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ユーザー調査、ちゃんと使い分けられますか?

「ユーザー視点」「顧客の声を聞く」といったことが現代のマーケティングにおいてはとても重要です。その手段として、ユーザー調査の方法にも関心が高まっています。しかし方法を誤ると、ユーザーの要望や需要を理解することはできません。

ユーザー調査の難しさや注意点を表す、こんなエピソードが知られています。

ある食器メーカーで、どんな食器が欲しいかというテーマのグループインタビューが実施されました。そこでは「次に欲しいのはスタイリッシュな黒い角皿」という意見でまとまったといいます。しかし、インタビューの最後に、参加者へ「謝礼として食器のサンプルをご用意したので、お好きなものをお持ちください」と伝えたところ、選ばれたのは何の変哲もない白い丸皿だったのです。

ここから分かるのは、ユーザーに欲しいもの・好きなものを直接聞いても需要は判断できない、実際に選ばれるものは異なる場合があるいうことです。

しかし「聞くことに意味はない。行動の結果にだけ注目すればいい」という考えがいつも正しいとは限りません。たとえば、フィーチャーフォン全盛期にスマートフォンのサンプルを見せて選ばれたかといえば、きっと選ばれなかったでしょう。けれど、スマートフォンが爆発的に普及したのは皆さんも知っての通りです。
すでに明確になっている需要に合わせて商品開発をしていては、変化に対応できません。

必要なのは、ユーザーは必ずしも自分の需要を理解していない・言語化できるわけではないということ知った上で、マーケティングの目的に適したユーザー調査を行うことです。

では、どんな時にどんなユーザー調査を行ったらいいのでしょうか。二つの切り口でご説明します。


【1.ユーザー調査の目的】
まずは、何のためにユーザー調査をするのかはっきりさせましょう。
調査の目的は大きく2種類に分けられます。

一つは、すでにある仮説や実施済みの施策について評価・検証することです。
二つ目は、これまでに気付いていなかった需要や要望を発見することです。

それぞれの具体例を見てみましょう。

評価・検証のための調査の例
・実施した広告の効果を検証する
・Webサイトのリニューアルの効果を検証する
・仮説の確からしさを評価する

発見するための調査の例
・商品開発のために、これまで把握していなかったニーズを見つける
・商品を購入する際のユーザーの動線を把握する
・ターゲットユーザーの嗜好や価値観を知る


あるいは、調査のあとに取りうる行動からも、調査の目的を定めることができます。

評価・検証のあとに取れる行動としては
・施策を実施・継続するか、取りやめるか判断する
・施策を(特に部分的に)改善する
・施策の優先順位を判断する
などが挙げられます。

一方、発見のあとに取る行動としては
・新しい商品・サービスの企画を立てる
・ターゲットに適したバリュープロポジションを提示する
などが代表的な例となります。

もしユーザー調査の後に取りうる行動が思い浮かばないなら、調査計画自体を見直した方がいいでしょう。マーケティングにおけるほかのあらゆる調査・分析同様、その後の行動に活用できてこそ、調査には意味があります。
※過去記事『効率的なデータ分析の考え方』もご参照ください。



【2.ユーザー調査の方法】
冒頭のエピソードで挙げたように、調査の方法によって得られる情報は異なります。

ユーザー調査を分類する方法はいくつかありますが、ここでは、言葉による調査と行動による調査で分けてみました。言葉による調査とは、言葉で聞くこと、ユーザーの言葉を調査することの両方の意味が含まれます。

言葉による調査の利点は、ユーザーの思考や希望をユーザー自身に言語化してもらえることです。後述の行動による調査に比べて解釈のステップが減るためユーザーの「生の声」を関係者が共有しやすい、調査後の広告キャンペーン等でユーザーに親しみやすく響きやすいキャッチコピーが作れるなどの特長もあります。

行動による調査には、ユーザー自身が自覚していない需要や傾向をくみ取ったり、言語化しづらい好みを把握したりできるという利点があります。一方で行動や態度を解釈する必要があるため、一定のスキルが求められる場面が多くなります。調査者や調査結果を使う人の主観に影響されてしまったり、論点が拡散して施策に活用できなかったりするのがよくある失敗例です。

