でどれも重要な項目で、他の企業の現状を知る上では有益な調査になっています。



    BtoCマーケティング活動実態調査結果の主なポイント

    ここからは、各調査項目について、調査結果の主なポイントを解説します。

    BtoC/DtoCビジネス 今期のマーケティング予算

    マーケティング予算は、企業の業種、売上規模、提供する商品やサービスによって大きく異なります。そのため、この調査結果は自社と直接比較するのではなく、参加企業のマーケティング予算の全体的な傾向を理解する基礎データとしてご活用ください。

     

    1_BtoC_DtoCビジネス_増減と今期の売上昨対比特に注目すべきは、全体の90%以上の企業が「マーケティング予算を増やす」または「変わらない」と回答している点です。多くの企業がコスト削減を重視する現在の経済環境において、「攻めのマーケティング戦略」を採っている企業が多いと解釈できます。 

    現在抱えているマーケティング課題

    現在抱えているマーケティング課題の最多は「新規顧客獲得」でした。特にここ数年では、小売業やサービス業では時短営業などの不定期営業や店舗閉鎖の影響があり、新規顧客獲得向けの活動に制約を与えました。この制約が解消された今でも、新規顧客獲得の停滞が顧客数や売上に影響を与えていると考えられます。

    現在抱えているマーケティング課題

    一方で、既存顧客向けの施策にも課題が多いことが明らかになりました。BtoCビジネスにおいては、顧客が容易にブランドを変更する可能性が高く、顧客が購入を止めてしまう、他社の商品に流れてしまう、といったことが発生します。そのような理由から、顧客へのロイヤルティの向上に悩んでいる姿が見て取れます。新規顧客獲得が安定するまでは、既存顧客への施策強化が不可欠であり、顧客のロイヤルティ向上だけでなく、離反や休眠対策も重要な課題となっています。

    顧客分類の現況

    顧客分類の実施の有無について、全体の約2/3の企業が顧客分類を実施していることが明らかになりました。特に増収企業では83%が「実施している」と回答していますが、横ばい・減収企業ではこの比率が50%程度にとどまっています。このデータから、顧客分類が企業の収益に直接的な影響を与えていることが確認できます。

    顧客分類の現況

    顧客分類を行うために重要なのは顧客分析であり、顧客理解です。顧客理解が進むと、特定のセグメントからの売上向上や無駄なコスト削減が可能になり、これがビジネスに大きなインパクトを与えています。顧客分類の重要性や具体的な方法については、下記のコラムで解説しているのでご覧ください。

     【参考コラム】
    顧客理解の鍵となる顧客分類とRFM分析の活用例を紹介

    顧客分類における課題としては、人材不足やリソース不足が挙げられました。顧客分類の実施と運用には、データ収集から分析、戦略プランニング、顧客とのコミュニケーション企画、クリエイティブ企画・制作、運用まで多岐にわたる知識が必要です。そのため、社内で全てのリソースを持つことは難しく、外部の専門のマーケティング・パートナーと連携することが解決策となります。特に海外企業では、多様な形態のパートナーシップを活用してこの問題を解決しています。

    顧客分類における課題

    マーケティング手法の傾向

    調査結果から、1位のメールマーケティングと6位の郵送ダイレクトメールを除いて、企業は主に新規顧客獲得に焦点を当てたマーケティング手法を採用していることが明らかになりました。この傾向から、新規顧客獲得が急募の課題であるため、積極的にこれらの手法が活用されていると解釈できます。

    今期注力マーケティング手法また、これらの広告手法やメディアコストの増加が、マーケティング予算の拡大につながっている可能性があります。新規顧客のCPA(顧客獲得単価)やCPO(注文単価)が既存顧客に比べて高いため、新規顧客を一定量獲得するには相応の予算が必要となるからです。一方で、既存顧客のケアを怠ると、顧客の離反や休眠が起こり得ます。既存顧客は企業の貴重な資産であり、その管理にも一定のコストが必要です。このように、売上を最大化するためには、新規顧客と既存顧客に対するマーケティング予算の適切な配分が必要です。

    なお、この調査の中では、今期注力しているマーケティング手法と今後より力を入れていきたいマーケティング手法についても比較分析しました。その結果、顧客との関係性構築に不可欠な「CRM」への注力意向の差分が大きく出ていました。CRMは顧客との関係性を育み、LTVの最大化にとって重要であることから、今後注力したいマーケティング手法として選ぶ企業が増えたと考えられます。

    今期と今後のマーケティング手法注力意向比較

    顧客への施策として効果があったもの

    調査結果から、上位3つの効果的な施策は「特別価格」、「クーポン発行」、「限定販売」となりました。これらは消費者に明確な金銭的価値を提供する手法であり、効果が高いと評価されています。

    顧客への施策で効果があったものただし、増収企業と横ばい・減収企業では、価値提供の質に違いが見られました。増収企業は「クーポン発行」、「限定販売」、「会員ステージ別特典」を上位に挙げています。一方で、横ばい・減収企業は「特別価格」、「クーポン発行」、「ポイントバックキャンペーン」が上位です。後者の施策は短期的な売上向上は見込めるものの、消費者がこのような価値提供に慣れると、競合他社がより高い金銭的価値を提供した場合には、顧客の離反が起こりやすいとされています。

    顧客への施策増収企業との比較増収企業は、金銭的価値だけでなく、心理的価値も提供しています。この心理的価値は、消費者が「この商品や企業が好き」と感じるような影響を与えます。結果として、企業のブランディングと連動して、消費者の信頼と継続的な購入を促し、ロイヤルティの向上にもつながります。

    【参考コラム】
    ロイヤルカスタマーを育成するには?メリットや付加価値の種類も解説

    このような心理的価値の提供には、顧客分類が前提となります。効果的な心理的価値のプロモーションを行う対象を正確に特定しないと、予算の無駄遣いにつながります。この点からも、顧客分類は施策の企画と実行においてキーとなる要素であると言えます。

    他社の動きを知るのは、自社の戦略を再考する機会

    このコラムでは、フュージョン株式会社と株式会社ネオマーケティングが共同で行った最新の調査を基に、BtoCマーケティングの現状と動向について解説しました。この調査は20237月に実施したもので、現在のマーケティング活動の最新の動きを反映しています。

    各企業が直面する課題や採用している手法は、他社と比較する際の貴重な参考情報です。特に、顧客分類の実施が企業の売上に与える影響は無視できません。この調査結果が、今後のマーケティング戦略の策定や見直しに役立てばうれしいです。
    本文内でご紹介した内容以外も含め、調査結果をまとめた資料は、以下のリンクからダウンロードできます。

     

    フュージョン株式会社は、30年以上にわたり、多様な業界と業種でCRMやロイヤルティプログラムの戦略設計から実際の運用まで一貫してサポートしています。データ分析、CRM戦略の策定、コミュニケーションプランニング、そしてマーケティングオペレーション(MA)の運用など、CRM領域の総合支援が可能です。何かご不明点やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。

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