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    デジタルマーケターもダイレクトマーケティングを学ぶべき理由

    2022-01-17

    目標達成の道しるべ「KPI」を設定しよう

    ダイレクトマーケティングの歴史は古く、15世紀には既にカタログが印刷されビジネスに活用されていたと言われています。また、それ以降も、特に小売業を中心に顧客に直接商品を販売する手法として活用されてきました。一方で、これらの活動はマーケティング活動というよりは販促手法とされていました。

    1967年、20世紀の三大広告人にも選ばれたレスター・ワンダーマンが「ダイレクトマーケティング」という言葉を特定し、現代的なマーケティング手法として定義しました。それ以降、さまざまな業種でダイレクトマーケティングの考え方を取り入れ、ビジネスを成長に導きました。

    ダイレクトマーケティングは古いマーケティング手法と思われがちですが、その本質は今日でも通用する普遍的な考え方に基づいています。普遍的な考え方であるがゆえに、現在主流になりつつあるデジタルマーケティングでも活用が可能なマーケティング手法です。特に、見込み客や顧客と直接向き合う接点を活用し、コミュニケーションを実施する機会が多いデジタルマーケターこそ、ダイレクトマーケティングを理解する必要があります。

    今回のコラムでは、ダイレクトマーケティングの本質と、なぜデジタルマーケターがダイレクトマーケティングの本質を理解したほうが良いのか、について解説します。

     

    ダイレクトマーケティングの本質とは

    ダイレクトマーケティングの本質は、レスター・ワンダーマンの著書「Being Direct(日本語版タイトル:ワンダーマンの「売る広告」【翔泳社】)」の「NINETEEN THINGS ALL SUCCESSFUL DIRECT MARKETING COMPANIES SHOULD KNOW (成功するダイレクトマーケティングカンパニーが知っておくべき19の事柄)」から読みうかがうことができます。

    ワンダーマンは、マーケティングの主役は「The Consumer, Not the Product, Must Be the Hero(主役はプロダクトではなく顧客)」と言っています。つまり、プロダクトアウトではなくマーケットインのスタンスで顧客ニーズの把握や課題解決を行う、という顧客本位な視点でマーケティング戦略を策定することが重要だと述べています。
    その上で、広告の目的に関して「Advertising Must Change Behavior, Not Just Attitudes(広告は態度だけではなく行動を変えなければいけない)」としています。また、広告の受け手である顧客や見込み客に対しては「Communicate with Each Customer or Prospect as an Audience of One (それぞれの顧客や見込客に対し、一人のオーディエンスとしてコミュニケーションをとる)」とし、個々の顧客や見込み客を理解した上で、認知だけではなく、顧客の行動そのものに変化を起こす広告こそ重要であるとしています。

    最後に、広告自身が「The Next Step: Profitable Advertising(利益を生み出す広告)」でなければならないとしたうえで、サブコピーで「The results of advertising are increasingly measurable; they must now become accountable. (広告の効果は計測可能であり、結果は説明ができなければいけない)」と追記し、計測可能な広告を用いたマーケティング活動が重要であることを説明しています。

    ダイレクトマーケティングの本質は、顧客を第一に考え顧客視点に立ち、顧客一人一人に対し適切なコミュニケーションをとることによって、顧客の行動に変化を与え、さらに行動の結果や効果が計測可能でなければならないということです。

    そして、昔からダイレクトマーケティングで語られている本質的なことは、現在のデジタルマーケティングでも通用することが理解できます。

    驚くことに、このBeing Directは最近の刊行ではありません。ハードカバーが刊行されたのは1997年1月、Windows95が発売されて2年後、Googleの設立の1年前であり、急速にInternetの利用が拡大した時期です。当時は、まだデジタルスペースを活用したマーケティング活動が活発ではなかった時期でもありました。しかし、ワンダーマンはその時期に既に現代でも通用するマーケティング理論を確立していたのです。

     

    ダイレクトマーケティングの誤解

    ダイレクトマーケティングについては、古いマーケティング手法と思われがちだということ以外にも、さまざまな誤解をされることがあります。以下では代表的な誤解を3つ挙げます。

     

    誤解1:ダイレクトマーケティング=通信販売ですか?

    歴史的に見ると、確かにそう捉えられても仕方がない部分があります。また、考え方が一番当てはまる業界は通信販売であることは否定できません。

    しかし、冒頭でご紹介したレスター・ワンダーマンが再定義したダイレクトマーケティングは、顧客の発掘(いわゆるアクイジションサイド)から、顧客の育成・定着(リテンションサイド)まで、またその両方に影響を与えるブランディング等、さまざまなマーケティング手法を包含するマーケティングの考え方です。そのため、小売・流通業をはじめ、金融業界や航空業界等さまざまな業界で採用されています。

     

    誤解2:ダイレクトメールを使用するのがダイレクトマーケティング?