以上2つの切り口を横軸・縦軸に取り、マトリクスにしたのが下図です。
さらに、よく使われるユーザー調査法をマトリクス内に配置しました。

◆は定量的な手法、●は定性的な手法を表しています。
定量的というのは結果を「何人」「何%」といった数値で表現できるということです。一方、定性的な調査では「なにを」「どのように」といった記述で、結果を表現します。

user_survey.png

各手法についても、簡単にご説明しておきましょう。

・アンケート
 ユーザー調査といって、まず多くの方が思いつく方法ではないでしょうか。
 設問作成者が想定していない質問はできないため、「発見」には向きません。

・(SNSやお問い合わせなどの)テキストマイニング
 SNS上で発信されたユーザーの言葉やお問い合わせの内容を分析し、
 商品・サービスに対するイメージや印象を把握することができます。
 意味のある情報を得るためには、分析対象に一定のボリュームが必要です。

・グループインタビュー
 座談会というとイメージしやすいでしょうか。
 複数のユーザーを集め、特定のテーマで話し合ってもらう手法です。
 一対一のインタビューよりもフランクな雰囲気となることが多いため、
 より本音に近い意見や広範囲の意見を引き出せます。
 テーマ設定や司会(モデレータ)によってある程度枠組みが決められるので
 検証・評価と発見の中間の性質を持ちます。

・コンテクスチュアルインクワイアリー
 文脈的質問法ともいわれます。特定の状況(=文脈)を設定し、
 ユーザーの行動や態度を観察しながら、質問を重ねていく方法です。
 たとえば、あるアプリの使い方を説明してもらいながら、
 「まず何をしますか」「なぜそうするのですか」「いまそこをタップしたのはなぜですか」
 といったように「何」と「なぜ」を重ねていきます。
 
・アクセスログ解析
 Google Analyticsなどの解析ツールを使い、Webサイト上のユーザーの行動を分析する手法です。
 サイト訪問者の検索語やサイト内検索キーワードは言語化されたユーザーニーズと言えますし、
 どのページからどのページに遷移したかといった情報からは行動ベースの調査を行えます。
 また、訪問者1人1人の行動を丁寧に追えばWebサイト上の行動調査(=定性的手法)としても使えますし、
 「何%の訪問者がこのページを見た」といった定量的なデータを得ることもできます。

・ユーザビリティテスト
 テスト用のラボにユーザーを呼んで、製品やWebサイトを実際に使ってもらい、
 その様子を観察する手法です。
 たとえばWebサイトのリニューアル前後で行い、どの部分に課題があるか、
 リニューアルによってその課題が解決されたかなどを知ることができます。

・A/Bテスト
 ほとんど同じ製品や広告の一部分だけを変えてユーザーに提示し、
 どちらの方が反応がよいか比べる手法です。
 たとえば、Webの広告バナーを作成する際、キャッチコピーだけを変更して
 もっとも成績の良いものを採用するといった使われ方があります。
 
・行動調査、フィールド調査
 ユーザーが実際にいる場所(=フィールド)に調査者が出向き、
 その場所での行動を逐一観察する方法です。
 たとえば店頭でユーザーを観察すれば、商品を購入するときにどのような動線で行動するのか、
 商品ラベルやパッケージのどこをどれだけ見るのか、誰と一緒にいるのか、
 商品以外のどこに注目しているか、といった膨大な生の情報が手に入ります。

いかがでしょうか。ユーザー調査にも様々な方法があり、それぞれに特長と注意点があることが想像いただけたのではないでしょうか。

「ユーザーを知りたい」と思ったとき、単純に「どう思いますか」と聞くだけでは欲しい情報は得られないものです。適切な方法を選択して、ユーザーをよりよく、より深く知り、関係構築に活かしてください。

フュージョンは、ユーザー調査からそれを踏まえた施策の企画・立案まで、クライアント企業のユーザーコミュニケーション戦略をワンストップでサポートします。ユーザー調査やその後のコミュニケーションに課題をお持ちであれば、お気軽にご相談ください。

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