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「ANA国際エコー賞」にみる、成功するキャンペーンの作り方

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こんにちは。フュージョン株式会社の谷田貝です。

皆様は、「ANA国際エコー賞」をご存じですか?

以前は「DMA国際エコー賞」という名称で、
米国ダイレクトマーケティング協会(DMA)が主催する90年以上の歴史がある
最古のダイレクト・レスポンスのアワードでした。

そのDMAが2018年の夏、全米広告主協会(ANA)と合併し、
「DMA国際エコー賞」は「ANA国際エコー賞」にブランドが刷新されました。

2020年の「ANA国際エコー賞」は、3月2日(月)にフロリダ州オーランドで開催される
ANA Masters of Data and Technology Conferenceにおいて授賞式が行われる予定です。

そこで本日のコラムでは、このダイレクトマーケティングのコンペティションで評価されるポイントと、
そのエントリー作品の一部についてご紹介します。


I.ANA国際エコー賞の概要

ANA国際エコー賞(以下、エコー賞)の審査は、世界各地のマーケターが行います。
なお、当社も2017年から3年連続で審査員を担当しています。

審査員は、戦略担当、コピーライター、クリエイター、データ分析担当など、
多様なマーケティング経験を持ったメンバーで構成されており、
以下の3つの側面から評価を行っています。


①戦略性
解決すべき課題について、以下が審査の段階で重視されます。

・なぜ、今それを解決する必要があるのか?(必要性、緊急性があるのか?)
・なぜ、課題解決が難しい状況なのか?

そのため、課題解決に対する戦略として、
市場や社会背景における商品・サービスの位置付け、
チャレンジしがいがあるのかを、説明できることが必要です。


②クリエイティブ力
戦略をどのようにクリエイティブとコミュニケーション方法に落とし込んだのかが評価されます。
なぜ、特定のメディアを使ったのかという説得力が審査委員に伝わらなくてはいけないのです。

例えば、
「自社がeメールマーケティング会社であるから、あるいはダイレクトメール制作が得意なので、
これらのメディアを使うように仕向けた」
というメディア都合の発想では、高い評価を受けることができません。


③成果
難しい課題に取り組んだ結果はどうであったのかを、数値的な証拠をもって訴求します。

これら戦略性、クリエイティブ力、成果が一定の点数以上を獲得することで、
初めて最終審査に進むことができ、
カテゴリーごとに金賞、銀賞、銅賞という評価が与えられます。

受賞のレベルは点数制で決まるため、
あるカテゴリーでは銀賞のみ、あるいは該当なしという場合もあり、
それが、エコー賞が世界でも最難関のアワードの一つと言われる所以です。

▼弊社では2014年と2015年の2回、エコー賞を受賞しています
https://www.fusion.co.jp/results/awardsreceived.html





エントリー作品のご紹介

エコー賞の受賞作品は、共通して下記3点が特徴となっています。

①施策を実施した広告主側と対象となった顧客側ともに満足度が高い
②成果をダイレクトマーケティングのコミュニティにおいて共有している
③他の国でも運用可能な事例が多く、実施に至っている

ここからは上記3つのポイントに沿って、実際のエントリー作品を3つご紹介します。


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1.グローバルペイント社(コロンビア)
――――――――――――――――――――

▼動画で作品をご覧いただけます(英語)








【背景】
グローバルペイント社は、国内にいる1万人以上のペンキ職人のデータベース構築を目指している。
過去2年で6,000人の情報を集めたが、ロイヤルティプログラムを実施するために
1万人以上のデータを必要としていた。
ペンキ職人は、名刺などを持たず、組織にも加盟していない人が多く、
口コミや人からの紹介で仕事を受注しているため、コンタクトをとるのが困難であった。


【戦略】
ペンキ職人からコンタクトをしてもらうことを目的とした。
ナタリア・パリスというコロンビア生まれの人気モデルを起用し、
テレビCM、ウェブサイトから登録を呼びかけた。
登録者の中から一人だけペンキ職人が選ばれ、ナタリアと一緒にテレビCMに出演することができ、
さらにはナタリアの自宅をペイントできるという特典付き。


【クリエイティブ】
コールセンターに電話をすると、ナタリアと直接会話ができるという訴求。
それに興味を持ったペンキ職人がコールセンターに電話をするだけで、データベースに登録される。

人気モデルであるナタリアと会話することなど、可能なのだろうか?

彼女は特徴的な声の持ち主として知られている。
実は、その声に似せて、ナタリアになりきった女性たちがコールセンターで電話を待っていたのだ。

電話の受付時間外にはペンキ職人からのメッセージを録音し、
その録音されたメッセージをラジオCMにも使用した。


【成果】
ラジオCMに応募者の録音メッセージが使われたことで、さらに多くの登録者があり、
2か月の登録キャンペーン後には、既存データベースの3倍の登録数となり、
目標に対して332%を達成した。

▼ナタリアがTVコマーシャルで、電話による登録を呼びかける
20200218_1.png
▼当選したホセはナタリアと20秒間テレビコマーシャルに出演
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―――――――――――――――――――
2.マース社(ニュージーランド)
―――――――――――――――――――

▼動画で作品をご覧いただけます(英語)


【背景】
マース社は、愛犬家のニーズに応えるトータルブランドとして「ペディグリー」を展開している。

ペディグリーはブランドミッションである「犬にやさしい世界」の実現のため、
犬の里親探しキャンペーンを過去2年実施しており、3年目に突入した。

キャンペーンの認知拡大と募金活動はほかでも行われているにもかかわらず、
そして、犬に問題があるわけではないにもかかわらず、
日々たくさんの犬が保護施設に送り込まれている。