    これもよく聞く誤解です。最近では、「メールマーケティングもデジタル版ダイレクトメールなので、ダイレクトマーケティングだ」という認識をされている方もいます。

    メディアに関して言えば、ダイレクトマーケティングはメディアニュートラルのスタンスをとり続けています。メディアニュートラルとは、特定のメディアを軸にメディアプランニングするのではなく、あらゆるメディアを横並びで考え、顧客との接点を最適化する考え方です。
    そのため、ダイレクトマーケターは顧客もしくは見込み客と双方向のコミュニケーションをとるために一番効率的で最適なメディアは何かを常に考えています。マス広告を使ったレスポンス広告やインフォマーシャル、検索連動型広告やバナー広告等のデジタル広告、ダイレクトメールやOOH広告等も含めた多種多様なメディアを活用し、双方向のコミュニケーションを実現しクライアントの課題解決につなげるのがダイレクトマーケティングです。

     

    誤解3:クーポンや割引券を使うのがダイレクトマーケティング?

    オファーとしてクーポンや割引券を使用することは、ダイレクトマーケティングに限らずよくあることです。しかしながら、利用者を特定しない「1回限り」の関係性しか持たないのであれば、それはクーポンをオファーにしたダイレクトマーケティングとは言えません。ダイレクトマーケティングは、相手を特定できるデータ(古くは住所や名前、メールアドレス)を活用し、継続的に双方向のコミュニケーションを実現するマーケティング手法だからです。

    ▼参考コラム:【成功するDM】~オファーの必要性と最適なオファーの選定について~

    これら以外にも、ダイレクトマーケティングはさまざまな誤解を持たれることが多いのですが、それはダイレクトマーケティングがマーケティングの本質にきわめて近い考え方だからです。

    デジタルマーケティングでも使えるダイレクトマーケティングの視点

    それでは、ダイレクトマーケティングの本質をデジタルマーケティングではどのように捉えればいいのでしょうか。4つの視点で置き換えてみます。

     

    ●顧客を第一に考える

    継続的な顧客関係を構築するためには、現在の顧客ニーズに答える良質的なコミュニケーションをとることが必須です。そのためにはBest Audience(一番いいお客様に)、Best Place(一番いい場所で)、Best Timing(一番いいタイミングで)、Best Experience(一番いい体験)を提供する必要があります。不幸にも悪い体験を受けてしまった顧客はその企業の商品を購入しないどころか広告に見向きもしてくれません。

     

    ●一人一人に対応する

    ダイレクトマーケティングでもデータの活用は基本中の基本です。デジタルマーケティングでは、ダイレクトマーケティング以上にさまざまなプラットフォームを経由し、多様なデータ、特に行動データを可視化し収集することが可能です。それらのデータを、MAに代表されるマーケティングテクノロジーと組み合わせることにより、顧客ごとにパーソナライズされたコンテンツを、顧客に直接届けることができます。最適化された接点はどこかを考える上では、メディアニュートラルの考え方が重要です。

     

    ●行動に変化を与える

    行動に変化を与えるというのは、具体的に言えば顧客の反応を得ることです。いい反応を得るためには、「顧客を第一で考える」で説明した4つのBestの中でも特にBest Experience、顧客にとって今必要な一番いい体験をしてもらうことです。わかりやすく言うと、顧客の行動に変化を促すビッグアイデアとクリエィティブが重要となります。
    ダイレクトマーケティングでクリエィティブを検討する場合は、さまざまなメディアで耐えうるビックアイデアが一番重要です。また、メディアごとに最適化されたクリエィティブ開発も行いますのでこの2つの完成度によって顧客に提供される体験が変わります。

    もちろんその体験は顧客にとって一番いい場所で一番いいタイミングであることは言うまでもありません。また、クリエィティブにおいて、強いメッセージが逆に行動を促さないケースもあるので、細心の注意を払う必要があります。

     

    ●結果や効果が計測可能である

    ダイレクトマーケティングにおいては、施策のレスポンスを計測し結果や効果を判定します。デジタルマーケティングにおいても、デジタルテクノロジーを活用したプラットフォームを活用することで、様々な接点での計測がダイレクトマーケティング以上に簡単にできます。また、ダイレクトマーケティングではなかなか計測できないアトリビューション分析を用いた効果なども計測可能になりました。一方で、多くのデータを適切に判断するためには、適切なKGIやKPIの設定と正しい接点での計測が前提になります。

    ▼参考コラム:目標達成の道しるべ「KPI」を設定しよう

    今回の記事では、なぜ今ダイレクトマーケティングが脚光を浴びているのか、なぜデジタルマーケターがダイレクトマーケティングを理解すべきなのかを解説しました。ダイレクトマーケティングは、単なるマーケティング手法ととらえるのではなく、もっと普遍的な、根本の部分を理解したうえで実務に活用できるものです。
    フュージョン株式会社では、ダイレクトマーケティングの知見をデジタルマーケティングの分野にも活用し、戦略設計や実行計画の策定、実施、運用をサポートします。
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