この問題を解決するため、捨てられた犬と飼い主となるべき人を結びつけるキャンペーンを実施した。


【戦略】
飼い主がいない犬が困窮している状態をより多くの人に知ってもらう必要があるが、
従来の募金活動だけでは、市場に対する訴求力が不十分。
そのため、捨てられた犬を受け入れてもらえるような訴求方法と仕組みを作り出す。


【クリエイティブ】
過去2年間の活動では、犬に対する親しみと愛情を人に強く抱かせることが欠如していたと気付いた。
犬に対する感情的な刺激を与える方法は何か。

多くの調査や研究結果から、
「幸せな犬とその飼い主は、性格や外見的な特徴が似ている」ということがわかった。
そこで、顔認証で高い技術力をもつNECと共同で、
人と犬をマッチングさせる「ドッグルゲンガー」を開発した。

Webサイト上に自分の顔写真をアップロードすると、
保護施設にいる犬の中から顔が似た犬が映し出され、
実際に会いに行くための日時を決めることができる仕組みだ。


【成果】
ドッグルゲンガーにより、6週間で370万人がサイトを訪問。
前年のキャンペーンでのサイト訪問数9,000人を大きく上回った。
ソーシャルメディアでは150万もシェアされ、ニュージーランド国内のみならずアメリカ、イギリス、ドイツ、ブラジル、南アフリカなど世界各国から注目を集めるキャンペーンとなった。

ニュージーランド国内の犬の保護施設と提携によって、
6万人がドッグルゲンガーで見つけた犬に会いに来た。
募金額は13万ドルを達成し、対前年で112%を達成。

▼マッチングによってえらばれた保護犬
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▼可愛がられている愛犬は飼い主と似ている?
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―――――――――――――――――
3.ドイツ鉄道(ドイツ)
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▼動画で作品をご覧いただけます(英語)


【背景】
ドイツ鉄道は、若者の旅行者をターゲットに乗車券を販売したい。
初めての試みではあるが、ソーシャルメディアを利用したeコマースに挑戦した。


【戦略】
従来のメディアを使ってターゲットにリーチするには予算が足りなかった。
効果のほどはわからなかったが、ソーシャルメディアを使うこととし、チャネルには facebook を使い、
「Bossチケット」という特別価格の乗車券を2週間だけの限定販売する。


【クリエイティブ】
facebookに掲載した「Bossチケット」はブロガーたちの話題になり1週間で広まった。
Bossチケットにちなんで「ボスがやってくる」という動画を制作し、ブログとYouTubeから拡散。
「Bossチケット」は facebook バナー広告からチケット購入サイトへ誘導する。
動画「ボスがやってくる」はシネスター社との提携で映画館でも流された。

<動画の内容>
ボスが出かけている間にオフィスで社員がハメを外して騒いでいると、突然ボスが帰ってきた。
いつもより早いのはなぜだ?
...それは、車ではなく電車を使ったから。


【成果】
シネスター社との提携、バナー広告、オンラインゲームと相まって若者が乗車券を購入するに至り、facebookページには28万人が訪問。

2週間の販売期間で、14万5147枚の乗車券が売れ、結果的には5万人の鉄道ファンを獲得。
ドイツ発のソーシャルメディアによるeコマース事例となった。
また、Bossチケットの動画は60万回の閲覧回数となり、その年の話題となった動画第5位を獲得した。

▼Facebookとオンラインゲーム
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▼ブログとYouTubeに掲載された「Bossチケット」と動画「ボスがやってくる」
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さいごに
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ご紹介した作品には、ストーリーテリングの巧みさがあります。
今日のストーリーテリングは、
メッセージを受け取ったターゲットが、マーケターが意図したとおりの行動をするだけでなく、
誰かに話したくなる話題性が求められているように感じます。

エコー賞は90年の歴史があり、グローバルで注目されているアワードにも関わらず、
日本国内での認知度が低いのが現状です。

セミナーで海外事例を紹介すると、
「日本には合わない、自社では実現が難しい」と敬遠されがちですが、
共感できるストーリーと顧客経験がキャンペーンの成功のカギであることは、日本でも共通しています。

今回ご紹介した事例も参考に、次はあなたもエコー賞応募にチャレンジしてみませんか?

本日のポイント

ベルギーのDuval Guillaume社で著名なクリエイティブディレクターの一人が次のように語っています。
「他社と差別化するには次の5つの要素が必要。成功したキャンペーンには必ずこれらの要素が入っている」

① provoke【会話への刺激」
② surprise me「びっくりする」
③ make it relevant「自分事化できる」
④ make it credible「信頼できる」
⑤ make it wow「驚嘆の声があがる」


▼フュージョンの株式会社DM実績
https://www.fusion.co.jp/results/awardsreceived.html

▼フュージョン株式会社お問い合わせフォーム
https://www.fusion.co.jp/contact/

【この記事を書いた人】

谷田貝 正人
営業グループ 営業1部 シニアアカウントプランナー

米国DMA公認ファンダメンタルマーケター資格(https://dcfm.fusion.co.jp/) の教育プログラムの立ち上げ・運用を担当。ANA国際エコー賞アンバサダー兼審査委員として、国内からの応募促進や審査委員のリクルーティングも行う。アメリカの著名なマーケターとも定期的にコンタクトを取り、最新のマーケティング事例を発信するセミナーにも登壇。

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